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白黒神の勇者召喚陣  作者: 三価種
4章 獣人領域
109/306

100話 龍

 突如降ってきた龍。一体何なんだ!



「口が動いてますよ!」

「仕掛けてくるか!?」

「おそらく!魔力が口に集まってます!」

「なら、出し惜しみはなし!やろう!」

「恨むなら敵かどうかわからない行動を出合い頭に取った自分を恨んでくださいなっ!」


 四季の手を取り重ねて…。



「「『『ロックランス』』」」


 触媒魔法でぶっ放す。紙が消え、代わりに現れるは鋭利で頑丈な岩の槍。これでも喰らって逝け。



 !? 何でこの状況で新たな魔力が……? 防御する気か?



「習君!」

「ああ!まだ何かするつもりならば…!」

「殺される前に叩きましょう!」


 選んだのは風魔法。



「「『『ウインドカッター』』」」


 これも触媒魔法。巨大な風の一枚の刃。これで真っ二つにしてやる…!



 猛烈に回転しながら飛ぶ岩の槍と、高速で飛翔する風の刃。二つの魔法は周辺を破壊しながら上空へ消えた。



「やりましたか…?」

「それフラグ」

「あっ…」


 照れる四季。状況が許すなら見ていたい。だが、今は無理だ。



 がさっ



 茂みの揺れる音。まだなのか…。案の定フラグ回収してしまっている。砂塵が晴れないせいで見えない。だからと言ってぼさっと立つのは悪手。いつでも魔法をぶっ放せる体制を保つ。



 ……ん? あれ? 人影?



「撃たないでくれ。敵対する気はない」


 微妙に晴れた砂煙。その中から言葉を発しながら姿を見せたのは、羽や尻尾を持った金髪赤目で、体のところどころを黒鱗に覆われた龍人とでも言うべき人。だが…。



「敵対しない?怪しすぎますね。その手に持っているものは何です?」

「返答次第では武力行使も辞しませんが」

「これ?これとは何だ?」


 俺と四季は警戒レベルを上げる。何故わからない。手に獣人の首を持っているくせに! さっき龍がいた場所から現れたくせに!



「リンヴィ様!」

「イビュラか。ハールラインは仕留めた。このくだらない争い。早くたたむぞ」


 なんでイビュラさんがここに…。ああ、話しぶりからして知り合いだったから戻ってきたのか? 彼ならできるな。振り切るつもりでセンまで走ったのについてきたし。



 そんなイビュラさんが頭を掻きむしる。



「すみませんがそれより、そこの二人の誤解をお解きになられた方が…」

「知り合い?」


 聞いたら何故かイビュラさんがあたふたしだした。何故に。



「この方は獣人族の頂点。リンヴィ様だ。名前ぐらいは聞いたことあるじゃろ!?覚えておくように!む?名前知らない?お前ら絶対獣人じゃねぇだろ!?」


 ? 獣人じゃないのは見てわかるだろうに…。四季と顔を見合わせて揃って首を傾げる。



「ぬがぁぁぁ!」


 何故か頭をがっしがしとかくイビュラさん。説明して欲しいな…。でも、役に立ちそうにない。そんなときは別の人に聞こう。でも聞く前に…、



「あの…、リンヴィ様」

「ん?どうした?」

「「先刻は申し訳ありませんでした」」


 二人そろって頭を下げる。レイコやガロウの国の頭。ひょっとすると恩人を出合い頭にぶち殺すところだった。謝罪は必要だ。



「構わぬ。むしろ、その件は我もすまなかったな。何も知らぬ人が、上から突然龍が舞い降りてこれば驚くのも無理なきこと。…ただ、何も知らぬものは普通ならば我を見れば逃げる。我と相対するものがいるとは……」


