7話 幼女引き取り&罵倒問題
今回は一人称視点に戻っています。
途中、悠斗が機能しないから大部分が会話ですが……
ざ、罪悪感が……」
『いや、もっと喜んでくださいよ。』
「……俺は人を殺して喜べる殺人鬼じゃないんだよ。」
『……マスターの感性がわからないです。』
まぁ、確かに傘の一振りだけだけど、人を倒して? 殺して? 喜べるようにはできてないんだよ。俺は。
『それで、マスター。ここからどうすればいいですか?』
「俺に聞く?」
『少なくともここにはマスターしかいないんですから。それ以外道はありません。』
[一応私もいますけど]
「『!?」』
いきなり男の機械声声が聞こえた。結構なイケボ。
[そんなにビックリしなくてもいいのでは?]
「……いきなり知らない人が話しかけたらビックリするのでは?」
『それよりマスター、第二形態が来ますよ。』
「やめてください。負けでいいので。」
『……この世界は負けを認めたら死ですよ?』
「俺は何回か死んでるんだが……」
『それでは存在自体が死ですね。』
「人の存在意義を勝手に変えないでくれ。」
『じゃあ逆になんなんですか?』
「……さぁ?」
[あのー、ちょっと話いいですか?]
『それではマスターの存在意義について考えましょうか。』
「勝手にしてくれ……」
イケボが何が言っていたが、シアンが止まらない。
『大体マスターって何ですか?』
「俺に聞かれても……」
『貴方はマスターと名乗る資格があるんですか?』
「知らないよ……。大体俺はマスターと名乗った覚えはない。」
[あの……]
『大体ですね、私は……』
10分後
[そろそろいいですか?]
「あ、そういえば何か言ってましたね。どうぞ。」
[はい。まずは、そちらのボロクソ叩かれていた方の名前を入力してください。]
「ええと……マスター、名前なんでしたっけ?」
「……」
「駄目。放心してるわ。」
[……それでは一旦『マスター』という名で登録します。ようこそ、マスター様、シアン様]
「こんにちは。貴方は?」
[私は城のマザーコンピューターです。オズとお呼びください]
「オズね。よろしく。」
[さて、まずは何をご所望でしょうか?]
「何をって?」
[私を再起動させたのにはなにか意図があってのことだと判断しました]
「……ごめんなさい。意図せず起動してしまったわ。」
[そうですか。それでは、こちらの質問にも答えていただけますか?]
「いいわ。何?」
[今地上はどうなっていますか? 最後に起動したのは80年くらい前なので把握できないのです]
「……ごめんなさい。私も封印解かれてからまだ日が浅いから把握してないわ。」
[そうですか。そちらの方はどうでしょうか?]
「マスターはアテにならないわ。」
[でしょうね。それでは、私の半身を地上に送って調査させていただけないでしょうか?]
「……私に頼まなくても自分で送ればいいのでは?」
[半身を通して私に情報を送ることはできるのですが、半身と私は情報の共有ができないので、誰かが送ってもらえないといけないのです]
「それは半身と言えるのかしら……」
[……ともかく、半身の保護も兼ねて面倒を見てほしいのです。半身には戦闘能力測定プログラム以外組み込まれていないということもありますし]
「よくわからない仕組みね……ある意味同情できるけど。」
[お願いできますか?]
「いいわ。やってあげる。あの男がだけど。」
[……不安です]
「……そうね。ほら、マスター、起きてください!」
「がはっ!」
「あ、殺しちゃった……」
[……本当に任せて大丈夫ですか?]
シアンに罵倒されつづけて、気がついたら冥界にいた。
[自業自得では……]
「えぇ……」
[早く戻った方がいいですよ]
[のろま ▼]
なんか今日めっちゃ罵倒される……
戻ったら機械少女とシアンが一緒にいた。
「って、なんでお前ら一緒にいるんだよ!」
「おかえりなさい。さぁ、帰りますよ。」
「あ、はい。」
[あ、帰る前に名前を教えてください]
「うわっと機械イケボ!」
「ほら、マスター。名前を聞かれてますよ。言えないんですか? 幼稚園児でもできますよ?」
「……吉田悠斗。」
[吉田悠斗様ですね。認識しました。お帰り下さい]
「ほら、帰りますよ。」
「……状況が掴めない。」
[……?]
[あ、その子の名前はあなたたちで決めてください]
ということで7話です。
あと数話投稿したら登場人物紹介を書く予定ですが、悠斗の性格を作者本人があまり掴めてないという……
次回 [心頭滅却すればなんとやら]