【MENU:ままのさんどいっち】
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♂1:♀2:不問0
店主 ♂ セリフ数:28
給仕ロボット ♀ セリフ数:18
迷子の幼女 ♀ セリフ数:25
[あらすじ]《6分程度》
そのひはね、ままのきげんがよくてね。かみじゃなくて、ぱんをくれたの。ぴんくのぺらぺらと、ちょっとかたいはっぱがのっててね。すっごくおいしかったんだ―――。
【店主】
ヒマだねえ。
【給仕ロボット】
まあ、そうですね。ここ数ヶ月、お客様は来店されておりませんから。
【店主】
痛い現実を突きつけないでよ。
あ、そうだ。昨夜電話が来たんだけど、『陽だまりのレクイエム』のタシギくん、元気そうだったよ。
【給仕ロボット】
ああ、そういえば。彼も暫く見ませんね。お店がお忙しいので?
【店主】
んー、給仕が一人は欲しいとは言ってたけど、それは前からだしね。
まぁ、気長にやってるんじゃない? あっちもこっちも似たようなものだよ。
【給仕ロボット】
あちらの方が特殊で危険ですよ。黄泉はお隣様ですから。
【店主】
そうかあ。そう考えたら、まだこっちの方が気楽だねえ。
(ドアベルが鳴って)
………っと、おやおや。これは可愛らしいお客さんだ。
【迷子の幼女】
あ…ごめんなさい…わたし、まいごなの…。
【店主】
あれまあ、それは大変だ。
まずはその汚れた足を拭こうか。おいで。
【迷子の幼女】
は、はいってもいいの…?
【店主】
モチロン。キミみたいに可愛いお客さんがお困りなら、尚更ね。
【迷子の幼女】
……………………。
【店主】
あり・・・?
【給仕ロボット】
店主。幼女趣味なのは結構ですが、ウィンクは無いですよ。ウィンクは。
【店主】
アレ!? そんなに大ダメージだった? ゴメンネ。…あと僕にそんな趣味はないよ。
【迷子の幼女】
ち、ちがうの…! その、わたし。おかねもってないけど、はいっていいの?
【店主】
ああ、良いんだよ。初回はツケに……また今度来た時に払ってくれればいいからさ。
ほら、ずっと外に居ると冷えちゃうからおいで。
【迷子の幼女】
うん…。…わあ、おねえちゃん、うさぎのおみみ、かわいーね。
【給仕ロボット】
ええ、ありがとうございます。そこのウィンクおじさんの趣味です。
【店主】
違うよー。
キミをカスタマイズしたのは僕じゃなくて兄貴だから。
子供にマイナスイメージを植え付けようとしないでー。
【給仕ロボット】
そのカスタマイズにOK出したのは貴方でしょう。
…お客様、抱き上げても宜しいですか?
【迷子の幼女】
うん。
【店主】
ところで、お嬢さん。
迷子って言ってたけど、どこに行く予定だったの?
【迷子の幼女】
えっと、わかんないけど…ままにあいたくてあるいてて、でもあしもいたくて、おなかもすいてきて、つかれちゃったっておもったら、このおみせがあったの。
【店主】
そうかあ。裸足で歩いていたら、そりゃあ痛いよね。
…そうだ、お嬢さん。お腹が空いてるなら、何か食べていかない?
【迷子の幼女】
え…?
【店主】
こんな見てくれでも、一応ご飯を出すお店でね。大抵のものは作れるから、何かリクエストして。
【迷子の幼女】
えっと……でも、
【給仕ロボット】
こんなに怪しいおじさんですが、料理の腕は逸品ですので、ご安心ください。
料理の名前が分からなければ、どんな見た目だったか、どんな味だったか、お教え下されば大丈夫です。
【店主】
キミ、本当に僕の扱いが雑だよね。
【迷子の幼女】
…えっと、じゃあね…ままがはじめてつくってくれた、おりょうりがいい。
【給仕ロボット】
どんな見た目でしたか?
【迷子の幼女】
しょくぱんに、なにかのってたの。ぴんくのぺらぺらと、ちょっとかたいはっぱみたいなの。
いつもね、ままがくれるのは、おかおがかいてあるかみと、ひゃくえんよりおおきいおかねだけなの。
でも、あのひはね、おいしいのつくってくれたの!
【店主】
んー…。“ぴんくのぺらぺら”…“ちょっとかたいはっぱ”……食パンに…って事は…なるほど。ロボちゃん、在庫あったかな。
【給仕ロボット】
店主、グッドタイミングです。食パン残り二枚でした。
【店主】
おおーっと、危ない。
じゃあ、お嬢さん。美味しいの作るから待っててね。
【迷子の幼女】
うん……!
✼
【迷子の幼女】
(目をキラッキラさせて)
ふわあ……!!
【店主】
お待たせしました、[ハムレタスサンド]です。
美味しく召し上がれ。
【迷子の幼女】
いいの!?
【店主】
モチロン。キミの為のサンドイッチだよ。
【迷子の幼女】
い、いただきます…!!
【給仕ロボット】
(小声で)
良かったですね、賞味期限が切れる前のハムがあって。
【店主】
(小声で)
でも開封済みだったから、ちょっと過ぎてるかも………いでっ!
【給仕ロボット】
…全く…。
お客様、お口に合いましたでしょうか?
【迷子の幼女】
……………………。
【店主】
あれ? 美味しくなかった?
【迷子の幼女】
ううん、とってもおいしい。
………ままのより…。
【店主】
おやまぁ。光栄な事だね。
だけど、ゴメンネ。僕には“ままの”は、作れなかったみたいだ。
【迷子の幼女】
ううん、いいの。
ままのほうが、うれしかったから、いいの。
【店主】
そっか。じゃあ、残りも美味しく召し上がれ。
【迷子の幼女】
…うん。
✼
【迷子の幼女】
ごちそうさまでした。
【店主】
お粗末さまでした。
……ねえ、お嬢さん。
お嬢さんは…“まま”にまだ会いたい?
【迷子の幼女】
んー…わかんない…。でも、もういかなきゃいけないのは、わかる。
【店主】
そっか。…じゃあ道はもう見えるね。
ロボちゃん、お見送りを。
【給仕ロボット】
はい。
お客様、抱き上げても宜しいですか?
【迷子の幼女】
うんっ。
【給仕ロボット】
ではお客様。こちらを。
【迷子の幼女】
おくつ? かわいい。
【給仕ロボット】
この靴を履いて、店を出ましたら、右へお進み下さい。
途中でまま様のお声が聞こえても、振り向かずにお進み下さいませ。“おねえちゃん”とのお約束ですよ。
【迷子の幼女】
ちゃんとすすんだら、ままにあえるかな?
【給仕ロボット】
ええ、きっと。
では、お客様。
ご来店、ありがとうございました。
【迷子の幼女】
うんっ、またねー! おねえちゃん、おじさーん!
【店主】
…おじさん、かあ…。
【給仕ロボット】
事実でしょう。
【店主】
うっ…。調理の時に摘んだパンの耳が詰まったかな。
【給仕ロボット】
馬鹿言っていないで、皿洗いでもしていて下さい。
【店主】
待って、キミの仕事だよね? 給仕ロボットだよね、キミ?
【給仕ロボット】
あの靴、もう少し明るい色の方が良かったかしら。
【店主】
聞いてー…!?
STORY END.
『陽だまりのレクイエム』のタシギくんが登場する台本はこちら▼
【陽だまり喫茶の幽霊談1】
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