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十尾

ここまで読んで下さりありがとう御座います!

今回はおまけありますので、是非読んで下さい。


〜覚えて学ぼう【月ノ本】の世界と愉快な仲間達!〜


作者「こんばんは〜♪ちょっとぶりです!作者でっす」


楓「ちょっとぶりです。こんばんは。おまけコーナー進行役の楓です」


作者「いや〜、前の回はネタが無くてお休みしちゃったけど、今夜はあるからおまけできて良かったわ〜」


楓「作者殿。ソレは言わなくてもいいと思いますよ。

それでは、今回は【負ノ遺産】の種類について少し話していきましょう。

【負ノ遺産】は下記(↓)の通り大きく分けてあります」


・増悪

・強欲

・狂愛

・悲嘆

・畏怖

・虚無


楓「の六つですね。これらは【六大穢念】と呼ばれ、強ければ強い程、禍々しく毒性も強い念なのです」


作者「今回の話では、その中で“強欲”がメインで出てきたけど、分かりやすいようにコレは特に権力や金と宝物などに執着を持った念の類いだね」


楓「そうですね。妖にもそういうタイプいますので、今回の大蜘蛛は如何にも強欲な妖だったので、なんの因果か【負ノ遺産】も“強欲”だったので、アッサリと取り込まれてしまったのでしょうね」


作者「だね。まぁ、それも心配なんだけど、朔夜ちゃんも心配なんだよなぁ...特に最後のアレ」


楓「完全にヤバい奴です。終わりましたね...」


作者「何が、誰が?とは聞かないけどまぁ、大体予想はつくよ。そこからどうなるかが怖いんですが...何とかなると思う?」


楓「何とかしないと大変グロい描写になるのではないでしょうか?」


作者「そうならない様に頑張ります!

それでは今夜はここまで、また会えたら会いましょう!さよーならー!!」


楓「さようなら」

【負ノ遺産】は数千年前に謎の絶滅をした人間達の“想い”や“情念”である。

それが長い時を経て穢れ、呪いや恨みに転じ我等妖を害する猛毒となった。


その中で我的に一番厄介なのは“狂愛”だ。アレは本当に面倒臭い。

婚活中の我が何言ってんだ?と思うかもしれぬが、これはソレと対峙してみないと理解できんと思うから割愛しておく。


そんな事思っている内に、我()は巨大な蜘蛛の巣が張られた如何にも大蜘蛛が暮らしてそうな大屋敷の前に立っていた。

我はそれを睨みながら、


「ああ、これはやはりアレだ。“強欲”だ。まぁ、大蜘蛛の性格を聞いていたからもしやと思ったが、当たってたな」


ここまで来れば嫌でも分かるぞ。と言うか、紅剡が【負ノ遺産】が入ってたらしき箱の封印を解いてしまったせいか、その瘴気が大屋敷全体を覆っておるわ。


「ふむふむふふふ。良い感じに穢れまくっているな!

これは斬りがいがありそうだ!

で?紅剡は体調は大丈夫なのか?」

「問題ねぇ」


我の後ろには恨み増々で大屋敷を見据える紅剡がいる。

何故紅剡がいるかというと、我が家を出る前───


「俺も行く。俺は【負ノ遺産】を鏖殺する為の武器を造り続けているんだ。

今回はその俺の造った武器がソレに通ずる物か、見極めるには願ってもない機会。

お前が同行拒否しても絶対に着いて行くからな」


と、頑として同行拒否を受け入れんぞ的な構えで、紅剡は我に己の意思を告げた。

そんな紅剡の同行を我はすんなり承諾した。

実を言うと、我格好良く大蜘蛛の拠点に行くと言っておったが、場所分からんかったの思い出したから許可したのは内緒だ。(多分バレてる)


あと、紅剡は【緋桜ノ夜】の製作者。即ち親のようなものだから、我がこの初陣を見守りたくなるのは当然なことなのであろう。


そう考えながら、我は腰に携えた【緋桜ノ夜】を鞘からスラリと抜き───


「さて、征くとするか。まずは最初は『御免下さい!』だなっ!!」


スバアアアアアアンッッ!!!


門を叩くかわりに大屋敷毎真っ二つにしてやった。

嗚呼...放った斬撃の切れ味も見事なものだ!

斬撃も緋桜色とは益々惚れ惚れする刀よ...。


「はあぁ!!?」

「おじゃましまーす!誰かいませんかー?」


普通に来訪の挨拶をして、普通に叩き斬った門から入る。

───返事はない。当たり前だ。

今の一撃で屋敷の中にいた大蜘蛛以外の雑魚共は、全員【緋桜ノ夜】の剣圧と我の妖力で瘴気毎ぶっ飛ばして気絶させたからな!


「何を呆けている紅剡。早く大蜘蛛見つけて潰しに行くぞ」

「ハッ!あ、ああ...って、そうじゃねぇよ!何いきなり屋敷真っ二つにしてんだ!?

