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第二十話

......どうする!?

どうしたらいい!?助けて、キャロットちゃーん!!


「ど、どうしたのかしら?」

店の前で棒立ちになっている俺をみかねてマリーちゃんが俺に話かけてきた。


「じ、実は、ぉ、ぉかねが...。」

「え?聞こえなかったわ。もう一度いってくれるかしら?」

皆んなの視線が集まる。く、くそう。ここまでか。

こうなりゃ開き直って、「金がねぇ!!!!」ドン!!!

するしかないのか。


ドォン!!!


え!?セリフ言ってないのにドンって音がした!

...いや違う。定食屋の向かいの薪置き小屋が爆発した音だ!

「なんだなんだ!?」

マリーちゃん達も驚いてそちらを向き、辺りの人達がざわつきながら集まってきた。幸にも怪我人はいなさそうだ。

いったい何なんだ。


「そいつを捕まえてくれー!!」


その叫び声が聞こえたと共に、目の前を1人の怪しい男が走り去る。


「魔法で無差別に爆破しているテロリストだ!誰か協力してくれー!!」

憲兵と思われる人が必死に追いかけている。逃げ足早いな、あの犯人。しっかし異世界にもテロってあるんだなあ。多分俺のスピードなら簡単に捕まえれる。

けど今の俺にそんな余裕はない。テロリストが作ってくれたこの僅かな時間でまた金策計画を練らねばイカン。


「そいつは王都でも常習犯だ!捕まえたら報奨金がでるぞー!!誰でもいい、捕まえてくれー!!」

はぁ報奨金ねぇ...。

報奨金!?

その瞬間俺は風を追い越した。




「魔人様凄い!さっきの森での走りは本気じゃなかったのね!」

「素晴らしい!何という正義感の塊!魔人にしておくにはもったいないですな!」

と、マリーちゃんとカズラ氏。好感度が上がったのを感じる。

一瞬で犯人を捕まえて報奨金を詰所でもらってきた。

本当は飯代捻出の為ですとは口が裂けても言えないねえ...。

ん?なんかマリーちゃん顔赤くない?風邪かな?いや、骨折った時って熱出るらしいし。

一応念のため聞いてみたら、「べ、別にあんたなんか好きじゃないわよ!!」って言われた。会話のキャッチボールができなかった。骨折熱で頭が混乱してるなあこれは。治療魔法も万能じゃないってことか。


爆破犯の報奨金は金貨10枚だった。高いのか安いのかわからない。後で調べよう。


ーーー


ようやく定食屋に入ることができ、席に着く。

店の内装はとてもしっかりしていて木で統一されたテーブルやイスが並んでいた。50人ぐらいは同時に店に入れそうな広さがある。


早速メニューを見てみよう。

ちょっと不安だったけどちゃんと文字が読めた。良かった〜。

...だけどね...


・ジェネラルオーク風ポークステーキ定食

・ニードルシープのガーデン煮込み定食

・ピピッポのポプポプ・パップ


内容がほとんど分からないんですけど。辛うじてオーク風ポークステーキが豚肉なんだろうなと分かるぐらいだ。これ以外にも色々ある。うーん迷う。どれにしようか。


「ま、魔人様。悩んでいるのですか?」

しばらくメニューを見ていたからだろう、マリーちゃんが話かけてきた。しまった。もう皆んな決めてるみたいだ。


「ええ、どれも聞いたことがないものでして...。迷ってしまいました。」

「なるほど。...で、ではどうでしょう?魔人様に2つ商品を選んで頂き、妾と魔人様で、半分づつ分け合うのです。そうすれば2つの品を味わえますわ。」

「いいのですか?」

おお、ありがたい。丁度2つ、どちらとも食べたいものがあったんだよね。


「いえいえ。護衛を頼まれてくれたことへの感謝の気持ちです。それにこの店にあるメニューは大体食べたことがありますので。お気になさらず。」

騎士達やメイドさん達もうんうん頷いている。


「ありがとうございます。ではお言葉に甘えさせてもらいますね。」

いやーホントできた子だわー。結婚断ったのは失敗だったなあ。当たり前だけど。


俺はジェネラルオーク風ポークステーキ定食と、ニードルシープのガーデン煮込み定食を頼んだ。ピポポ何とか、テメーはダメだ。何なのか想像もつかない。


しばらく王国への道順など、今後の計画を話していると、料理がやってきた。


おーこれがジェネラルオーク風ポークステーキ定食か。

見た目はまんま豚肉の照り焼きだな。

マリーちゃんの方に運ばれた、ニードルシープのガーデン煮込み定食は鍋料理らしく、狐色のスープの中に肉が入っていた。

じゃあ小皿に肉を取り分けてマリーちゃんに半分渡そう。

ーーそう思ったら。




「魔人様。はい、あーん❤︎」


...?............?


「魔人様❤︎あーーーん❤︎❤︎」







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