 言外に俺らがおかしいと言われた気がする。というか言われてる。でも…、



「貴方が本気を出されていないからか、勝てると思いましたので」

「逃げて子供たちを危険にさらしながら、馬車の上から魔法で狙い撃ちをするぐらいならば、地表からしっかり狙うほうがいいと判断しました」

「そ…そうか。ハールラインを踏み潰して、人型になる体勢でよかった…」

「何故?」

「当たり所によるが、死ぬ可能性もあった」


 うわぁ…。



「「本当に申し訳ありませんでした」」


 全力で頭を下げる。



「だから、構わぬと言っておろうに…。我も悪かった」

「ですが…」

「どちらも悪かった。これで手打ちだ。これ以上この件の問答はせぬ」


 話しを打ち切られてしまった。なら、それに従うか。



「子供たちが好きなのだな」

「はい。当然です」

「重いかもしれませんが、世界を敵に回しても皆を守る覚悟は決めるほどに」

「そうか…」


 リンヴィ様は何かをかみしめるように空を仰ぎ見た。残念ながら付き合いが浅すぎて何を考えているかはわからない。



 …で、今聞くのもなんだが、これ聞いとくか。気になって仕方がない。



「ところで、その手に持っているものは何ですか?」

「屑の首だ」


 屑って…、まぁ、あの場所ならハールラインしかありえない。確かに屑ですけど。



「討ち取った証拠ですか?」

「ああ」

「何故殺したのです?」

「む?そなたたち、殺すなとでも言うのか?」

「「いえ、言いませんよ?」」


 リンヴィ様が一転して不満そうな顔から困惑した顔に。



「レイコとの約束だったので」

「約束?」

「はい。出来るだけ人を助け、この内戦を終わらせてほしい。と」

「ああ。そのことか。心配無用。内戦はこれがあれば終わる。どうせこいつは終われば外患誘致と民衆扇動罪で処刑だ」

「「なるほど」」


 ならいいか。外患誘致だけ少し気になるが…、既に終わったことなのだろう。



「ですが、生かしておいて民衆の前で処刑したほうが良かったのでは?」

「微妙だな。こいつがシャイツァーで余計なことをしでかさないとも限らぬ。それに内乱である。出来るだけ遺恨のないようにすべきではないかと我は考える。まぁ、何が正解かなどわからぬが」

「「ですね」」


 明確な正解があるのは試験や問題集だけ。…それすらたまに間違えてるが。



 答えなんて短期的解決を是とするのか、長期的解決を是とするのかで変わるし、何に重きを置くのかでも変わりうる。



「ところで、レイコとは、あなた方の子供か?」

「超唐突ですね」

「すまぬな。できれば答えていただきたい」

「そうですよ」

「可愛いですよ。私達の自慢の子です。お見せしましょうか?」

「む?頼む」


 じゃあ呼びましょう。



 手招きしたら全員とりあえず来てくれる。勢いよく飛びかかってくるカレンの勢いを殺しながら四季の肩へ乗せる。甘えたかったのかそんな感じの目を向けてきたアイリが俺の肩の上に。レイコも乗りたそうなので四季の方に。ガロウは俺の肩の上。



 重いし、四季に任せたくはない。まぁ、ガロウは乗りたそうにしてなかったけどついで。全員乗ったし。拒絶されなかったからいいでしょ。



「ほう…。皆可愛いな。人間…?「…人間」む。すまぬ。エルフ…?「ハイエルフだよー!」すまぬ。ハイエルフに…、霊孤に、白狼族か。で、両親は二人とも人間…、いや、勇者か。となると…、」

