#0 夢
先日夢を見た。夢というか、半覚醒状態で声が聞こえた。
「ネット小説読むなら、評価つけたり、感想書いたりしなよ。
だって、その方が書いてる人もやる気出るじゃん。
もっと生産的な活動しなよ。
っていうか、いい加減アカウント作れよ。
…………」
そして、今に至るわけだ。
ところで、私は普段あまり夢を見ない。見ていたとしても覚えていない。それが、音だけとはいえちゃんと覚えている夢(?)を見たことに驚いている。
ちなみに、これ以外の最近見た夢はこんなものだった。
時間は早朝。私はまだベッドで寝ている。
秋らしく、冷え込む朝だったと思う。私は寒くて目を覚ました。
夢うつつの状態の私は、ガタガタと何かを叩くような音がすることに気が付いた。
何だろうと思うが、まだ寝ていたい。私は起きるつもりが無かった。
その時、ベッドのすぐ隣の掃出し窓が開いて、カーテンが揺れているのが分かった。
ざっ、と音がして、カーテンが開けられ、窓から黒い人影が侵入してきた。
―何?何?
混乱して、私は声を上げ、助けを呼ぼうとした。しかし、どれだけ力を入れても声は出ない。
そうしているうちに、黒い人影は私の顔を覗き込むように、ベッドに覆いかぶさるように、近付いて来ていた。
私はそいつの顔を見た。
真っ黒だった。
黒く塗りつぶされたその顔を見て、ようやく声が出た。
「助けて」
――そこで、目が覚めて夢だと分かった。
なぜこんな悪夢を見たのだろう。理由がまるで分らない。とにかく、夢を見ている間はかなり怖かった。起きてからは、掃出し窓の鍵がかかっていることを確認して、とりあえずまた寝た。確か、まだ5時くらいだったから。
昔から、たまに見る夢はこんなものばかりである。次は良い夢が見たいものだ。
夢で思い出したのだが、私が中学生の時に男子生徒がこんな話をしていた。
そのとき私はコミュニケーション能力が低かったので、脇で聞いていただけなのだが、ある男子が日本で一番売れているマンガ雑誌の人気連載マンガについて語っていた。傍らには、学校には持ち込み禁止のはずのコミックスが置かれていたと記憶している。校則とは、あって無いようなものだった。
その男子(坊主じゃない野球部)は、マンガのこの先の展開を、それは澱みなく語っていた。
話がひと段落すると、そばで聞いていた男子(坊主頭の野球部)が、
「雑誌読んでんの?」
というようなことを質問した。
どうやら、コミックス最新刊の先の内容を語っていたらしい。
その時私は、好きなんだなーくらいのことは思ったかもしれない。思わなかったかもしれない。
坊主じゃない男子の答えはこうだった。
「夢で見た」
バカじゃないかと思う。
もちろん、こんなことを覚えている私も。
次話!クリスマスの話(?)です。