自分で選ぶものだから
「なに書いてあるのかさっぱり……」
案内された書斎で適当な本を開くたびに、初めて見る文字が並ぶ。
「そりゃ魔法の本だからね」
パッキーちゃんは眼鏡をかけて本を読んでいた。
「その眼鏡かけたら読めるかな?」
「どうだろ?魔法の世界の本と眼鏡だからこっちだと難しいのかも」
文字を読めるようにするために、頭を悩ませる。
「そうだ!魔法で読めるようにすれば――」
パタンという音がする。
「ユカリちゃんはさ、魔法とどういう風に向き合いたい?」
本を閉じて、眼鏡を外したパッキーちゃんが真剣な顔で聞いてきた。
「師匠から聞いといてって言われてさ」
いつもの顔に戻りパッキーちゃんは話し出す。
「今のままでも良いし、魔法を使いこなすようになっても良いよ」
静かにパッキーちゃんの話を聞く。
「それとも、私のお手伝いに回るか。ユカリちゃんが決めて」
「私が決めて良いの?」
「うん。大事なことだから」
パッキーちゃんに聞かれ、しばらく考える。
「私は魔法の世界に行ってみたい。今はそれが最優先」
「そっか。うん、わかった」
パッキーちゃん安心したように何度か頷くと、席を立つ。
「休憩入れようよ。この眼鏡魔法力かなり使ってさ」
いったん書斎を出て、またダイニングに向かう。
「疲れた時には甘いものだよねー」
パッキーちゃんはクッキーを出して、茶を注いで私の前に置く。
先に飲んでいいよと促され、お茶を一口飲んでみる。
「すっぱ!なにこれ」
口の中に酸っぱさが広がっていく。。




