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『妄想図鑑』がこの異世界を塗り替える! 〜英雄トランザニヤの末裔とその仲間たち〜 #イセトラ    作者: 楓 隆寿
第1幕 交章。 〜明かされていく妄想と真実〜

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ピョンな再会

 








「おい、シロ。前のめりになるなよ。落ちるぞーーまた、あの時のように」


 トランザニヤが神シロの首元を掴む。指先に、過去の記憶が滲む。


「ははは、ついな。……あの時も、風がこうだった」


「あなた、まずは握り飯をどうぞ。トランザニヤ様も、よろしければ」


 東雲が差し出す握り飯は、刻の粒を包んでいた。

 神々はそれを頬張りながら、過去と未来の狭間を見下ろす。


 地上では、まだ誰も気づかぬ“選ばれし瞬間”が、静かに脈打っていた。



 


 ーーその頃、ゴクトーたちは、

 ギルド支部を出てビヨンド村のメイン通りを歩いていた。




 ◇(ゴクトーが語り部をつとめます)◇




「さて、宿はどうする?  

 それと……ダンジョン踏破で得た戦利品の分配も、ノビをまじえて……

 やらないと」


「ノビの奴、何もしてないじゃない。ついて来ただけでしょ、ゴクちゃん」


 俺の言葉に悪戯っぽい目を向け、パメラは口端を上げる。

 彼女はふっと息をつき肩をすぼめた。


 一方で影のリーダー、

 ーー名付けるなら『デス姉』こと、アカリが促す。


「とりあえず、私たちが泊まっていた宿屋はどうかしら?

 広いし、部屋も空いているはず。みんなで泊まれるわ、問題ないわ」


 その言葉にはどこか説得力がある。 自然と仲間たちも頷く。

 その表情はアカリの思惑など、疑う余地もないほど。

 

 しかし、アカリの今の言葉ーー

 どこからその確信が湧いてくるのか不思議だ。

 さりげない口調のその裏で、

 彼女の目の奥が艶かしい光を放っていたことは、

 伏せておいたほうが良さそうだ。

 彼女の心の中だけは、なぜか俺の例のスキルで読めないしね。

 きっとアカリのあの目は俺しか気づいてないし、

 仲間たちはアカリの言葉に従うことに慣れてきているからな。


 まぁ、しかし、なんだ。ダンジョン攻略してからというもの……

 俺も考え方が変わってきているのかもしれないな。

 師匠と二人の時は、こんな感情はなかったしな。


 上手く表現はできないが、

 全体を見るようになったと言うか、少し大人になったと言うかーー

 これも仲間たちがいるっていう、

 安心感がどこかそうさせているのかもしれない。

 仲間たちの行動を俯瞰して見るようになってきたのも、事実だ。

  

 そんなことを思いながら、ふと空を見上げる。

 三日月が雲の絨毯を従え、

 まるで気持ちよさそうに微笑んでいるかのように見える。

 風が少し冷たくなってきたメインストリートに俺は、

 しばし立ち止まっていた。



「お腹空いたにゃ」

「ご飯食べに行くよ!へんダー」


 アリーとジュリは手を繋ぎ先頭を歩きだす。

 その姿は見ているこちらも思わず和む。

 

 ふと、アカリが俺の横に寄り添い囁く。


「また同じ宿なら、次はもう少しだけ……」


「っえ?」


 彼女の声は村の喧騒に掻き消され、よく聞こえなかった。

 一方でアカリがじっと見つめ口角を上げる。


 照れて前方に目を向けたさ。

 

 横を歩く桃色の髪が風で靡く。

 俺の鼻に桃のような甘い香りが漂う中、

 良い香りに気分はじんわりと昂揚していく。


 だが次の瞬間、ジュリが振り返った。


「やった!同じ宿なら、わたしにもチャンスが!」


 彼女が両手を上げた。


 なんの? なんのチャンス?

 怖いんですけども……。


 思ったが口には出さない。


 当然だろ?


