29話 魔法が使えない俺と陰謀
『剣舞・月下嶺断』
その鞘から抜かれる渾身の一振りは、神羅万象を一刀する。
って巨乳師匠のよくからん一言があったけど、要するに鞘から抜いて縦斬りするだけで、師匠もそこまで設定考えてないと思うよ?
ということで、炎と氷の混合魔法に向かって一閃!そうだね、真っ二つになって消滅だね。
「な!馬鹿な!!!俺の魔法を斬っただと!?!?魔法は、魔法でしか対抗できないハズなのに!!こんなのデータにないぞ!!」
「んじゃ、アップデートしないとね、君のデータ」
空を思い切り蹴って、最強に向かって高速接近。まーたブツブツ言ってるよ、もういいってー。
『闇の炎に抱かれて・・・』
「おっそい。『剣舞 鳥襲刹牙』」
一振りで3枚の結界をパリンと砕いて、そのまま逆袈裟に持ち込もうと思ったんだけど、フィラが殺すなって言うからなあ。ぶん殴るか。
「利き手じゃないから加減できないし、うまく受け身取ってよー」
「は、はあ!?なにをうごぶばべし!!!!」
「たくやさんの拳で気絶しましたね・・・!ってことは!」
「ご主人様の勝ちなのです!!!」
あーでも、殺した方が勝ちって言ってたよなあ。いいのかな?
もう、野次がなくなって静まり返ってるし、空気重ぉ・・・
「ねーじいさん!こいつ殺す?それとも次の相手とかする?」
「いや、その必要はない。君の力は理解した、郷に入ることを許す」
随分と上からなジジイだな。それに、周りもなんか落ち込んでる感じだし、んま終わったから良いか。フィラの件が終わったら速攻帰宅するし。
「たくやさんやりましたね!!ぎゅー!!」
「ご主人様最強なのです!ぎゅー!」
「ちょ、公で引っ付くなよー」
「たくや様、ありがとうございます。郷に代わって謝罪します」
「良いよ別に、じゃ母親のとこ行こうよ」
◇◆◇
割と豪華な家に着いた俺達は、母が寝ていると言われる部屋に案内されたとこ。部屋の中に入ったら、寝ている女の人が、ずっとうなされてる。悪い夢でも見てんのかね。
「これが母です。ある時から魔王の呪いを受けて、ずっとこのまま。医療魔法でも、薬でも治りません。次期郷の長になるはずだったのですが、一体なぜ・・・」
「へーじゃあ結構母親強いんじゃん?分からないけど、今の郷の長はあのじーさんなんでしょ?あいつがやったんじゃなくて?」
「いいえ、そんなはずは・・・」
「あのジジイ嫌いなのですー!!」
「私もあまり好きではないですね」
とりま、この母親をどうにかするかって、俺どうすればいいんだろう?斬る訳にもいかないし、触ったらどうにかなるかな。
まず頭に手を当てて・・・ん?なんだ、パン!とか言って何か弾けたぞ?
おわ!!!母親が目を瞑りながら空中浮いた!!
「な、なにが起きて・・・お母様!?」
「たくやさん、家が揺れてますよ!一回非難しましょう!!」
「や、やばいのです!外に出るのです!!」
「そうだね!退避―!!」
外に出たら、魔法使いがぞろぞろ野次馬に着て、長も見にきやがったよ。お前の顔マジで見たくなかったんだけど。
「これはどういうことだ!!この部外者!フィラの母親に何をした!?」
「うるせーよジジイ!お前がどうせ母親に呪いをかけたんだろ!!」
「・・・っ!!お母様!?」
え、こわ!屋根突き破ってこっち来るじゃん!しかも周りに黒いモヤ?みたいなのが身体から出てきて、とげとげしい巨大な魔物っぽくなってるよ!
「「我を起こす物は誰だ」」
えーっと?母親じゃなくてその黒い奴が喋ってんな。一応会話しとくか。
「あのー、お前誰?」
「「我はダクレクシア。この土地の神である。この女に縛りつけたのは誰だ」」
「あのじーさんじゃない?」
「「ああ、覚えがあるな。貴様はよくわからん石を使い、この女に寄生させたのだ」」
やっぱあのジジイじゃねえか!でもなんでそんなことしたのよ。
「何故母親にこのようなことを!!」
「・・・ハハハ!!!バレてしまってはしょうがあるまい!ワシが長になるために決まっておろう!そして、この郷を完全に掌握し、魔王様の為にどんどん進軍を・・・あべぶろし!!!!!」
とりあえずうるさいから殴った。こいつ後で王都に持ち帰って牢屋送りな?
ほら、この郷の人達どよめいてるじゃん、何とかしないとなー。
「どーすりゃいいのー?」
「「我からこの女を引き離せ。女の身体には石が埋め込まれているはずだ。それを破壊するのだ。また、この石のせいで我は勝手に攻撃を始めてしまう、気をつけろ」」
「ってさフィラ。母親助けるぞー」
「・・・はい、皆さんよろしくお願いします!」
「フィラさんのお母様を助けましょう!」
「ニナも助太刀なのですよー!」
ほい、そういうことで母親救助開始!




