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一級警備員の俺が異世界転生したら一流警備兵になったけど色々と勧誘されて鬱陶しい  作者: 司真 緋水銀
二章第一節 一流警備兵イシハラナツイ、借金返済の旅

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百十四.迷惑なイシハラ親衛隊Ⅱ


 俺は馬車を降りて変な集団達と対峙する。


 だもん騎士はこの騒動に気づいておらず、頬を赤らめながらまだ将来の事と自分の結婚観について一人言を語っている。

 馬上にいる骨っ娘は怯えた感じで対峙した俺とヤンキーの様子を見守っている、こいつは幽霊と友達の人見知りだから生身の人間と話すのに慣れていないのだろう。


 仕方ないから俺がこいつらをどかすしかあるまい。

 俺は食後の一服タイムを邪魔されたのと面倒くさいイベントがまたしても起こったのとでイライラしたからヤンキーにメンチをきる。


「てめぇがアタマか? おもしれぇ、オレにガンつけるたぁ中々度胸ありそうじゃねえか……名乗りやがれ」

「にゃ~……ビリー、毎度面倒事増やすのやめにゃよ。まぁ確かに怪しい格好してるけどにゃ……ていうか、男の人はうちらと似たような格好してるにゃよ? もしかして……」


 オールバック金髪のひと昔前のヤンキー野郎を横にいるキャスケット帽子を被った猫語の女が諌(いさ)める。

 俺はブリブリーと呼ばれた排泄音みたいな名前のヤンキーに言う。

 

「そうだぞブリブリー、検問したいならもう少し下手(したて)に出てお願いするように頼めブリブリー。偉そうに言うと協力してもらえなくなるブリブリーだぞ、何事にも謙虚さが大事ブリブリー」

「ブリブリーじゃねえ! オレぁ【ビリー】だ! てめぇなめてんのか!?」


 ヤンキーはキレて俺の胸ぐらを掴む。

 まったく、ヤンキーってのはすぐにキレるから困ったものだな。

 とりあえず俺はヤンキーを無視して話の通じそうな猫娘と話す事にした。


「それよりお前ら警備兵っていったか? こんな何もないところで検閲業務でもやってるのか?」

「うん、そうニャよ。一応今は別の調査をしてる最中なんにゃけどそれも兼ねてこの辺りを通る通行人には話を聞いてるニャ。ここを行けば王都はすぐだからにゃ」

「別の調査?」

「だニャ、最近ここら一帯の魔物の増加率が上昇しているニャよ。それだけなら何て事のない話なんニャけど……」

「おい! エア!! べらべらと任務の事を話すんじゃねえよ! てめぇも無視してんじゃねえ!」


 エアと呼ばれた猫娘と話しているとヤンキーが横入りする。

 ふむ、ならばこれはまっとうな仕事という事か。

 王都街道での検閲なんてシュヴァルトハイムの警備兵は随分と重要な仕事を任されてるんだな。

 

「悪かったなうんこヤンキー、仕事であれば仕方ない。さっさと検閲でも何でもしろ、別にやましい事など何もないからな。頑張れうんこヤンキー」

「てめぇそれ謝ってねえだろ!? ぶっ殺すぞ!?」


 せっかく協力しようとしたのにヤンキー野郎はキレだした。

 なんだこいつ、カルシウムを産まれた時から一切摂取してないのか? キレやすいにも程があるぞ。


「イシハラ様……恐れ知らずにも程があるネ……天然なのか知らないアルけど間違いなく喧嘩売ってるようにしか聞こえないアルよ……」

「ニャはははっ! きみ面白いニャ! ビリーと初対面でそこまで弄(いじ)れるやつは初めて見たニャ!」


 するとその騒がしさが聞こえたのか目にも留まらぬ速さで俺達に近づいてくる人物がいた。

 俺には見えてるけどこいつらは即座に反応できないようで気づいていない。


 そいつは剣を抜いて俺の胸ぐらを掴んでいるヤンキーに斬りかかろうとする。


「!? ごふっ!?」

 

 俺はヤンキーを蹴飛ばして俺から離し、斬られないようにした。

 ヤンキーは地面に尻餅をつき、その瞬間青色の剣が俺の目の前に振り降ろされた。


「っ……!! てめぇ上等だコラ!! やってや──がっ!!??」

「貴様……私の旦那様に何をしていた……?」


 ヤンキーは現れた『だもん騎士』に即座に胸ぐらを掴まれて宙に持ち上げられていた。

 だもん騎士は鬼のような表情をしながらヤンキーを殺そうとしている、せっかく穏便に済まそうとしていたのに台無しだ。


 すると当然のように、猫娘がヤンキーを助けようとだもん騎士に攻撃しようと爪のような武器を光らせた。

 あれは確か『鉤爪』とかいうやつだ、某格闘ゲームで金網に張りつく仮面ナルシストが使ってるやつ。


「ニャっ!? 敵っ!? あんたなにやってるニャ!! ビリーを離すニャ!!」


 俺は面倒なイベントを起こさないように仕方なしにライトセイバーを猫娘に向け穏便に済ませるように言った。


「おい落ち着け、猫娘。こいつはただのトラブルメーカーだ、なにがかんに触ったのか知らないがお前んとこのヤンキーをボコボコにすれば落ち着くだろう。安心しろ」

「安心できるわけニャいニャよ!! あんたらやっぱ怪しいニャ! 神妙にお縄につくニャ!!」


 そして猫娘は俺に牙を剥いた。

 まったく、この世界の人間はトラブルを起こさないと気が済まないのか? 迷惑にもほどがある。


 仕方ない、骨っ娘とあっち側のもう一人いる爺さんも加えて落ち着くように話し合いするしかあるまい。


「きゃあああああっ!!? 何するネこのジジイ!! イシハラ様! こいつ今ぼくのお尻触ったアルよ!?」

「ほっほっ、若々しいいいお尻じゃ」

「許さないアル!! この地にいる幽霊達!! このジジイに乗り移って精神を滅茶苦茶にしてやるネ!!」


 しかし、骨っ娘とジジイは勝手にトラブルを巻き起こし一触即発どころか戦闘モードに移行していた。


「私の旦那様に手をあげるやつは許さん……骨すら残さず消え失せろ」

「てっめぇ……女だからって容赦しねえぞ!! ぶっ殺す!!」

「ほっほっ……そんな怒らんでもよかろうに、美肌が台無しになるぞい」

「お前のせいアル!! ぼくに触れた事を後悔させてやるネ!」

「あんたら全員王都には近づかせないニャよ! ここでやられて大人しく引き返すニャ!!」


 こいつら全員バカなんじゃないか。

 どこかへ行く度にイベントを起こすんじゃない。

 



 



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