 苦笑するしかない。

 そんな中、アリーが再び手を繋ぎ、笑みを溢す。

 彼女が垂れ耳を動かしてジュリに一言。


「ジュリねぇ……スカート靡いてりゅ」


 アリーがそう言いながら眠そうな目を擦る。


「いいの、別に見られても……」


 気にしない素振りを見せつつ、

 言いながらもジュリが頬を朱く染めていた。


 何で……?

 おい、また、俺の妄想が暴走するだろ……。


 思わず不安に駆られた。 

 耳がじんわりと熱くなるのがわかる。

 胸の奥に引っかかるものを、誤魔化すように歩きはするものの。


 違うこと、違うこと……と。


 一瞬、宿屋の女将さんの顔を思い浮かべた。


 宿に行ったら、「ふん」ってされるな。

 ツンデレ猪か……。


 そう思う俺の目尻はきっと下がっていただろう。


 その時ーー"ぐぅぅぅぅぅぅ”


 誰かの腹が大きく鳴った。


「腹、減ったな」


 再び立ち止まり、仲間たち、ひとりひとりの顔をじっと見渡す。


 ししし、アリー、お腹、ペコペコって顔だな。

 アカリ、毅然としてるが頬が朱いぞ。

 ジュリの眉はくっつきそうだし。

 さっきから、パメラ、何かを考えているようだが……。

 まぁいっかっ!


 そう思いながら口を開く。


「飯屋、いや、食堂……探そうか」


 仲間たちは目を輝かせ、一斉に頷く。

 その瞬間、仲間たちの表情にも安堵の色が滲んだ。


 気つけば、目の端には、

 風がゆっくりとたんぽぽ草の銀の綿毛をふんわりと浮かす。

 墨色に染まった空に、

 ぼんやりと浮かぶ月が、まるで俺たちにスポットを当てるかのようだった。

 

 俺は大きく深呼吸しつつ、気持ちを切り替え、

 「行こう!」と、食堂を目指した。



 その言葉に喜びを顕に、アリーが鼻先をピクっと動かし先導。


「任せてにゃ!」

 

 彼女の後に俺たちも続く。


 苔むした石畳を抜けて細い路地に入ると、

 土壁が続くビヨンド村の住宅街を通る。

 

 キョロキョロと眺めながら歩く中、ふと目が留まる。

 石鹸の匂いがまだ残る、魔法の絨毯と、

 柄物のシャツが数枚、物干しにかけられ、風に靡いていた。


 思わず足を止めた俺に、パメラが揶揄うように唇を動かす。


「ゴクちゃん好みの、”派手な下着”は、外になんか干していないわよ」


 振り返ると彼女が、悪戯っぽい目つきで笑った。


「別にそんなんじゃない……なんだよ、その目つき……」


 恥ずかしくなった俺は、彼女から目をはぐらかす。

 一方、アリーの後ろを歩くジュリが振り返り、

 俺の表情を見て、「ククククク」とーー

 噛み殺したような笑い声を漏らした。

 

 恥ずかしさも頂点になる最中、

 さらに、俺の隣を歩くアカリまで唇を滑らせる。


「リーダー様のお眼鏡に叶うのはーーどんな”派手”なのかしら?」


 彼女が超速の早口で小さく漏らす。

 その刹那、顔には血が昇り、目がぼやけた。

 沸騰寸前、フラフラで歩く俺を見てーー仲間たちが笑っていた。


 そんな中、しばらくすると、先頭のアリーが動きを見せる。

 

 クンクンと鼻を上向きに。

 ピクピクと垂れ耳を動かし音を拾いーー

 フリフリと尻尾を振りながら、

 大きな看板を見つけたアリーが、声を張った。


「ここがいいにゃ!『ムッキムッキの食堂』にゃ!」


 その声に仲間たちも歩みを速める。

 その大きな看板には、

 筋肉質の腕にフライパンが握られてるイラストが描いてあった。


 店の前に着いた瞬間、首を傾げるアカリが零す。


「凄い、これって、魔獣のかしら?」


 店脇の路地に、山積みになっている骨を見ながら立ち止まった。

 

