ワイバーン討伐編 1 〜いきなり爆弾(ダイナマイト)〜
第3幕スタートです(╹◡╹)♡
華ちゃん特別友情出演エピソード4♪( ´θ`)ノ
「良かったわ。無事で」
姪っ子の華の顔を見るなり、華に抱きつく女神東雲。
その瞬間、神シロがほっと胸を撫で下ろしていた。
「ティグルが寝てる間しかこれないから。
もうエリナ・エイマスを追いかける必要はないかしら?」
そう言って華は舌をぺろっと出しながら下界を覗く。
そんな中、黒銀の瞳を見開くトランザニヤが口を開いた。
「華ちゃん、ドルサード……いや、魔族の呪詛はやはり七星の武器に弱いみたいだな。まぁ華ちゃんなら負けるとは思わなかったが、ギルドを巻き込むんじゃないかと、ヒヤヒヤしたよ」
ギルド本部は、先ほどの嵐が嘘のように静まり返っているが、
エリナだけはまだ魂が抜けたように座り込んでいた。
トランザニヤの言葉に、
華は【桜刀・黄金桜大文字】の柄を軽く叩き、不敵に微笑んだ。
「大丈夫です、トランザニヤ様。あんな程度の呪詛、
私の『檻』から漏らすはことはありません。
それより伯母様、東雲の力を勝手に借りたこと、怒ってない?」
「怒るわけないでしょう!
むしろわたくしの『真名』をあんなにカッコよく使ってくれて、
誇らしかったわ。……でも、魔王はきっと観ていたはずよ。
あなたの存在は、もう隠しきれないわね」
東雲の言葉に、華の視線が鋭くなる。
一方下界では、ティグルが目を覚まそうと「にゃ、にゃ……」と寝言を言っていた。
華は女神東雲の腕から離れ、ニコリと微笑む。
「上等よ。あの”ネズミ”ドルサードも、魔王も、
まとめてゴクトー様の図鑑に封じ込めてやるわ。
あ、伯母様、これからはゴクトー様を陰で支えながら、
魔族の動向を探るから…… それじゃぁね!」
「ちょ、ちょっと華!!」
女神東雲の腕から離れた華はその瞬間ーーふっと消え、碧の残滓となった。
ーーその頃ゴクトーたちはプレシャスの屋敷を後にし、
ホビットの里『ア・ハハン』にある古びた石碑の前で、
里の風景を目に焼き付けていた。
石碑には長い歴史を刻んだ苔がびっしりとついており、
里の静けさを象徴するかのようで、周囲に響くのは風の音だけだった。
◇(主人公のゴクトーが語り部をつとめます)◇
「へんダーーっ! どうするの?」
せっかちのジュリが腕を組んで俺を見つめる。
鋭い視線だが、どこか俺を頼っているような表情だ。
「そうだな……ジュリ、あの崖のワイバーンの巣まで行けるか?」
「もちろんよ!」
胸を張ったジュリは、
ほんの少しだけ照れくさそうに『万能巾着』に手を伸ばした。
「……はいっ」
差し出されたのは、俺の黒いテンガロンハット。
渡すタイミングをずっと窺っていたのだろう。
朱に染まった頬が妙に可愛らしい。
ジュリさんや……その仕草、可愛いじゃないか。
ん? そういやぁ、最近喚かないな。
そんなことを思いながらテンガロンを被った。
「やっぱ落ち着くな……」
口から溢れた瞬間、ジュリがニコッと笑い、杖を掲げる。
「【アストラル・ゲート】!」
紫の魔法陣が展開し、白く輝く転移門が現れた。
ジュリが先頭に立ち、仲間たちも次々と門へ足を踏み入れる。
《「あるじーーこれ、なぁに?」》
肩に止まるコガラが興味津々で念話を飛ばしてくる。
《「これは魔法だ。これからお前が生まれた場所に行くんだ」》
《「うまれたところって なぁに?」》
《「お前が初めて“ピーピー”って鳴いたところだよ」》
「ピ〜ピ〜♬♪」
その鳴き声に、卵の殻を割って震えていたコガラを思い出す。
