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ホフヌング  作者: きなこもち
2/2

出会い

翌朝、目が覚めると剣の素振りを始める。


「1.2…497.498.499.500、終わりっと」

リードは、その場に座りこんで柔軟を始めた。



冒険者になった日からずっと続けている日課である。

剣術は誰かに教わったわけではないが、自分なりに試行錯誤して鍛錬を続けているおかげで、ある程度の実力がついてきた。


朝の素振りが終わると、剣の手入れを行い、朝飯にする。


宿で提供される朝飯の具材は、質素なものだが、料理する人間の腕が良いのか、リードはいつも満足していた。



リードは基本的に、狩りを行った日の翌日は休みにしている。疲れが溜まると判断力や体力が落ちる上、消耗した道具を揃えなければならない。


リードはソロで活動している為、判断ミスや道具の有無はそのまま生き死にに直結する。



ご飯を食べた後は、一通り道具屋を回って道具を取り揃える予定だ。


宿から出ると中央の通りに向かう。中央の通りには店がいくつか並んでおり、冒険者用の道具屋も店を出している。


リードは、必要なものを買い揃えると次は冒険者ギルドへと向かう。


冒険者ギルドでは依頼のチェックを行う。実りのいい依頼はすぐになくなってしまう為、狩りにでない日でも関係なく、確認を行うのである。




「知らない顔がいるな」

受付をしている二人組を見て、リードがつぶやく。


基本的にギルドの冒険者はみんな顔見知りだ。共に狩りに出かけることもよくある上、アンファングのような田舎のギルドは冒険者の数も少ない為、新参者や流れの冒険者は一目でわかる。


一人は、赤い長髪の魔術師風の女性、もう一人も大盾を背負った金髪の女性である。


「女二人で冒険者なんて珍しいな」


リードが不思議がって見ていると、顔馴染みの冒険者から声をかけられる。


「あの二人気になるよな、見た感じ腕も立ちそうだし、なんたって二人とも美人だ」


確かに遠巻きに見ても美人であることは間違いなさそうである。


リードがまじまじ2人を見ていると、振り返ってこちらに向かってきた赤髪の方と目があってしまった。


「なんかよう?」

赤髪の女性は少し冷たく、リードに尋ねた。


「いや、特には」

正直言えば、リードはその女性の美しさに内心びっくりしていた。

アンファングの街からあまりでたことがなかったのでこれほどの美人をあまり見たことがなかった。


「あらそう、

ところで貴方達この街にいるスキルホルダーについて何か知らない?

受付で聞いてみても誰も知らないっていうのよね」

赤髪の女性は少しだけ期待したような目をリードに向けた。


「悪いね、この街にスキルホルダーがいるなんて聞いたことないよ」

リードは自分の能力のことだろうなと考えたが、素性も分からない人間に秘密を打ち明ける気はなかった。


「そう、わかったわ。ありがとう」

赤髪の女性はそれだけ言うと興味を失ったように出て行く。


それを追いかけるように金髪の女性もギルドを出ていくが、最後に軽くお辞儀をして行った。


リードが少し余韻に浸っていると、顔馴染の冒険者が小突いてきた。

「なんだよ、ボーッとして、惚れちまったか?どっちにだ?」


「そんなんじゃないよ、ただ」

リードは少し言い淀む。


「ただ、何だよ」

冒険者は不思議そうに尋ねる。


「昔の知り合いによく似てたなって」

そう言うとリードは少し考えたような表情をした。


「そうか、なんか嫌なこと思い出させちまったな、すまない」

冒険者は少し罰が悪そうに引き下がった。


リードは、気を取り直して本来の目的である依頼のチェックを行った。


特にめぼしい依頼もなかったので、冒険者ギルドを後にする。


「それにしてもスキルホルダーか。」

誰にも聞こえないように独り言を呟いて大通りへと向かった。


腹ごしらえである。


朝ご飯を食べてからそんなに時間は経っていなかったが、リードも働き盛りの青年なのでそれなりに量を食べる。


適当に店を探して、結局、行きつけの定食屋へと足を運んだ。


「へい、らっしゃい」

店の主人だ。そこまで特徴のあるお店ではないが、料理が美味しいのでいつもそこそこ賑わっている。


「おっちゃん、いつもので頼む」

リードはいつものメニューを頼む


「リードか、今日は満員だから相席でもいいか?」


「あぁ、もちろん」

少し相席は得意ではなかったが、席に通された。


「あら、奇遇ね」

そこには先程の赤髪の女性がいた。金髪の方も一緒である


「たしかに奇遇だな」

良く見るとそんなに席が混んでいる様子がなかったので主人の方をみると、ウインクをしてきた。


内心ありがた迷惑だと思ったが、仕方がないので料理を待つ。


「この街の冒険者ですよね?」

金髪がリードに尋ねる


「そうだよ、そっちは?」


「私たちも冒険者です」

続けて金髪は自己紹介をはじめた。


「私は、ミーナ。こっちはパプリカ。訳あってスキルホルダーを探しているの」

ミーナは真面目そうな印象だったが、話してみるとかなり話しやすかった。


「どうも、パプリカよ。この街で一番美味しいものは何?」

赤髪の方はパプリカというらしい。先程の印象と打って変わって、食い意地が張っているみたいだ














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