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ケースR ~R指定系変態の場合~

 Rさんは魔王の称号を手に入れた!


 「くふふ。くふふふふ。くへへへへ。

 我が前に敵は無く、我が背後にも敵は無い・・・!

 我以外にこの称号に相応しき者無し!」


 Rさんは薄暗い闇の中で不気味に笑っている!


 ………


 とある道角。

 そこでは最近良くない噂があった。

 夜も遅い時間に女性が歩いていると、曲がり角から全裸の男が飛び出してくるというのだ。

 全裸の男は女性の前に立つと、仁王立ちで道を塞ぎ、己の肉体を見せつけるという。

 そう、まさに悪質極まりない変質者である。


 今日も又、哀れな子羊が一人で夜道を歩いていた。

 そこへ飛び出す変質者。

 しかし普段なら悲鳴を上げて逃げ出すべき所、その子羊は何も無い腰から剣を抜くポーズを取った!


 「現れたな!史上最悪な変態魔王め!」


 子羊から発せられた声質は、野太い男のものだった!

 それと共にか弱い乙女の姿が歪み、男の勇者が現れた!


 「ふん!小賢しい真似よ!」


 剣先を向ける勇者を余裕綽々と鼻で笑う変質者。その名もRさん!

 仁王立ちを維持したまま、フル○ンとオマケで筋肉質な肉体美を見せつけている!

 Rさんの臨戦態勢もバッチシだ!


 「汚い物を婦女子に見せつけるその所業、万死を超えて億死に値する!」


 勇者がRさんを指差しカッコいいポーズを決めた!


 「ふははは!小さきものが粋がりよる!」


 Rさんは勇者の股間を凝視して腰を前に突き出した!

 そのサイズたるや、「あ、小さい」という変質者への会心の一撃が作用しない程だ!

 勇者はその視線に気付いて思わず見比べた!

 そして流れる血の涙!


 「くっ!このド悪党があああ!!」


 勇者は否定出来ずに剣を振った!

 しかしそれをRさんは自前の魔剣で難なく受け止めた!


 「ぎゃあ!汚ねえもんで受けるなああ!

 ていうかたかがち○こが聖剣受け止めるとか意味不明なんですけどぉ!?

 こっち刃物、刃物ですからーー!!」


 最もな意見で錯乱する勇者!


 「我程の鍛え上げた巨根ともなれば自明の理よ!」


 Rさんはドヤ顔で踏ん反り返った!


 「見よこの肉体美!」


 Rさんはアブドミナル・アンド・サイを決めた!

 鍛え抜かれた筋肉といきり勃つ魔剣が勇者の視界を攻撃する!


 「うぐっ!」


 勇者は見えない刃に自尊心を抉られた!


 「見よ我が集大成!」


 Rさんはサイド・チェストを決めた!

 盛り上がる上腕二頭筋とピクピク動く胸筋、そして横からでも良くわかるいきり勃つ魔剣が更に追撃を掛けた!


 「がはっ!」


 コンプレックスをズタズタに傷付けられた勇者は、穴という穴から血を吐き出して倒れた!

 勇者は地面に両手をついて項垂れている!


 「俺のは小さく無い!普通だ普通!あれが異常なんだよ!」


 勇者は地面に向かってブツブツと吐き捨てている!

 その間Rさんは、裸体で数々のポージングを決めている!

 何故かそこにはスポットライトが当てられている!

 誰もがふた昔前の少女マンガのショッキングな顔で、「魔王だ!魔王がいる!」と指差したくなる光景だ!


 せめて下だけでも履いていれば通りすがりのボディビルダーで済んだのに。(そんな訳はない)


 せめて貧弱な体だったならただの変質者で済んだのに。(どの道警察案件)




 見事な肉体美と男の自尊心を直接攻撃する魔剣で、並み居る男共は軒並み倒された!

 勇者すら倒してみせたRさん!

 今日も今日とて自らの肉体美を乙女達に見せつける為に夜道に踊り出る!


 果たしてRさんを超える猛者は現れるのだろうか!

 夜道の安全はいつになったら護られるのだろうか!


 誰もが史上最悪な魔王と書いて変態と読むRさんに諦めかけたその時。救世主が現れた!


 その名も婦警さん!


 男の自尊心などカス程も無い婦警さんは、Rさんの肉体美をマジマジと見た後鼻で笑った!

 焦ったRさんがバック・ダブル・バイセップスを決めた時、婦警さんは徐に近付き手錠を掛けた!


 婦警さんはゴリマッチョより細マッチョ派だったのだ!


 こうして夜道に平穏は訪れた!

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