ーー仲間たちにも笑みが溢れた。
【“シューー ーー ーーン”】
空間が揺らぎ、色とりどりの光のトンネルを抜け、
俺たちは転移された。
白く輝く魔法陣に浮かぶ【門】から出ようとしたーーその時。
「“ピィーーーーーッ!!”」
コガラが突然、鋭く鳴いた。
七色の羽を広げ、真剣な表情で念話を飛ばしてくる。
《「なにかが、たくさん いまちゅ!」》
全員が動きを止め、緊張が走る。
「皆さん! 多分ですが、外に魔物が複数います!」
ミリネアの声に、仲間たちは無言で頷き、武器を構えた。
崖の頂上は思った以上に狭く、砕けた岩片が散らばっている。
吹き上がる風が砂埃を巻き上げ、視界をじわりと奪っていく。
ここでの戦闘は、一歩の踏み込みすら命取りになりかねない。
「ゴォォ……ギャガギャガ!」
突如、岩陰から巨大なワイバーンが現れた。
岩肌を削るような羽ばたきが空気を震わせ、
砂利がぱらぱらと崖下へ落ちていく。
その影は、まるで巨大な死神の鎌のように俺たちの頭上を覆った。
そして次々と姿を見せる数十体のワイバーン。
「ギャガギャガガガーー!」
「ギャオン!」
「ギャガギャガググギィーー!」
耳障りな咆哮が空を満たし、圧倒的な数が迫る。
……おいおい。ナイスミドルのハウゼンさんや。
“数頭程度”って言ってたのに、どう見ても50体は超えてますよ……!?
これじゃ“ワイバーン牧場”ですけどもっ!
ツッコミを飲み込みつつ、【桜刀】の柄を握った。
《「あるじーー たくさんいるね。とんでるよーー!」》
念話を寄越すコガラは、怯えるどころか好奇心で目を輝かせている。
その爪が肩に食い込んできて、地味に痛い。
「コガラや、頼むからもう少し力を抜いてくれ……肩が持たないぞ」
小声で漏らしたその瞬間、ワイバーンが一斉に雄叫びを上げた。
「ギャーーオン!」
「ギャガーー!」
「ギャガガガギィーー!」
低空飛行の個体が突進し、
さらに上空の個体が旋回しながら狙いを定めてくる。
まるで生きた嵐だ。
仲間たちの表情にも焦りの色が滲む。
そんな中、影のリーダー・アカリがしなやかに、
白檀の扇子をバッと開いた。
「やりますわよ!」
アカリのもう片方の手には【桜刀・黄金桜千貫】。
その刃が黄金色の輝きを放つ。
一方で、俺の隣に立つジュリが手にした杖を掲げ、気合の入った声を上げる。
「準備完了ーー!」
「行くぞッ!」
かけ声を上げ、白い刃を光らせる細身の一刀、【黄金桜一文字】を右手に、
左手には堅牢な物でも一刀両断ーー重厚かつ黒曜に輝く、
【兼松桜金剛】を逆手に構える。
「全員、戦闘態勢! 迎え撃つ!」
俺の声が響く中、複数のワイバーンが地面すれすれまで降下し、
鋭い爪と牙で襲いかかってくる。
その速度と威圧感はハイクラスの冒険者でも怯むほどーーだがその時。
「ピィィィィィッ!!」
コガラが跳び上がり、金色の輝きを放つ。
小さな身体から放たれたとは思えないーー圧が胸を押しつぶす。
空間全体が、コガラの小さな身体を中心に変わり始めた。
大気が振動し、金色の輝きがコガラの羽根から放たれる。
ワイバーンの群れが一瞬動きを止め、
その場にいる全員の視線がコガラに集まった。
まるで古の妖精龍が目覚めたかのようだ。
「コガラ……まさかお前、やる気なのか……?」
思わず口から漏れてしまった。
そうこうしているうちにーー
崖の上でのワイバーン戦が、ミーアの【ロカベル】とともに始まった。
「【イサナ:°ニシ】!」
黒い矢が二体の翼を貫く。
「にゃにゃ!たくさんいるにゃ!」
"ズド─ンッ!”