「ちょっと待ってください。今勇者って言いました?」

「ああ」

「何故わかったのですか…?」

「我の力だ。色々あるのだ」


 四季の問いにかなり雑な説明。でも詳しくは聞かないでおこう。詮索されたくないんだろう。シャイツァー絡みか…、レイコと同じく種族的なモノなんだろう。



「ところで…、」


 目を流すと全員の目が移動する。



「何でイビュラさん頭掻きむしっているのでしょう?」


 いい加減にしないと毛根が痛むはず…。禿げていないけど年っぽいのに…。



「さぁな。我にもわからぬ」

「私もわかりませんね…」


 3人そろって首を傾げると、呆れたような声が上から降ってきた。



「マジで言ってんのかよ…」

「…お父さんとお母さんはこういう時、大抵心の底から言ってる」

「うわぁ…」

「リンヴィもたぶんそー」

「天然なのでしょうか…?」

「「レイコ(ちゃん)には言われたくない」」

「ふぇ!?」


 変な声をあげているけど、レイコが一番天然だよ…。世間知らずの方が正しいかもしれないが。



「そうじゃよ!お主ら!それにリンヴィ様も!何で警戒心に溢れておったのにいきなり会話しとるんじゃ!?」

「「子供の身内だったので」」

「我にも非があった。加え、悪いやつではない」

「ハールライン関係の対応は!?」

「娘の依頼でしたので」

「捕まえた後はまぁご自由に」

「将来の禍根を断つ意味でも、個人的な感情でも正直踏みつぶしてほしかったので…、リンヴィ様の対応も私的には問題ないです」

「最終解決は戌群の問題である。我は決着を急ぐために来たが…、意味はなかったか?」


 何故かこっちを見るリンヴィ様。俺らだけだとたぶんうまくまとまりませんよ?



「で、レーコ様とガロウは別として…、お主ら獣人じゃねぇじゃろ!?」

「「?」」

「イビュラ。さっきも言ったが…、人間3人とハイエルフ一人だ。」

「聞いてませんよんなもん!で、何ですかこの人間!」

「勇者だ。3人とも」

「一応ですがね」


 バレてしまったので肯定。とはいえ、勇者らしいことする気はないけど。ただ帰りたいだけ。



「ふぁー」


 変な声をあげたイビュラさん。壊れた?



「ところで、何で見たらわかることをいちいち聞くのです?」


 四季が聞く。何故かリンヴィ様を除き、皆の顔が「うわぁ…」というものに。何でさ…。

代表してかアイリがやれやれという顔で、



「…魔法。忘れてない?」


 と一言。



「「あ」」


 そう言えば使ってたな…。



「あまりにも自然だから忘れてた…」

「私もです」

「我は元から偽りの姿は見えぬからな……」


 子供に言い訳する大人の図。…うん。みっともないね。



「獣人に化けているくせに、元の種族は覚えておるんじゃな…。斬新すぎるじゃろ…」


 俺もそう思う。けど、そう言われましてもどうしようもないのです。



「はぁ…、では、レーコ様とガロウの親ってどういう事じゃ」

「そのままですよ?」

「は?」


 そんな怪訝そうな顔されましても…。えっと…。



「出会い頭…ではなかったな」

「はい。出会い頭は寝ていましたから」

「いや、それは重要ではないじゃろ」


 再度のジト目。



「何でですか!超重要じゃないですか!」

「そうですよ!大事な息子、娘との出会いですよ!?」

「お…おう。わかった」


 絶対わかってない。でも、先を促されたので先に行こう。アイリに正論叩きつけられる未来しか見えないし。



「顔を合わせるなり、お父様、お母様って言われたんですよ」


 怪訝な目。ですよね。だが、ここには証人が揃ってる。



「はい。確かに言われましたよ」

「…言われてたね」

「言われてたよー!」

「言いましたね」

「言ってた」


 家族から同意を得られるたびに表情から生気が抜けていったイビュラさん。ガロウのころには完全に目が逝った。…大丈夫かこの人。リンヴィ様は普通に聞いてくれているのに…。



