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三人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
40/49

【声劇団体リュシエル⑥】

台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。

『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。


※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂2:♀1:不問0


 シェンさん ♀ セリフ数:13

〈④が初登場。初見しょけんでは取っ付き(にく)い印象だが、団員には意地悪を言いながらも優しい〉


 知慧ちさとくん ♂ セリフ数:16

〈大学で演劇サークルに所属する新人団員。叫ぶ演技には苦手意識があるようだ〉


 土鐘つちがねさん ♂ セリフ数:18

〈脇役を演じる事の多い中堅。主役を演じれなくとも、今の環境には満足している〉


[あらすじ]《6分程度》

 秋季オータム上演コンサートを来週に控えた平日の稽古場けいこばにて。役の微調整びちょうせいをしていた中堅の土鐘つちがねさんと、副団長のシェンさんの元に、随分ずいぶん悩んだ顔をした新人団員が近寄ってきました―――。












【土鐘さん】

 ―――…もうちょっと、此処ここは目立っても良い気がするんっすよね。『強盗ごうとう!』ってさけんで、主人公達に気付かせる為っすから。


【深さん】

 うーむ…、ただ直前がシリアスシーンだからな。いきなり叫びが入るとなると、音響おんきょうの関係で難しくなるんだ。


【土鐘さん】

 あー……そっかぁ…。


【知慧くん】

 あの…。シェンさん、土鐘つちがねさん…。お取り込み中の所ごめんなさい…相談があるんですけど、聞いて頂けませんか?


【土鐘さん】

 お、知慧ちさとじゃん。演技の相談?


【知慧くん】

 あ、いや、その。演技の事は大丈夫です。最終調整もだいぶ終わってるので…。


 じゃなくて、その…。団体に入りたいって言ってる子が居るんですけど…。


【深さん】

 知慧ちさとの知り合いか?


【知慧くん】

 はい。その…、所謂いわゆるネット友達…ってやつなんですけど。

 ただその…ソイツ、他の声劇団体にも入ってて…。


【土鐘さん】

 えっ、マジぃ? それはヤバいんじゃないっすか、シェンさん。


【深さん】

(少し考えて)

 知慧ちさと、その友人は何でウチに入りたいんだ?


【知慧くん】

 えっと、僕が楽しそうにしてるのを良いなって思ったっぽくて。

 いや、でも駄目ですよね? 他の団体に入ってるのに、リュシエルにも入ろうとかそういうのって…!


【深さん】

 まあ、誠実せいじつではないな。

 団長も首をたてには振らんだろうよ。


【土鐘さん】

 ん? ってか、知慧ちさとの相談って、ソイツを…


【深さん】

 コラ、土鐘つちがね知慧ちさとの友人だぞ。


【土鐘さん】

 うぇ、サーセン。

 …えっと、その子を団体に入れてあげたいけど、どうしたらいいですかって相談なの?


【知慧くん】

 いや、うーん。友達のよしみで入れてあげたいけど…その、正直。掲示板けいじばんとかでは結構叩かれてるみたい、だとか。あんまり良いうわさ聞かなくて…。

 僕はあんまりそういうのくわしくないし、ソイツの良い所も知ってるから良いけど、でも団体に居るのは僕だけじゃないから…どうしようかなって。


【深さん】

 ふむ…、その友人の団体名を教えてくれ。掲示板に書いてあるなら調べやすい。


【知慧くん】

 あ、えっと。『WHISPERウィスパー』です。


【土鐘さん】

 ああ、そっか。しばらく団長居ないんだっけ。


【知慧くん】

 はい…。だから、団員募集も今してないじゃないですか。

 でもどうしても入りたいから、話を通しといてくれって言われて…。


【土鐘さん】

 まあ、外から見るとよく分からんよな。団体の構造こうぞうとかその辺。つーか、ネともさんだったらさ、リアルで会った事とか無いんじゃないの?


