↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
PR
39/50

【宝石回路〜彼は神になれない〜】

台本タイトルは【ジュエリーコード〜かれはかみになれない〜】と読みます。


宝石回路シリーズ 第八話


台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。

『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。


※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂0:♀2:不問1


 プロメテウス・マラカイト 不問 セリフ数:21

〈魔導(まどう)隊隊長。宝石回路(ジュエリーコード)の中では最年長。輪から離れて、静かに現状を見つめている。が、そろそろ動こうと思っている〉


 メドゥーサ・オニキス ♀ セリフ数:12

〈情報司令部副部長補佐。オニキス三姉妹の末っ子。ほわほわしていて掴(つか)み難(にく)い性格をしている。アテナが苦手〉


 ヘスティア・ダイヤモンド ♀ セリフ数:18

〈騎空(きくう)軍副軍長。鼻と耳がとても良い。あまり宝石回路(ジュエリーコード)の基地には出向かない。家族に愛されている自覚がある〉


[あらすじ]《9分程度》

 どうしても決まらない。最後の“ハルモニア”の科白(セリフ)が。裏切り者の“ハデス”を殺した後、何と言わせればいいものか。宝石回路(ジュエリーコード)を待っている読者は山ほど居るというのに。

 ああ、書籍(しょせき)化(か)なんてするんじゃなかったな―――。













【ヘスティアN】

 僕が生まれた日。

 母様は安堵(あんど)して、泣いた。

 生まれてきてくれただけでも幸福だと。


 ハデス兄様は歩き方を教えてくれて、ポセイドン兄様は喋り方を教えてくれた。


 デメテル姉様は怪我をする僕を、よく治癒(ちゆ)してくれた。


 家族以外のダイヤモンドは、僕の事を恥曝(はじさら)しだとか、失敗作だとか言っていたけれど、そんな声は父様が跳ね除(の)けた。


 僕は家族に愛されている。



 喋り方と歩き方を覚え始めた頃、弟が生まれた。


 父様が怒った。あれだけ尽くしてやったのに、と怒った。それにどんな意味が含まれているのかは分からなかったけれど、怒った父様は怖かった。


 母様は弟を必死に隠したけれど、そんなの意味がないくらいに父様は母様を罵倒(ばとう)し続けた。


 ポセイドン兄様は、放置を決め込んで、いつの間にかアンピトリテ義姉様(ねえさま)と結婚してた。


 デメテル姉様はその時、花嫁修業と称(しょう)して家には居なかったから、よくは知らないけれど、頻繁(ひんぱん)に来ていた連絡は、パッタリ途絶(とだ)えた。


 弟が生まれて、何かが変わった。

 どこかのダイヤモンドは終わり始めた、と言ったけれど、生まれたての欠片(かけら)に何が出来るというのだろう。



 世界のアレコレを聞かれたって、僕には何にも分からない。

 それが、父様のせいと言われても、弟のせいと言われても、違うと思う、としか言えない。


 ただ、一つだけ明確に分かる事は、

 僕の弟、ゼウス・ダイヤモンドも、僕、ヘスティア・ダイヤモンドを愛してくれているって事だ。








✼








【メドゥーサ】

 あーあ、また失敗です。プロメテウス様ぁ、まだやるんですぅ? これ以上は勘付(かんづ)かれちゃうですぅ。


【プロメテウス】

 …だって気になるじゃないか。


 好奇心(こうきしん)というのは、いくつになったって芽生(めば)えるものさ。


【メドゥーサ】

 その好奇心、是非(ぜひ)枯(か)れ腐(くさ)って下さいですぅ。

 そもそもプロメテウス様、傍観(ぼうかん)派(は)だったじゃないです? いつから過激派に転身(てんしん)したんです?


【プロメテウス】

 …どうにも眺(なが)めているだけだと真意(しんい)が分からなくてね。


 ハデスもデメテルもダイヤモンドだっていうのに情けない、すっかり騙(だま)されている。


【メドゥーサ】

 そこにペルセポネー先輩やアンピトリテ様が居ないのは…アレです? 枝分(えだわ)かれだからです?


【プロメテウス】

 いいや。私の好みさ。


【ヘスティア】

 僕の家族の悪口? そういうの良くないと思う。


【プロメテウス】

 おはよう、ヘスティア。…疲れているね。


【ヘスティア】

 デメテル姉様が軽い癇癪(かんしゃく)を起こした。

 今はポセイドン兄様も居ないし、ハデス兄様は『あの本』にご執心(しゅうしん)だから。


【プロメテウス】

 おや、見た事あるのかい?


【ヘスティア】

 見た事はない。でも、すごく嫌な感じがした。父様の時と同じ匂い。


【プロメテウス】

 ……………………。


【メドゥーサ】

 ヘスティア先輩ぃ。プロメテウス様が僕ちんの事いじめるんですぅ。

 副軍長として、がっつーんと言ってやるです!


【ヘスティア】

 ? プロメテウスは騎空(きくう)軍所属じゃない。それに僕が言ったところで意味は無い。


 それより、“見た”?


【メドゥーサ】

 それはもうバッチシですぅ。

 まるで最初っから、そこで生きてるみたいに紛(まき)れ込んでたです、あの“異分子(いぶんし)”。


【ヘスティア】

 ……そう。


【プロメテウス】

 相変わらず、お前には映らないんだね。


【ヘスティア】

 その“異分子”、何の匂いもしない。何の音も聞こえない。

 みんなが『居る』と言ったところで、僕にとっては『居ない』まま。


 だけれど、そのお陰(かげ)でソレが“異分子”だと気付けたんだから感謝して欲しい。


【プロメテウス】

 ああ、勿論(もちろん)。感謝しているよ。皆(みな)がおかしい、と真っ先に伝えに来た相手が私だった事も、お前が有能(ゆうのう)だったからさ。


 それに…アレがよく目に入るようになってから、何もかも都合が良い。


【メドゥーサ】

 …、ですです。

 まるで世界が宝石回路(ジュエリーコード)の都合に合わせてくれてるみたいです。

 でもそんなの、オカシイです。


 ハデス様も、ハルモニア様も、どーしてこんな簡単な事に気付かないんです?


