第四十六話
最終話です。
「あげるものは妾自身❤︎妾との結婚が褒章よ❤︎
うふふ、大好きよバブー❤︎愛してる❤︎あなたの番になりたいわ❤︎❤︎❤︎」
「............。」
...思わず口を開けて放心してしまった。
俺だけではなく、周りの貴族も目をまん丸にして固まっている。
俺が誰よりも早く放心状態から再起動できたのは、普段からマリーちゃんに突拍子のないことを言われ慣れていたからだ。他の貴族が動き出す前にこの状況を切り抜けるアイデアを思いつかないと!
...ん?俺と同じ貴賓席にいたカムルチーがなんかやってるな。いや、そんなことはどうでもいい。早くアイデアを練らないと!
あ!そうだ!
確かカズラ氏が、今回の褒章は宰相が全て考えていると言っていた!マリーちゃんの、プレゼントは私❤︎発言も、何か意味あってのことに違いない!
そうだよね!常識的に考えて、国家公式のお堅い式典で逆プロポーズとかありえないよね!
宰相から何か補足説明があるはず!
俺は頼みの綱のパンジー宰相に視線を向けた。
そこには、
目を見開き、顎が外れるほど口を開いた宰相が立っていた。
......。
オメーも想定外なのかよおおお!!
おいどうすんだこの状況!
ただマリーちゃんが御乱心してるだけじゃねーか!!
...いや好意の気持ちは素直に嬉しいんですけどね?時と場所をですね?弁えてほしいんですよ。ハイ。
いや違う、それもあるんだけど今は状況打破のアイデアを...ああもう頭がこんがらがってらきた!
周囲の貴族も事態を飲み込んで騒ぎ始めている!
頼む〜!アイデアが空から降ってきてくれー!
俺の焦りが極限までに達し、神頼みをしたその瞬間。
ドッガァン!!
大きな音と共に式典会場の屋根が吹き飛んだ。
な、何事!?帝国軍が復讐にきたか!?
...!!
アレは.........この魔力は......
キャロットちゃん!?
破壊による煙が晴れると、キャロットちゃんが壊れた屋根跡に立っていた。
な、なんでキャロットちゃんがこんなところに?なんでかマリーちゃんを睨みつけてるし。
キャロットちゃんは屋根跡から飛び降り、マリーちゃんの前に着地する。
げっ、人化の魔法かけてない!魔人ってモロバレですよキャロットちゃん!
「いきなりな登場ね。あんた誰よ?」
「魔人、キャロット。」
「その魔人様がなんでこんな大事な瞬間をぶち壊したワケ?」
こ、怖...。
キャロットちゃんが玉座の前で立っているマリーちゃんに近づき、至近距離で両者がメンチをきっている。ふえぇ、目と目の間に火花が見えるよぉ...。
知らない魔人が目の前にいて、敵意を持っているのにマリーちゃんも一歩も引かない。肝が座りすぎでは?
「私の気になっている人が取られそうと、そこの魔人から連絡を受けて急いできた。」
「ふーーーん。カムルチーと繋がっていたのね。」
は?カムルチー?何やってくれてんの?
っていうか魔人の森からこの王城までどんだけ距離があると...連絡受けてからどんなスピードで来たんだよ!
...ん?
私の気になっている人が取られそう...?
は?え?あれ?まさか?
...まさかキャロットちゃん、俺のことが好き?
......もしかして、カムルチーから連絡もらって直ぐに駆けつけたのって俺の結婚を阻止する為?
はは、そんなバナナ。
「ご主人様、ご主人様!」
「な、なんですか?カムルチー。」
キャロットちゃんに密告した張本人が話しかけてきた。
お前よくもこんな修羅場作っといて笑顔でいられるな。
一発デコピンをかましてーー
「アタシもご主人様が好きにゃん❤︎第三王妃でいいから結婚してほしいにゃぁん❤︎」
そう言って俺の腕に抱きついた。
オッパアアアアイ!!柔らけぇ!!
...じゃねえ!!
コイツ、火に油を注ぐ発言をかましやがった!!
ヒッ!
キャロットちゃんとマリーちゃんがこっちに詰め寄って、空いてる片側の腕と、腰に抱きつく。
おっぱい柔らかい!マリーちゃん以外!
「1番は当然!女王である妾よ!!」
「だめ。バブーに最初に会った私が1番。」
「ワタシもご主人様だーい好きにゃん。気持ちは負けてないにゃあ!」
あれ?全員結婚する前提で話進んでる?
3人の女の子が俺を取り合い、思いっきり引っ張られる。いででで!痛い!
あ!確かこういう話があった!
この子は我が子、と主張する2人の女性に子供を引っ張らせる。
子供の身を案じ、先に手を離した方の女性を本物の母親と認めたっていう話。
つまり、俺が真に好きなら痛がる俺の身を案じ、手を離してくれるはず!
イダダダダ!!いってぇーー!!
全然離す気ない!
俺が魔人だからって無茶苦茶しやがる!
俺への愛が深すぎる!
はぁ...今世は女難が酷いな。
この物語はここで終わりです。お読みくださりありがとうございます。
この小説は当初100話ぐらいを目標にしていたのですが、モチベーションの維持が出来ず、40話中盤での完結となってしまいました。
次の作品はもう少し気楽に書けたらいいな〜と思っています。
次回作は現代物の能力バトル系をなんとなく想像しており、一切のプロット、キャラ設定、ストーリー、世界観設定を決めずに見切り発車した、本作の反省を活かした小説にしたいです。とりあえず書きだめは絶対にしたいですね...。
では、縁があれば次の作品もお願い致します。
ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございました。




