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続々・ヘラ様の結婚相談所(条件すり合わせ)

やっと序章が終わった……

 


「いいでしょう。

 あなたはわたくしの選んだはじまりの娘。つまりテストケースです。

 はじめでは不足もわからないということで、ある程度の条件の譲歩もいたします。

 ただし、適齢期を過ぎたら結婚。これは譲りません」


「はい、それはわかりました」


 それは大前提ですからね、わかっております。

 女子力チートをもらったので、そこはがんばりますから。



「では、いったい何でしょう?」


「いただいたヘラ様の祝福に含まれていれば、私はもう何も言いませんが……ないのならぜひいただきたい能力がございます」


 ひれ伏してお願いの体勢になると、ヘラ様は鷹揚に頷いた。



「そう……そうね。わかりました」


 さすが筒抜け状態。

 あっさりとお許しが出た。



「結婚したらわたくしの加護があるのですもの。必ず子宝に恵まれます。

 まして()()()()()()()()()()()()()……庇護下に入る幼子もいましょう」


「え?」


 なんか、触れたら大事になる予感がする含みをかみさまから感じた。


 ヤバい、これ、言って自分の首締めた……?



「いえ、これからあなたが転生する世界での、わたくしの加護の効果を失念していたので、ちょうどよかったわ。てんぷれを知る娘を選んで正解でした」


 眩い笑顔でヘラ様は虚空に手をさしのべた。

 そこに、玉虫色のオーラの中から現れた孔雀さまが、ふわっと乗った。


 ああ、このオーラ、玉虫色じゃなくて孔雀の羽根の光か……。



「玉虫扱いされて、この子少し機嫌を損ねていたのですが、現れたとき孔雀さまと呼ばれたので直りました。おかげでこの子の力も行き渡るでしょう」


 神々しいかみさまと、神々しい孔雀さまがさらに光輝いた。


 ただ、眩しいとは感じるものの、目に刺さるような痛みは一切与えない。


 さすがかみさまの後光だなと私はその時感じていたが、あとから考えれば、そんな光を発したご加護が自分に与えられていたのだ。


 しかしこれは後の祭り。生まれてから効果を知り、滝のような汗をかくのはまだ先のこと。



「さあ、これであなたの願いを聞き届けました。

 子どもを守るための防御力は、これで十分なはず。

 それでは美香。わたくしの落とし子よ」



 孔雀の羽根の色の輝きに包まれながら、美香には母性の化身のような微笑みを浮かべている女神が遠退いていくのがわかった。


 名残惜しくて手を伸ばすと、そこにふんわりと美しい孔雀の羽根が収まった。



「良く生きなさい」


 女神さまの、それが餞だった。

次回、第一章


美香、ほんのり爆誕(仮題)



予定です。

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