名探偵アカリ誕生
エンシャント学園で起きた奇妙な事件。その事件に名探偵アカリが挑もうとしていた。
「この事件、実に複雑ですね」
どこから用意して来たのか、アカリは茶色のトレンチコートを着て、口にはパイプを咥えていた。
「おい、何してんだ?」
「ふふふ、私がこの事件を解決してやるわ」
「止めとけよ。お前は転校初日だろうが。あんまし目立たない方が良いって」
パメラは言いながらアカリの着ているコートを剥ぎ取った。すると、何故かその下は何も着ていなかったようで、彼女の乳房がブルッと揺れた。
「いやん、エッチ」
「何がエッチだ。コートの下に何も着ないとか、真性の変態じゃねーか」
「まあまあ二人とも」
影の薄くなりがちなミルが二人の間に入った。
パメラは溜息を吐くと、そのままベッドに座った。
「しっかし、本当に犯人は誰なんだろうな?」
「きっと複数の犯行だよ」
「てことは、派閥ぐるみの事件」
「きっとね」
「馬鹿な。そんなこしたら目立つ」
パメラとアカリは何の手掛かりも掴めないので、思わず閉口してしまった。そのせいで、部屋内は静まり返り、何とも言えぬ、重苦しい空気が漂っていた。そんな折、沈黙に耐えられなくなったミルが突然立ち上がった。
「そ、そう言えばさ。魔女伝説って知ってる?」
「何だよ急に、メルヘンか?」
パメラが面倒臭そうに言った。
「話の腰折らないでよ。エンシャント学園が建てられる前、この場所では魔女狩りが行われていたの。それでね、処刑された魔女の死体がこの学園の下に眠っているという・・・・」
「おいおい、じゃあ犯人は魔女とでも言いたいのか?」
「そういうわけじゃないけど」
三人が話していると、突然部屋の扉が叩かれた。消灯時間はとっくに過ぎているというのに、やたらと忙しなく扉を叩く人物がいた。
「ちょっと、誰よ」
アカリが立ち上がってドアを開けると、そこには、女性にしては長身の青い髪をした、短髪の女子生徒が立っていた。
「あれ、誰?」
「私は隣の部屋にいるツバキだ。今日の事件で殺された彼女のルームメイトさ。さっきから隣で君達の話を聞いていたが、私の親友の話題で勝手に盛り上がるのは止めて欲しい」
「あ、そうなの、ごめんなさい」
アカリは素直に頭を下げると、ツバキは不機嫌そうにドアを乱暴に閉めた。
「何だよアイツ。お高く留まりやがって」
「まあまあ、私達もデリカシー無いかもね」
アカリは短気なパメラを宥めた。
一方、隣の部屋では・・・・。
「ふうう、危なかった。もし奴らが私が犯人だと嗅ぎつけて来たら、あそこで始末しようと思ったけれど」
ツバキは真っ暗な部屋の中でブツブツと独り言を言っていた。
「ツバキよ・・・・」
部屋の隅にもう一人の人物がいた。その人物は部屋が暗いせいで顔や姿はよく見えないが、ツバキよりも年上らしく、落ち着いた物腰の女性の声をしていた。
「何です?」
「私が君にあげた能力はそんなもののために使うな。何故、ルームメイトを殺した。疑われるじゃないか」
「関係ないでしょ。あの女にムカついたから殺したんだ」
「お前の使命はジンを始末することだ。下らない学生の戯言にいちいち耳を貸すんじゃない」
「分かっていますよ。でもさー、あたしの能力に勝てる奴なんていませんよ」
ツバキはリンゴを手に取ると、それを思い切り手で握りつぶした。
「うふふ・・・・」
「ツバキよ。明日、ジンを始末しろ。私から全てを奪ったあの男を」
「りょーかい」
ツバキはそう言うと、ゴロリとベットの上に横になって眼を閉じた。




