100話 魔法が使えない俺と地に落ちる幹部
頭上から振るう、クランの獅子爆炎剣を喰らったイジャの身体が、空を飛ぶ力も残ってないかの如く、地へと落ちていったね。
相当なダメージを喰らったと思うけど、一応俺達も地上に降りないと。ミシアも辛いだろうしね。よっと。
ほい着地!
着地した場所は街の中だね。
大通りだから、少し広いかな?倒れてる騎士は何人かいるけど、人は居ないね。
みんな家の中にいるのかも。
・・・あ、ミシアの魔力が尽きて、女性陣3人が落ちてくるぞ!
やっべ!俺にぶつか・・・いや、キャッチして・・ごふっ!!
ニナは普通に着地して、アンジェとミシアの下敷きになる俺。痛い。
顔面なんて、ミシアの尻の下敷きだし。
「あ、たくやさん!すいません・・・」
「あなた様、いや恥ずかしいです・・・」
「よけて」って言ってるのに、どいてくれない・・・
「ご主人様、楽しそうなのですね」
「もごご!!」
助けてくれる人はいないんだなぁ。
ん、足跡だ。
「あなた達何やってるの?感謝してほしいんだけど?」
「大変でしたね皆さん」
あ、魔女っ娘だ。忘れてた。加えて、後ろの修道服女が手を振ってるね。
魔女っ娘の声を聴いて、アンジェとミシアはおもむろに、何事もなかったかのように立ち上がると、パッパッってスカートを払う。
もうちょっと労わってほしい。
「やあたくや、大丈夫・・・ってわけでは無さそうだね」
「うん、痛い」
クランは俺に近づいて、苦笑いしながら手を差し伸べてくれる。すげえ優しい、惚れそう・・・
ってそんな場合じゃないな!
「あ、イジャは!?」
俺の一言に、皆が一斉にイジャが落ちたであろう場所に目線を配ると、わお!びっくり。
イジャはボロボロになりながら、かろうじて立ち上がってるよ。ガッツあるなあ。
「はあ、はあ、お前ら・・・手を抜けば調子に乗って、絶対許さないからな・・・!」
「何言ってんだよ、手を抜く方が悪いだろ馬鹿」
「たくや、彼は手加減しかできないんだ!言い過ぎじゃないか!」
いや、言い過ぎなのはクランの方だろ。こいつあれだな、ノンデリってやつだな。
「お前の娯楽は潰えたぞ。クランたちがこの街にいるテロスを制圧したんだ。もう後がねえな?」
怒ってるのかな?すげえ肩を振るわせてるよ。
「いやあ、君たち如きに使いたくはなかったんだけどね・・・仕方ないな」
「あなた様!あれはまずいです!」
ミシアがなんか焦ってるみたい。なんかまだあるのかな?
「どういうことなのですか?」
「・・・イジャさんの周りに、黒い魔力が集まってます!」
アンジェが状況説明してくれてるけど、みんなその様子に釘付けみたいだね。
はぇー、黒いモヤみたいな魔力が、どんどんイジャに纏わりつき始めてるよ。
「あなた様!あれは第二形態に変化します!!気を付けてください!!」
「や、やばそうなのです!!」
うちの女性部は結構焦ってるみたい。
第二形態?ってことは強くなるってこと?めんどくさくなるじゃん・・・
「たくや君!構えるんだ!!あの感じは危険だ!!」
「クラン!回復魔法の準備は出来てます!」
「この!まだやろうって言うの!?」
クランたちも既に臨戦態勢みたいだ!状況はかなりまずいらしい。
俺も構えて―――――
・・・あの集まってる魔力?ってさ、斬れる?
斬ってみるか。
よっと。
イジャが力を入れている様子を無視して、周りに集まる黒いモヤを斬る俺。
「「「「「「!?!?」」」」」」
あ、やっぱり斬れた!強化?みたいなのも終わったっぽいし?
こいつもう終わりだな!いやでも、首跳ばす方が良かったか!失敗したなあ。
おお、イジャがめっちゃ悔しそうな目で俺を見てるな!
・・・あれ、なんか、え?みんなの目線冷たくない?
ん、クランが近づいてきた。
「たくや。その、変身の邪魔をするのはどうかと思う・・・」
「え・・・ダメ??」
「こういうのは、変身するまで待つのが決まり事なんだ」
「そうなんだ・・・。いやでも、危険だったでしょ?あー、うん、ごめん」
良かれと思ってやったのに、そんな反応されるとは思わなかったよ。納得いかないね。
いやでもさ?強くなられる前に倒しちゃった方が、絶対よくない??
「たくやさん、えと、 ナイスです!!」
「ご主人様すごいのです!」
「あなた様!全然大丈夫です!!寧ろ最高です!」
いいよもう、余計なことするのやめる。