【知慧くん】

 会った事は無いですけど、何回かビデオ通話した事あるので顔は知ってます。


 …でも、その…。


【土鐘さん】

 ん?


【知慧くん】

 裏で劇する事が多いんですけど、ちゃんと読み込めてなかったり…、ルビ振ってあるキャラの名前とか間違えるし…台本を、というより文字を読んでるだけ、みたいな所もあるので…誰かに相談しないと不安だったんです。


【土鐘さん】

 あー、居るよなぁ。そういう奴。

 まだ読み込んでもねーのに、“このキャラってどんな感じで読めばいい?”とか、作者に答え聞きたがる奴とかも、オレ苦手だなー。


【知慧くん】

 あーー……そのタイプですね…。

 その友人ともう一人と、よく劇するんですけど。そのもう一人のほうが台本書いてて、よく使わせてもらうんです。

 台本渡されて、読み込む前にどういうキャラ? って聞いてた時には…何かもう…とりあえず読もう? って言うしか無くて…。


【土鐘さん】

 ああ…、やべぇなその子。こんな事言っちゃあ悪いけど、典型的なオレの嫌いなタイプだわ…。


【深さん】

 盛り上がっているところ悪いな。

 大体分かった。真偽しんぎは分からないが、叩かれているのは団体内での色恋いろこい沙汰ざたらしい。


【土鐘さん】

 うわぁ…面倒臭ぇヤツだ…。ネットの世界でそういうのに熱くなって、周りを巻き込む奴が一番厄介(やっかい)なんっすよねぇ。


【深さん】

 ネット恋愛を否定する訳ではないがな…。

 なるほど、団体内で交際こうさい破局はきょくを繰り返しているらしい。


【知慧くん】

 え、でも…そんなに団員居ないって言ってましたよ? 全員で15人くらいで、音信不通になってるメンバーが大半だって。

 そんな事が繰り返されるほど、団員は居ないと思うんですけど…。


【土鐘さん】

 あ、分かった。他所よそで恋人作ってんすね。


【深さん】

 土鐘つちがね、言い方。

 …まあ、大抵合っているが。


 掲示板に書き込んでいた元交際相手によると、団体の外で交際を始め、その恋人を団体に入団させて、人員じんいんを確保していたらしい。

 そして、何らかの事情で破局した結果、音信不通の団員が増える、って事らしいな。


【土鐘さん】

 うーわ、当たってたし。つーか、何それ。疑似ぎじハーレムじゃん、きっしょ。


【知慧くん】

(ドン引きして)

 ……………………。


 あの、シェンさん…。


【深さん】

 ん? 何だ?


【知慧くん】

 あの…さっきの話は、その…無かったことにして下さい。僕、ソイツと友達やめます…。


【深さん】

 良いのか? 所詮しょせんは掲示板だ。ある事無い事書かれているだろうし、私が今読み上げたコレも、真実かどうかは分からないんだぞ?


【知慧くん】

 いや、何か…よく考えたら、そういう片鱗へんりん見えてたっていうか…。友達フィルター通して、見ない振りしてただけなんだなって…。


【土鐘さん】

 うっわ、知慧ちさと。マジ顔色悪いじゃん、大丈夫そ?


【知慧くん】

 大丈夫です…。ソイツには上手く言って、ゆっくりフェードアウトしますね…。


 いや、でも。相談して良かったです。一人で勝手に決めてたらとんでもない奴、団体に入れる所でしたから。


【深さん】

 いいや、報連相ほうれんそうをしっかりこなしてくれる新人が居るのは、こちらとしても嬉しいよ。お疲れ、また明日の総合練習でな。


【知慧くん】

 はい…お疲れ様です。ありがとうございました…。


【土鐘さん】

(彼が出て行ったのを見届けてから)

 ………いやーー…声劇界隈(かいわい)も色々ありますね〜。


【深さん】

 そういうものから彼等を守っていくのも私達の役目だぞ、土鐘つちがね


【土鐘さん】

 モチロン、心得こころえてますよ。










STORY END.

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