討伐の依頼〜前編〜
南の町に出発するのが明日に迫り、あらかた準備を終えたポロは、金貨2枚の大きい出費を少しでも軽くするために、魔物や害獣の討伐依頼を探しに役場まで来ていた。
役場は3階建ての建物になっていて、1階がエントランス、2階が色々な書類の手続き関係、3階に依頼斡旋をしてくれる受付がある。
3階まで登ると、老若男女が集まっていて剣や弓、盾などを装備した人達が椅子に座って自分の番を待っていた。
番号札を受け取り10分ほど待っていると自分の番が呼ばれた。
「今日はどのようなご要件でしょうか」
「日帰りで出来る魔物や害獣の討伐依頼があれば受けたいんですけど、良いのありますか?」
「そうですね、まず最初にあなたの武器やどんな魔物、害獣を討伐してきたのか教えていただけませんか?」
適正な依頼を与えるために必要なヒアリングを受け、3つの依頼を提示してくれた。
「プロトポロスさんの強さならこの3つがいいと思います」
提示してくれた3つの紙を広げて内容を確認する。
1つ目は、クマの討伐。王都西側に出てすぐの森にクマの群れを確認したため、商人や旅人たちが安心して通れない為討伐をお願いする。
報酬が子グマは銅貨5枚
親グマは銀貨1枚
2つ目は、鳥類の魔物 (サウンドバード)の討伐。夕方から朝方まで泣き続ける魔物で、王都北側の住宅街に出現。魔物の声で寝れずに仕事に支障が出るため早急に討伐をお願いする。
報酬が解決できたら銀貨5枚
3つ目は、配達と討伐の依頼。王都から南に少し離れにある丘の上に3軒家があり、その家に木箱2つの配達と、周りにワイバーン4体の群れができて配達会社が向かうことができないため、討伐もお願いする。
報酬が金貨1枚と銀貨3枚
この3つを提示され、ポロは全部を読み終えて1枚を手元に残し2つを突き返した。
「これ受けます!!」
地下一階の荷物置き場に受付の人とは別の人に案内を受け、木箱が積み重なった地下の部屋に案内された。
「えーと、どれだっけかな、あ、あったあったこれこれ……、この2つの配達をお願いするよ」
「分かりました。出来れば中身を少し教えて貰えませんか? 配達で何を注意したらいいか考えたいので」
「もちろんですよ! ってか、中身見てください」
木箱はまだ封がされておらず蓋を開けて中身を確認した。
中身は食料や医療品といった今すぐにでも使いたいものがびっしりと入っていた。
「これは……配達先ってのはそんなに緊迫してるんですね」
「そうなんすよ、2日前から誰も近づけてなくて、今向こうがどんな状況なのかもよく分かってないんすよ。討伐と配達を両方こなせる人もそうそう居ないし、腕の立つ人達はみんな他の討伐依頼に向かっちゃいました。あなたが来てくれて、この依頼を選んでくれてほんと助かるっす」
「それじゃ、急いで運ばないと行けないですね」
「はい。よろしく頼むっす」
木箱に封をして、重ねてから紐で結び、背中に背負った。
「依頼完了してら、その紙に印を押してもらって帰ってきてください」
役場を出て南にある関所に向かい、10分ほど歩くとそこに着いた。
依頼の紙を見せると2人いた門番が顔を見合せて心配したような面持ちで口を開いた。
「あそこは孤児院なんだ。俺たちも昔世話になった。今は門番で動けねぇ。頼む、みんなを助けてやってくれ」
「……はい! 任せてください」
関所の門を潜り、外に出た。
こっち側はあらかた見て回ったが、左に見える山はいつ見ても、感嘆の声をあげてしまう。
この王都も山からは結構離れているはずなのだが、見上げるほど高い場所にある山頂に自然の脅威を感じる。
そして、正面に見える小高い山。あそこがこの荷物を届ける場所だ。確かに、小さく家のようなものが見える。
「よし、行くか」
左には山、右には草原が広がり、草はハゲて土がむき出しになった地面を歩く。南から来る馬車や歩いてやってくる人達とすれ違いながら進んでいく。