 確かにすごい数だ。 

 店の中からは、賑やかな笑い声と、良い香りがする。

 清潔感もあるし間口も広いーーメニューも豊富そうだ。


 ゴクリと喉が鳴った俺は自分の腹を押さえつつ、

 ふと、店内を覗き込んだ。 

 その食堂は、流行っているように見える。


 そんな俺を他所にアリーが笑みを浮かべ、

 「ここに、すりゅ!」と、足を踏み入れた。


 挿絵(By みてみん)



「いい匂い、間違いにゃい」


 アリーがつぶやき、鼻をひくつかせ目を輝かせる。


 それに従い、俺たちも後に続く。

 同時に、入店に気づいた従業員が俺たちに向かって軽く会釈する。


「いらっしゃいませ。5名様ですか?」


 紺色のエプロンが良く似合う、金髪の若い女性が迎えてくれた。


「こちらへどうぞ」


 木目が美しい長テーブルに案内されて、席に着く。


 メニューを開き、仲間たちが料理を選び始める中、

 俺は興味本位で店内を見回した。


「しかし、冒険者が多いな」


 思わず独り言ちる。


 賑やかに談笑する何組かの客。

 テーブルには光る兜や剣が無造作に置かれていた。

 きっと冒険者か、軍の騎士に違いない。


 そんな思いの俺など無視して、

 「すみませーん!」と、せっかちなジュリが店員さんを呼んだ。


「はぁーーーい。ちょっと! お兄ちゃん…… 注文取ってきてっ!」


 先ほどの女性の声が聞こえた。


「が…… サー……んさ……」


 その女性に返す、かなり小さな声だが、耳に入った。


 ん? 聞き覚えがあるな。

 気のせいか……ノビが、ここにいるわけないし……。


 思いながら息をつき、肩をすくめる。

 そんな中、ひとりの女の子が俺たちのテーブルに近づく。


「お決まりですか?」


 顔にはそばかすーーその彼女が茶髪を揺らしながら笑みを溢す。

 赤いエプロンをした女の子は、どうやら店の手伝いのようだ。


 メニューを見ながらジュリが口を開く。


「オックス牛のハンバーグとホロホロ鳥のグリル、アリーとシェアする」


 彼女が目尻を下げ、少し早口で注文する。


 一方でアカリがメニューを見つめ、「私は……」と、言葉を止めた。


 その瞬間、そばかすの彼女が、微笑みながら優しく説明する。


「オックス牛の煮込みシチューがオススメです。

 パンと、とてもよく合いますよ」


 その口調と笑顔に俺もつられた。

 アカリとパメラも軽く頷き、同じくそれに決めた。


 その時、店の入り口の方から爽やかな風が舞い込む。

 入り口に立った青年が口を開く。



「毎度っ! ご注文の品をお持ちしましたぁーーっ!」


 厨房の方へと声を掛けた、野菜の入った籠を重そうに抱える好青年。


 彼は野菜農家か、八百屋さんなのだろう。


 なんて思っていた矢先。


「あーーーー!」


 彼が俺と目が合い声を上げた。


「……ああ、あの時の……薬屋まで、案内ありがとうな」


 間は空いたが俺は、思い出しながら答えた。

 すると好青年がこちらに歩み寄り、片手を差し出す。


「へへ、またなんかあったら言ってくれ、

 オレは農家を営むハッパ・クレソンだ。よろしくな」


「ハッパ・クレソンか……名は体を表すだなッ! 俺はゴクトーだ」


 ツッコム俺に苦笑を漏らすクレソンと握手を交わした。


 そんな中、厨房の方から野太い声がする。


「今、行く」


 すぐに、”筋肉ムキムキ”のスキンヘッドが姿を現す。


「おお、クレソン待たせたな」


「いえ、マスターこれ、頼まれてた野菜……」


 その中年の男とクレソンに仲間たちの視線も集まる。

 

