おめでとう、はじめまして
パンパンパンパン!
パンパンパンパン!
なんだろう
ゆかいなおとが きこえるぞ?
『ハッピバースデー トゥーユゥー
ハッピバースデー トゥーユゥー』
おばあちゃんが うきうき
おうたを うたっていて
ほかにも いろいろな
ニンゲンの こえがする
たかいこえ
ひくいこえ
げんきいっぱいのこえ
やさしいこえ
いっぱいまじって
たのしいな
『ハッピバースデー ディア マリちゃーん
ハッピバースデー トゥーユゥー!』
パチパチパチパチ!
そして フーって きこえたよ
なんだろう
わくわくとうきうきがいっぱい
そういやね
なぜだか わからないけれど
さっき おはようのあとに
おばあちゃんが ぼくを
カサカサに くるんで
きゅっと むすんじゃった
ちょっと きゅうくつだよ
なんだか やだよ
どうして こんなことするの?
『おたんじょうびおめでとう、マリちゃん!』
おばあちゃんの うきうき わくわくしたこえが きこえる
ふわっと ぼくはういて
ちょんと おりて
きゅっが ほどけて
カサカサが とれていくよ
「わあ……」
このおと しってる
ことりさん チチチチ
こねこさん ミャウ
ちいさい ちいさい イキモノのおと
これは ちいさいニンゲンのこえなんだ
「ドラゴンだ!」
カサカサの そとにでるなり
ぎゅっと
ぎゅぎゅっとされて
くるしいようと おもったけど
おなかに とくとく とくとく
なんだかあったかい
きもちいいな
うれしいな
「マリちゃん。この子の名前は何にする?」
おばあちゃんが 『マリちゃん』 といった
そうか
この ぎゆっ とくとく は
『マリちゃん』なんだな
「うーん。そうだなあ。どうしようかなあ。どうしよう……」
マリちゃんは ぼくを ナデナデする
ナデナデ
ナデナデ……
「きめた! このこのなまえは、ドラドラ! ドラゴンのドラドラ! ゆうかんなドラゴンだもの」
すると
ぼくのなかで
ぱちんと おとがした
「ドラドラ。ドラゴンのドラドラ、はじめまして、わたしはマリよ。わたしのおともだちになってね」
うわあ
『オトモダチ』だって
おばあちゃん いってたね
きっと いいこと
オトモダチ!
ぼく オトモダチ なるよ
よろこんで!
わくわく うきうき ぽかぽか
なんだか ぽーんって とびあがりたい きぶん
「よかったわねえ。ドラドラ」
おばあちゃんも ぼくを ナデナデしてくれた
そしたらね
ぼくは
『いろ』が わかったよ
ぼくは
『みえる』ように なったんだ
ぼくのまえには
マリちゃんと おばあちゃんと
ほかにもいろいろ
いっぱい
いっぱい……
『せかい』が ひろがっていた
ぼくは ドラゴン
なまえは ドラドラっていうんだって
ゆうかんな ドラゴンだって
なんだか くすぐったいな