【プロメテウス】

 気が付かないものさ。


 もうアレは、ハデス達の記憶に“当たり前”として存在している。こちらに侵食(しんしょく)してくるのも時間の問題だろう。


【ヘスティア】

 …………僕にも?


【プロメテウス】

 私達よりは遅いだろうけどね。


 だから、誰が敵なのか、明確な考えをまとめておきたいんだ。


 …メドゥーサ。


【メドゥーサ】

 ハイです。


 まず、今ハデス様が所持している『あの本』………災いの書(パンドラブック)についてでーす。

 分かっている事は、この世とは異(こと)なる次元(じげん)で作られた、と言う事。

 そして、それを書き写したのがウラノス・ダイヤモンドと言う事。


 そして、災いの書(パンドラブック)の世界に魅入(みい)られ、この世界を作り変えようとしたのが、クロノス・ダイヤモンドと言う事、でーす。


【プロメテウス】

 一体全体どうやってウラノスが、本を見つけたのかまでは分かっていないがね。


 ヘスティア、如何(どう)見る?


【ヘスティア】

(独り言のように)

 ハデス兄様の持ってる災いの書(パンドラブック)はお祖父(じい)様が写したもの?


 だったら、ダイヤモンドが魅入られるのは当然かも。お祖父様はダイヤモンドの祖(そ)の血を、濃(こ)く継(つ)いでいたらしいから。


 …それに…父様がしようとしてた事、してしまった事、それらが誰の目に映っても「悪」だったなら、世界はこんなに拗(こじ)れていないはず。


【プロメテウス】

 …なるほど、そうなると…彼は後(のち)にダイヤモンドの誰かが、自分が写した本を見つける事を想定(そうてい)していた可能性が高いな。


 …ただ、それをクロノスが見つけるとは思ってなかったと思うがね。

 ウラノスは数(かず)居る子供達の中でも、クロノスの名を出した事は、ついぞ無かったからな。


【メドゥーサ】

 クロノス・ダイヤモンドがダイヤモンドの中でも特段(とくだん)目立つ子じゃなかったというのは、有名な話です。

 宝石回路(ジュエリーコード)設立の際には、かなりの反対意見を押し切ったって話も聞いたですぅ。


【ヘスティア】

 確かに父様は特別じゃなかった。小さい頃はよく分からなかったけど、今ならハッキリと分かる。

 父様の能力と、父様の肩書(かたが)きは、全くと言っていいほど釣(つ)り合ってない。


【プロメテウス】

 …だが、当時の宝石回路(ジュエリーコード)内には不思議な事に、クロノスを慕(した)っていた者が多かった記憶がある。

 エウロペやフォボスが良い例だ。


 当時は奇特(きとく)な奴も居たもんだ、と思っていたが、それも何らかの理由があるのかもしれないね。


【ヘスティア】

 父様が、慕われていた理由……。


【プロメテウス】

 ところでメドゥーサ。

 もう一つ、調べてもらっていたよね? そちらは如何(どう)?


【メドゥーサ】

 あ〜っと、現在コールドスリープしている、アイギスについてです? まとまってるです。


【ヘスティア】

 アイギス…、ゼウスが消えてからずっと眠っているっていう…あの?


【プロメテウス】

 ああ、ヘスティアは会ったことなかったかい。


【ヘスティア】

 僕、ほとんど基地に出向いた事ないし、任務なら現地(げんち)に直接行けばいい。


【メドゥーサ】

 ヘスティア先輩のそういうとこ、ストイックで格好良いですぅ。


 あ、そうそう。まとめていたアイギスの件で、二点気になる事があるです。


 一点は、コールドスリープログの一部が消去(しょうきょ)されていた事。

 こちらは現在、エウリュアレー姉さんに解析(かいせき)してもらってるです。


 もう一点は、アイギスのマイルームが例の“異分子”によって、“存在していなかった事”になっている事。

 こちらも現在、僕ちんのペットに探(さぐ)ってもらってるです。


【プロメテウス】

 ここで関わってくるか、あの“片割れ”。


【ヘスティア】

 ……敵確定?


【プロメテウス】

 黒に限りなく近いグレー、だな。


 …そうだ、ヘスティア。

 暫(しばら)くは基地にいるだろう? 探してみたら如何(どう)かな?


【ヘスティア】

 探す…………その“異分子”?


【プロメテウス】

 そう。


【メドゥーサ】

 もし会いに行くなら、事情の知らない、だけどもう入り込まれてる子と一緒が良いです。

 ヘスティア先輩からして、その“異分子”が何の音も匂いもさせてないなら、見つけるのは至難(しなん)です。

 僕ちんが付いていきたいけど、変に歩き回って、くそアテナに見つかると厄介(やっかい)です。


【ヘスティア】

 …分かった、探してみる。


 次、また無事に会えるか分からない。

 二人とも油断(ゆだん)しないで。


【プロメテウス】

 勿論だとも。


【メドゥーサ】

 ヘスティア先輩、貴重なご意見ありがとうです!


【ヘスティア】

 …あ、プロメテウス。


【プロメテウス】

 ん? 何かな?


【ヘスティア】

 その“異分子”、名前は何だっけ。


【プロメテウス】

 …………。







 ヘルメース…。


 ヘルメース・アクアマリンだよ。




















STORY END.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。