"ズドーーンッ!”
"ズドーーーーンッ!”
アリーの魔導銃が三連射を放ち、二体を撃ち抜く。
"バタン!”
"バッタンッ!”
ミーアが撃ち漏らした一体も即座に仕留めた。
"バッターーンッ!”
倒れ込む三体のワイバーン。
アリーの火力は侮れない。
そして、ミーアのずば抜けた弓の技術にも目を見張る。
普段は可愛い僕っ子だけど……
本当にお前の火力は恐ろしいな、アリー……。
ミーアもナイスフォローだ。
そう思いつつ、戦闘状況をつぶさに把握。
だが敵も反撃してくる。
「ギャガ─ギャガググギャーー!“ゴゥォッ༄༅༄༅༄༅”」
「ギャガギャガガガーーー!“ゴゥォーーーッ༄༅༄༅༄༅”」
二体のワイバーンが火炎を吐く。
「ぅわわっ!」
ノビが腰を引くが、俺たちは炎を躱した。
「しだっけオラも!!」
ノビがグリーン・タートルの胸当てを外し構える。
「先生、この甲羅の胸当、大きぐするんさ!!」
「【メガント】!」
パメラの補助魔法で大盾へと変貌を遂げる。
「【ギガント・アームス】!」
詠唱するノビの腕が膨れ上がり、大盾を両手で支える。
震えていたはずのノビの足が、今はしっかりと大地を踏みしめていた。
あの臆病だった少年が、仲間を守るために前へ出ている。
その背中が、ほんの少しだけ大きく見えた。
「ふぅーーこれで火炎は大丈夫なんさ!」
「おい、貴様! いつの間にそんな魔法を……?」
「先生、その話はあど! 背後に防御の魔法を!」
「生意気な……!【ウォーター・ウォール】!」
「さすが!先生なんさ!」
パメラが防御魔法を展開し、態勢を立て直す。
「ノビ……あんた、ほんとに……」
一瞬だけ言葉を詰まらせ、そして口元をつり上げる。
「次やったら、惚れちゃうじゃない……このバカ弟子……!」
ワイバーンの咆哮がパメラの声を掻き消した。
だがパメラが振り返ったーーその瞬間。
”ブルンブルン”
『爆弾』の胸が揺れ、凄まじい爆風が巻き起こった。
「ギャガガガ…」
「グゲーーー」
ワイバーン数体が吹き飛ばされていく。
そんな中、ジュリとアカリが同時に声を上げた。
「ノビ、やるじゃない! パメラさんもさすが!!」
「ノビとパメラさんは、このままタンク役ーー
前衛で防御専門に徹してください!」
ノビや……お前、本当にやるじゃないか……
パメラさんや……相変わらずの破壊力ーー凄まじいんですけども……!
ヨシ……俺も身体強化の【神代魔法】でも試してみるか?
そう思っていた矢先。
「ふー」と息をつき、紫髪をギュッと結ぶ、パメラの瞳が妖しく光った。
何かを企んでいる時の顔だ。
「あたいの『爆弾』で、ゴクちゃんの背中は守るわ!」
いきなり背中に抱きついてくる。
柔らかい感触とともに、俺は理性の攻防戦を始めたーー。
お読みいただき、ありがとうございます。
このエピソードは仲良くしていただいております、
『桃源 華』様をモデルにしたーー彼女に特別友情出演していただきました。
Xアカウント @hana_tougen @Tougen87
華ちゃんはカクヨム、アルファポリスサイトで人気のファンタジーも掲載してます。
https://kakuyomu.jp/users/tougen_hana
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/817268736
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