 あ。蘇った。



「…となると、それを受け入れたのか?」

「はい」

「一回目で」

「何故じゃあ!?」


 唾が飛んできた…。避けたけど。汚いなぁ。



「何でお主ら一発で受け入れ取るんじゃ!?」

「え…。普通の事でしょう?」

「んなわけないじゃろ!そんなこと普通ないわ!」

「え…、これで3回目ですけど」

「ふぁー!」


 え、気絶した? ドサッと頭から倒れたけど。



「気絶しちゃいましたか?」

「かもね。頭打っているかもしれないから回復はかけておこう。あ、紙の補充もしなきゃな…。あ、紙の使い過ぎを詫びる必要はないから」

「そうです。貴方たちの安全が一番大事なのですから。もちろん、アイリちゃんもですよ」


 二人で先手を打っておく。カレンも悪く思っているだろうけど、レイコとガロウの罪悪感はその上を行くだろうし。



 四季がアイリも加えてくれたのは、「除け者感を抱くと可愛そう」だからだろう。…この子ならうまく消化できそうだが……。これが過大評価だと怖い。逆に、「子ども扱いしないで」と言われる可能性もある。難しい…。



 とはいえ、今の全員のニコニコした顔を見る限り間違ってはいないだろう。



 なんて思っていたらアイリがてこてことイビュラさんの横へ。



「…イビュラさんごめん。初対面の二人に「お父さん、お母さん」って言った最初の人はわたし」

「おぉ…。お主じゃったのか。真正の子供じゃと思ったわい」

「…そうだったらよかったんだけど…。…まぁ、そのあたりの感覚を壊すのに一役買っちゃった」

「そうか…」


 イビュラさんが疲れた目でいたわるようにアイリの頭を撫でる。アイリもそれを受け入れる。そして、カレンも二人の横へ。



「とどめさしたのはボクかなー?」

「…さぁ?」

「参考までに聞いておこう。何したんじゃ?」


 何で顔引きつってんですかね。



「おとーさんとおかーさんが一緒にお風呂入っているときに声かけた」


 !? 声を出した張本人であるカレン以外が猛烈にむせた。



「ちょ、待って、待って。カレン、その言い方はおかしい!」

「あ、そーだねー。いちゃついているときにー」

「そこじゃないです!そこじゃ!」

「じゃあ、どこー?」


 どこって…。ん? ……あれ?



「…事実だけを並べると…、あってる?」

「事故ですが一緒にお風呂に入ってましたし…。」

「その時にカレンが産まれた…、というか孵ったし…」

「それに…」


 思い出すと少し恥ずかしい。あの時の熱いからか、恥ずかしいからか、紅潮した四季の顔。湯気でちゃんと見えないという状況も合わさって大層何とも言えない魅力があったんだよね…。端的に言語化すると下賎な言葉が一瞬で当てはまるのでやめておこう。



 普通に使ったことあるけどね。その言葉。えっとm状況的にキスをしようとしていたわけで……。うん。いちゃついてるな。



 ん? 回想している間に真相を知っているアイリとカレン以外の目がおかしなことに。誤解を解くのが大変そうだなこれ!