 紺色のエプロンで手を拭きながら話す中年の男に、

 パメラがじっと見ながら口を開く。


「垂れ目に口髭、白いタンクトップにジーンズ、

 サンダルに素足ーーちょっと、渋い中年だわん」


 そう言って彼女が目を爛々と輝かせる。

 一方で仲間たちがパメラの揺れそうなーー

 『爆弾(ダイナマイト)』を見て、息をついていた。


 二人を眺め、俺も素っ気なくつぶやく。


 「野菜の値段交渉だな」



 そんな食堂での偶然の出会いがあったにせよーーやがて。

 料理が次々と運ばれてきた。

 周囲には酸味まじりの甘い香りが漂いはじめる。


 俺は唾を呑み、妄想。

 鼻の『香りん』に”こちょこちょ”とされ、

 料理を前に、腹の『ぐうさん』が「ぐう」と鳴く。

 ーーそれはさておき。


 オックス牛のシチューは肉の塊がゴロゴロ。

 ポテトやキャロット、インゲン豆といった野菜類も入っていた。

 シチューの上には、滑らかな白いクリームもかかっている。


 そんな中、アリーがフォークを握り、頭を「カクッ」とさせる。


「お腹、空いたにゃ!」


 彼女がどこか待ちきれないご様子。


「ふふふ……アリー、お腹空いたわよね。さぁ食べましょう」


 アカリがアリーの頭を撫でながら、柔らかな目を向けた。


 パメラの顔もジュリの顔も、その瞬間ーー笑顔だった。


 俺たちは息を合わせるように声を出す。


「「「「「いただきます!」」」」」


 皆でお祈りを済ませ、勢いよく食べ始めた。


 ジュリが肉にナイフを入れたーーその瞬間。

 肉汁が溢れ出す。

 アリーが口の周りを赤く染め、笑顔を見せながらフォークを伸ばす。


 俺たちは美味い料理に夢中になった。


 誰もが黙々と食べる。

 料理が減るのもやたら早い。


 俺が最後の一口を飲み込む頃には、

 仲間たちは満足そうに目尻を下げていた。


 しばらくして、「お花を摘みに」と、仲間たちが席を立つ。

 お花摘み(お手洗い)の順番待ちをしている仲間を眺める中、


「アカリねぇ早くにゃ! ジュリねぇが漏れりゅ!」


「恥ずいから……アリー、やめて!」


 ジュリが頬を朱に染め小声でつぶやき、俯いた。


 苦笑しながらも俺は、席を立ち会計に向かった。

 先ほどの綺麗な金髪の女性が伝票を差し出す。


「こちらになります」


「美味かった。シチューとパン、絶品だったよ」


 硬貨が入った小袋を取り出す。



「ありがとうございます。全部で金貨1枚と銀貨7枚になります」


「残りはチップに……ごちそうさま」


 金貨2枚を手渡し頭を下げた。


「ご馳走様」と、仲間たちも次々と店を出てくる。


 俺は宿屋に向かう歩みを進めると、

 すぐに肉屋の看板が目に飛び込んでくる。


 道理で見覚えが……。

 

 そう思っていた矢先、ノビの実家のパン屋も見つけた。

 店先には『OPEN』の札。 

 