そんな事したら仲間が気付いてわんさか出てきちまうだろうがっ!」

「出てこんぞ。大蜘蛛以外は皆気絶しておるからな」

「何で分かんだよ、んな事?」

「こう言うのは何度もやったからな。中がどうなっているのか気配と妖気を探ればすぐ分かる」

「何回も!?お前のいた国ってそういうのやるのが常識になってんのかよ?!」

「ドウダッタデショー?それよりも、早く進みましょう?こう言うのは早めに決着つけた方が良いんですから♪」

「...またそうやって誤魔化すんか」


ジトリと不機嫌な目で睨む紅剡を無視し、我は真っ二つにした大屋敷の玄関を土足で上がる。

玄関の奥の方から漂う【負ノ遺産】の残穢が濃く出ている所を辿りながら廊下をズンズン進んだ。


「やれやれ、軽い一撃で気絶とはチンピラとは言え張り合いがないな」

「アレで軽いって...」

「か、軽いでしょう?あんなの!」

「.....」

「何で引くんです!?」


我の一言に若干引く紅剡に流石の我も内心ちょっぴり傷く我だったが───


「!」


ドンッ!


「なっ!?」


嫌な気配がし、後ろにいた紅剡を突き飛ばしたと同時───!


スドオオオ!!


横の襖から大きな赤黒い鉤爪が突き出てきた!

その衝撃で轟音を立てながら襖が吹っ飛んでいく。

紅剡は我が咄嗟に後方へと追いやったから無事だったが、我の方は少しだけ髪をかすめてしまった。(でも無傷)


「態々向こうから来てくれるとは有難い」

「呑気に言ってる場合かっ!」


突き出た鉤爪がゆっくり奥へ引っ込むと、そこからバキバキと戸を壊しながら禍々しい不気味な紋様を走らせた巨大な身体が顕にした、【負ノ遺産】の瘴気を振り撒く大蜘蛛がその姿を見せた。


「グオオオォォォオオ!!!

ワタサンワタサンワタサンゾオオオ!!

ワシノカネカネカネカネカネカネカネカネカネカネエエエエエエ!!!!」


「やれやれ...コイツ追い込まれたから【負ノ遺産】を身体に取り込んで強化を図ったな。しかし───」


やはりというべきか、大蜘蛛は【負ノ遺産】の力に負け、正気を奪われていた。

血走った暗く紫色の光を帯びた八つの目をギョロギョロさせながら吠えてきおる。


「コイツ、本当にあの大蜘蛛、なのか?」


あまりの大蜘蛛の変わり様に只々驚きを隠せない紅剡に、我は刀を構えながら説明してやった。


「紅剡は見るのは初めてか?

【負ノ遺産】に取り憑かれた者は皆、容姿が少しずつ変化し、思考もああいう風に正気を失て言動がおかしくなるのだ。まぁ、アレはまだ初期の段階だがな」

「アレで初期?」

「そうだ。末期になるともっと酷いぞ。

それこそこの小さな町なんぞあっという間に壊滅させる程の穢れを放つからな」

「.....」


我が言ったことを想像したのか紅剡が息を呑む音が聞こえたが、我は対峙する大蜘蛛をじっと視て取り込んだ【負ノ遺産】を観察する。


「───ふむ、残念だがそれ程強くないヤツだな。

これなら我の妖力だけで葬る事が出来そうだが、せっかくこうして【緋桜ノ夜】の持ってきたのだ。

特別に刀の斬れ味を確かめてやる。光栄に思うが良い」


「ダレガキサマノヨウナコムスメニヤラレルカア!

カエリウチニシテキサマモオレノカテニシテヤルウゥゥ!!」


「なら殺ってみるがよい、雑魚が」


「ウオオオオオオオオ!!!」


挑発に乗った大蜘蛛が毒唾と飛ばしながら我に向かって突進し、巨大な鉤爪を何度も何度も振り下ろして来た。

我は大蜘蛛の猛攻をひらりひらりと躱して時折、【緋桜ノ夜】で軽くいなし、鉤爪毎脚を斬り落とした。

それを繰り返し十合目の辺りで半分程脚を斬った時だった。


「ん?」


ふと、大蜘蛛の左の一番後ろの脚の鉤爪がキラリと見たことあるような蒼い色の光が光ったのが目に入った。

気になってそれを凝視すると、その正体に気付いた、気付いてしまった...!


「───ああ!」

「どうした!?」


反対側で我と大蜘蛛の攻防を見守っていた紅剡が声を掛けてくるが、今はそれどころではない!

あの蒼色の光の正体の方に思考が行っていまい、我は片方の手を慌てて己の髪に触れた。


「無いっ!!」

「何がだ!?」

「簪が!!」

「簪ぃ!?」


大蜘蛛の鉤爪の先にある蒼色の光の正体。

それは我が今夜の見合いの為にと、挿したあの蒼月石と蝶と八重桜の銀細工が施された玉簪だったのだ!!


「(あの時か!最初の一撃を避けた時に奴の脚に引っかかり外れたのかーーっ!!)」


大事な大事な玉簪の事で頭が一杯になってしまっていれば当然、隙が出来てしまうのは当たり前で。

それを見逃すはずもなく大蜘蛛はあろう事が玉簪が引っ掛かっている方の脚で我を攻撃してきたのだ!


「ぐぅっ!?」

「サクーーー!!」


完全に油断し切っていた我はソレを諸に喰らい壁に激突し、衝撃で崩れた壁の瓦礫に埋もれてしまった。


紅剡の叫ぶ声がした。

本当、調子の良い我だったら大した攻撃では無い、とヒョイと立ち上がって笑って返すのだが.....今の我にソレすらする余裕が無かった、無くなってしまったというべきか...。


何故なら我は見てしまったのだ。

我の身体に大蜘蛛の鉤爪が当たった瞬間─────


パキャン───ッ!


と、音を立てて無残に粉々に砕かれてしまった、お気に入りの玉簪の破壊される様子を───!



─────プチン。



我の中で何かが静かにキレた。

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