______


 数分後、アイリの的確なフォローのおかげで無事にちゃんと理解してもらえた。



「…カレン。言葉足らず」

「アイリおねーちゃんごめんなさーい。おとーさん達もー」


 誤解が解けたので問題なし。ふぅ…。この誤解は解消しとかないとレイコとガロウをこのまま連れて行くとなった時、大反対される未来が確定するからな…。



 誰が子供のいる風呂で馬鹿みたいにいちゃつく男女に子供を預けようと思うんだ…。そもそもそこまでいちゃついたことはない。



 そんな勇気はねぇわ。普通でも無理なのに…。目下、実子できると動きにくいと正当化中だし。



「ふむ…。となると、カレンは本当にハイエルフなのだな」

「そーだよー」

「で…レーコ様とガロウというわけじゃな…」


 イビュラさんはいろんな感情がごちゃまぜになった目、そんな目を腕でぬぐうと俺と四季の方へ。



「…む。余計なことをするなら切り捨てる」

「怖い嬢ちゃんじゃなぁ…。安心せい。何もせんよ」

「…そう」


 納得してないのか警戒しっぱなしのアイリ。イビュラさんは「好かれすぎじゃろ」と呟くと、俺らに耳打ち。



「わしからは二人の扱いは何も言わん」


 優しい声。それで「ああ、やっぱり」と確信を抱く。



「む?お主ら、驚かんのじゃな」

「二人の話から勝手に、今の戌群頂点の人柄を想像していたもので」

「こっそりと二人を夜中に脱出できるように手引きした人なんだろうな。と」

「!?何故それを?」


 やっぱりね。



「根拠はないですがね」

「子供が警備万全のところから誰にも気づかずに抜け出すだなんて、不可能だと思っただけです」

「抜け出せるようにしてあげる。それをやるなら誰かを考えると、頂点の人間でしょう。頂点でなければバレたときにどうしようもない。また、であるが故に、レイコのことを気に病んでいるであろうことは簡単に想像できた」

「それにレイコちゃんを見て露骨に安心していらっしゃいましたし…」

「尤も、リンヴィ様と相対していたから、今の今まであなたのその安心していた顔。忘れていましたがね」

「ふん。で、お主は何でワシの扱いが少しぞんざいなんじゃ?」


 わざとらしく怒ってます! アピールをするイビュラさん。



「さぁ?最初の印象?」


 主に塔の最上階での。破天荒過ぎた。



「フッ。まぁよいがの」


 しんみりした空気にしないようにという配慮からか、少しだけ茶化すような話題を振ってきたのかね。優しい人だ。



「さて、そろそろこの茶番を終わらせにゆくぞ。少し離れていろ」


 リンヴィ様の指示に従って距離を取る。えーと、さっきの大きさ的に…、彼から20メートル離れていればいいか。



「すまぬ。まだ近い」

「どれくらい離れればいいですか?」

「その倍くらいは欲しい」


 でかいな…。理由はわからないが、素直に指示に従って離れる。



 リンヴィ様がすぅっと息を吸い込むと、彼に向って凄まじいまでの魔力が吸い寄せられていく。引き寄せられる魔力量が多いからか、勝手に発光しだしていて幻想的だ。



「なるほど…、だから離れて欲しかったのですね」

「だね。これはエグイ。これだけの距離でもわずかに抜かれている気がする」


 発光が収まるとそこには雄々しき龍が。先ほどは龍と認識した瞬間に魔法を放ったからよく見ていなかったが…。かっこいい。



「乗れ。馬車も乗せて構わぬ」

「ブルルゥ!」

「む?どうした?」

「馬車をのせられてしまうとアイデンティティが取られるんじゃないかと言っています」

「何故わかるのだ…」

「何となくですが…」


 リンヴィ様にはバレているだろうけど、この子、魔物だし。テレパシー的な魔法っぽいものがあるのかもしれない。



「…単にこの子と思考回路が似通っているだけじゃないかな…」


 うん。俺もそんな気がする。それも偶然に。あの子には悪いけど、四季を見た時みたいな何かを感じたわけではないしね。



「まぁいい。乗れ」

「では失礼して…、「きゃ」ん?レイコ。どうした?」

「すこし…、つま、ずいて、しまいました…。わた…くしは、大丈夫…ですよ?」


 声も大丈夫じゃないが、それ以上に顔がヤバい。



「何で気づかなかった。くそっ、原因は何だ!?」

「わかりません!外傷ではないでしょうが…」

「あー。すまぬ。我のせいだ。責は取る。イビュラ」

「ハッ」

「首は任せる。間に合うようなら追いかける」

「かしこまりました」

「全員乗るがいい。すぐに出発する」


 焦燥感を抱きながら全員で乗り込むと、リンヴィ様はバサッと羽を広げると、屈強な足で地面を蹴り上げ、空へ飛び立った。

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