 俺は立ち止まって中を覗いたが、人影はなかった。

 仕方なく、再び帰る道を歩き出す。


 メイン通りには屋台の準備をする、

 商人の姿をチラほら見かける。

 香ばしい香りと派手な盛り付けが、

 行き交う人々の鼻をくすぐり、その歩みを止めさせる。


 そんな中、先頭を歩くアリーがふと漏らす。


「おにゃかいっぱい。眠いにゃ」


「ほら、いい子いい子」


 ”照れ耳”をジュリがそっと撫でながら歩いていた。


 一方で俺は一軒の屋台に目を止めた。


「これ、いくらだい?」


 『青い魔石がついたアクセサリー』を手に取り店主に尋ねる。


 店主が「そうだね……」と、言った矢先。


 俺の腕を掴んだアカリが口を開く。


「私たちの”宝物”とは比べられないですわ……早く、宿屋に行きましょう……」


 その声はどこか艶っぽく、彼女の目が前方を見据える。


 一方で、一緒に屋台を覗き込んでいたパメラが俺の肩に手を置く。


「ゴクちゃん、急ぎましょ」


 彼女が言ったーーその瞬間。


「せんせ─いっ! 待っでーーーっ!」


 その声に仲間たちも一斉に振り返った。


「ノビっーー!」


 叫ぶジュリが笑いながら手を振った。

 アリーも目をこすりながら、

 モフモフの尻尾を大きく左右に振っていた。


 その時だーー。


 ピョーーーーーン。


 宙に浮くノビの姿が人目を引きつけ、

 大きな布油紙袋を抱え、猛ジャンプでこちらにピタリと着地した。

 周囲が騒つくのを他所に、

 跳びきったノビが手をつき、肩で息をする。

 その表情はまさに『カエル顔』。


「ケロ。ケロ?ケロケロケロ!(先生、なんで?若返ってるんさ!)」


 ノビがカエル語を話しながら目を丸くした。

 不思議だが、俺はカエル語もなぜだか理解できる。


 ピキッ#


 瞬間、パメラが額に青筋をたて、片眉をつり上げた。


「貴様、なぜ、ここにいるのがわかった?」


 彼女がノビをギラリと睨む。


「はぁ…はぁ…  したっけ、妹のサーシャに、ごれ……持ってげって」


 息も絶え絶えな訛り混じりの声で、ノビが布油紙袋をスッと差し出す。

 アカリがそれを受け取り、中を覗き込んで一言。


「パンね……」


 その言葉に頷きながらノビが、なおも息を切らしながら続ける。


「チップ弾んで貰ったがら、お礼にって……」


「貴様、どういうことだ。説明しろ!」


 さらに皺を寄せたパメラが、ノビに問い詰めた。


「オラ、父ちゃんと喧嘩して、

 実家に帰れないんさ……妹のサーシャが、あの食堂で働いでるがら……

 だから手伝って、賄(まがな)い、食ってたんさ……

 で、うぢのパンをつがってる、

 あの食堂から、このパンをわけでもらったんさっ!」


 その言葉に、パメラが腕を組みノビを見下ろしながら口を開く。


 「なるほど……貴様が実家に戻れない理由がそれか……

 ところで貴様、時間はあるのか……?」


「な、なんでづか?……オラはただ、パンを届げに来ただげなんさ……」


 ピキピキピキッ……


 次の瞬間ーー

 「貴様はァ……黙って、ついてくればいいんだああああああ!」



 ブルルン


「したっけえええええええ!」


 ノビの声がメイン通りに響く。


「ノビたん、くりゅくりゅって……目が回らないか心配にゃ……!」


 飛んでいくノビを眺めながらアリーがつぶやく。


 メイン通りの村人や商人たちは口を大きく開いて、

 ノビの飛んで行った方向をしばし眺めていた。


 だがーー。


 間を置くとすぐにピョーーーーンと、ノビが大きく跳躍、

 「ケロッ」と戻ってきた。


「先生、若返ったせいで威力が増じでるんさ!」


 ノビが真顔で「ケロッ」と言った。


 そんなノビにパメラが一言。


「ふっ……時間があるなら貴様もついて来い。

 ゴクちゃん、いいわよねん……?」


 彼女が表情をいきなり変える。

 その表情にはどこか照れを感じるのだが。


 一方で唖然としていたジュリが「ギャップが……すごい」と小さく漏らし、

 言葉尻に「ククククク」と、噛み殺したような苦笑を添える。

 

 そんな中、パメラがちょっとした威圧感を放ちながら言った。


「これからがお楽しみなのよん、ゴクちゃんが持ってる、その”お宝”がね!」


 ーーその瞬間、風が俺の頬を撫で、

 ふと紺色に変わった空を見上げ、じっと眺めていると、

 七つの流星群が目の端に映った。

 そして、俺は口元を緩めつつ、口を開く。


「ししし……ノビ、攻略した宝は山分けだ!」
















 お読みいただき、ありがとうございます。

 引き続き読んでいただければ嬉しいです(๑╹ω╹๑ )



 




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― 新着の感想 ―
しばらく見ない間にノビが大変なことに(笑)パメラさんの塩な対応が安定していて、読んでいて楽しかったです。ノビもまた交えた展開がどうなるのか、続きもとても楽しみです。今回も楽しく読ませて頂きました。
感想一覧
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