55話 魔法が使えない俺と謎の白服女
「たくやさーん、あーん」
「たくやくーん、あーん」
「あーん、うん、美味しいよ。でも自分が食べたいやつ・・・」
「たくやさーん」
「たくやくーん」
龍人族の里2日目の夜、里に平和が訪れたと言うことで、里全体でパーティが行われていた。というか、祭りみたいな感じ?
里全体が明るく賑わってる様子に、割と温かみ的なやつを感じるよ。
いろんなとこに飯があったり、踊ってたり、チャンポンしてたり、色々とカオスな空間で、俺らをへの感謝の意もあるみたい。
龍人族全員ここにいるんじゃないかな?みんな集まって各々酒飲んだりなんだりしてら。
祭りとか自体は嫌いじゃないし、むしろ催しって好きなんだけどさ。
「あ、たくやさん、口に付いてますよ?取ってあげますね〜、ペロッ」
「たくやくーん、こっちの頬にソースついてるよ?ペロっ」
「・・・ありがとうね」
どれくらい経ったかな?アンジェとミュラが俺の両側を占拠して、ずっと放さないのは。
右からアンジェの飯、左からミュラの飯、これを交互にずっと口に運ばられるこれって、拷問なのでは?
「ミュラさん?私がたくやさんに食べさせるので、遊んできてもいいんですよ?」
「アンジェも今日の戦いで疲れてるんだから、休んだら?」
「2人とも・・・」
よく分からないけど、俺越しに2人はいがみあってるんだけど、なんでかよく知らない。
居心地悪いし、この空間から出たいなぁ。
ニナは龍人族の子供達と遊んでるし、サリスは男連中と何故か戦ってる。
みんな自由に何かやってるし、俺そろそろ1人になりたいんだけど。適当にどっか行こうかな。
「ごめん、ちょっとトイレ行ってくるよ」
「あ、なら私もついて行きます!」
「ちょっと!アンジェより私が!」
「流石にやめて・・・」
居心地が良いのか悪いのか分からない場所から、俺は無理やり解き放って、適当にふらつきに行った。
◇◆◇
ふう、やっと抜け出せたなぁ。
あそこにいると息が詰まりそうだったから辛かったのよねー。でも、両手に花って言うのも悪くないけどね。
後ろから音楽がちっさく聞こえながら、夜風でも浴びようか、な?
目の前に白い服の女いるけど、誰だこの人?しかも俺のことずっと見てるし。
見た感じ20歳くらい?の白いドレス着てる金髪、龍人族じゃないよなぁ。
話しかける?いやー、でもなー。
「万象外より来訪せし部外者よ。そなたの為人、知りるべきだろう」
「あ?」
何この女、意味わからん事言ってきたぞ。これはヤバいやつだな、戻るか。
「そなたよ、何故聞き入れぬ。因果の果てより出し、当然の権利だと分からぬか」
「・・・」
よし、戻ろ。背を向けてそのままさっきのところに・・・
「いや聞けし、話しかけてるっしょ。分からんの?」
「え、なに?こわっ!普通に喋れんのかよ」
さっきまでの硬い言葉と真逆の話し方をしてきて、ちょっとビビってるんだけど?
「当たり前っしょ、つか無視すんなっつーの!」
「なんで最初から普通に喋んないんだよ」
「その方が頭良さげじゃん?ちな、アタシ偉い人だから、もうちょっと敬えしww」
「なるほどね、頭悪そうだなって今気づいたよ。で、偉いって?」
もうさっきと今の温度差激しすぎて、風邪ひきそうだわ。しかも、自分のこと偉いとか言うし。
もしかして、本当に頭やばいやつ?
「あー!頭悪いってそれ不敬!天罰だから!あと、アタシ『神』だからもうちょっとちゃんとすれし!」
いやいや、不敬だの天罰だの神だの、ほんとにやばいやつじゃん。関わらないようにしようかな。
は?神?




