いじめ
「あ、姉上!?さ、さすがに、俺が姉様の部屋に入るのは........!」
「心配するな。スズなら許してくれる。このまま、アイスランド帝国まで飛ぶぞ?ついでに、邪神たちも呼び寄せておくか........。チッ、面倒だな。だが、面白そうだ。修羅場になったらもっと面白い。」
「あ、姉上.......。」
「く、クロ様は相変わらずなのですね........。」
「スズの演技にも疲れる。早く皆に素で振る舞ってほしいものだ。そうしたら、演技もしなくて良いからな。」
「........何故、隠されているのですか?話してみれば良いのでは?」
「ふむ、その手があったか.........。ふふ、良い事を思いついた!あぁ、実に楽しみだ。チッ、誰かが勝手に入って来ているようだな。」
「.......姉様の部屋に.......!?殺す!」
「リン様のお部屋が.......!」
「安心しろ。幸いにも何もしていない。どうやら、スズを待っているらしいな。面白い。そいつの顔を拝んでやるとするか。」
そうして、部屋に入るとバルツたちも部屋にいたのだが、何故か不法侵入者と意気投合していた。
「みんなは何をしてるの?一応、彼は不法侵入者なんだけど.........。」
「あ!お姉ちゃん!お帰り!学院はどうだった?」
「ええ、楽しいわ。」
「.........姫様?」
レイラを連れて来たのは失敗だったか?だが、彼女には知っていてほしいからな。仕方あるまい。
「ルカ、私には良い考えが浮かんだ。お前、スズネアと婚約してみないか?」
『は?』
「は?コイツ.......!クロ.......!?な、んで、お前が.........!」
「さぁ、どうだ?私はお前ならスズを任せられるのだが........?」
「え?い、いえ.......。姉様がいない場で決めるのはさすがに........!」
「ふむ.......。仕方ないか........。私が移るとするか........。分身。」
『はぁ〜!?』
「り、リン様が2人になってしまいました!」
「あ、姉上さ、さすがにやりすぎでは!?」
「大丈夫だ。だが、実に面白い。見てみろ。あの者たちの顔を.......!あの駄神親子までがあのアホヅラだ!これは、何かに残しておいても損はない!」
「こ、これは一体........?あ、も、もしかして......!っ、クロ!言ったはずです!代わるなら代わる。分身を使うなら使うと言ってほしいと!なのにあなたという人は........!」
「すまない。だが、これで面白くなったであろう?これなら、スズは退屈せずに済む!」
「........姉上。」
「なんだ?何か文句でもあるのか?」
「ありがとうございます。おかげで、気が緩めれました。」
「........何の話かわからぬな。」
「クロ様は素直ではありませんね。スズ様と一緒のようです。」
「っ、わ、私はちゃんと素直ですよ?クロは意地っ張りなんです!それより、ルカは何かあったのですか?」
「えっと、その........。」
「チッ、さっさと、言わぬかこの愚か者!コイツはいじめられているのだ。」
「え?」
「お、お姉ちゃん?大丈夫?顔が真っ青だよ?」
「その相手の名前は?」
「あ〜、そいつ終わったね。かわいそう。」
「あははは、その子ちゃんと生きていられるかな〜?生きてても瀕死だろうけどね〜?」
「え?ど、どういう事ですか?な、何故、スズネアはあんなにキレているのですか?」
「そりゃ、大事な義弟をいじめられてるからじゃない?」
「義弟!?あ、あいつが!?スズネ、見た事ない程怒ってる。」
「ねぇ、ヴァル君.......。スズちゃん、どうしたの?今まで見た事ないくらい怒ってるけど........。」
「おかしい。スズがあんなにもキレるなんて........。何でかな?」
「それで相手は誰?ちなみに、ソイツ、殺して来て良い?」
「え!あ、姉様!だ、大丈夫だから!」
「.........何で頼ってくれなかったの?」
「え?」
「私はそんなに頼りない?それとも、ルカは姉弟ごっこは飽きちゃった?」
「な、何を言ってるの!?僕はごっこ感覚で姉様の隣にいなかったよ!何でそんな事言うの?僕は本当に姉様の事.........!」
うまくいかない。何もかもが私の邪魔をする。私はただ前世で出来なかった普通の暮らしをしたかっただけなのに........!私はいつから間違えたの?
「ごめんね。ちょっと聞いてみたかっただけだから.........。それより、ルカはどうしたいの?イジメの主犯を........。」
「..........っ、僕は........!嫌だよ.....!やめてほしい!けど、逆らったら姉様が........!」
「大丈夫だよ。私は強くなったと思う。だから、その人たちには負けない。」
「っ、でも.........!」
「はぁ〜、仕方ない皇子ですね!ちゃんとした、頼み方を見せてあげます。........スズネア・フィン・アイスランド様にお願い申し上げます。どうか、私の友達を救っては頂けないでしょうか?」
彼女は一体........?本当に彼女はリアナ・リードなの?あまりにも、彼女に似てる........。唯一、私が気が許せた親友に........。
「ルカは望みますか?私の手助けを........。」
「っ、僕は........!姉様、お願いします!どうか、僕を助けてください!」
ルカは泣きながら言った。その姿に私の感情は激しく揺れた。今の私には怒りの感情しかない。ルカをイジメた相手と自分に対して.........。危うく、私はまたルカを失うところだった。そう、思っただけで感情が上手くコントロール出来ない。
「分かったわ。ルカのお願いを私が叶えてあげる。」
「うっ、あ、姉様〜。」
「相変わらず泣き虫だね。こんなに立派に育ったなだから少しは感情をコントロール出来るようにしなきゃダメだよ?........今の私が言えた事じゃないのだけれどね。」
「え?姉様.........?」
「大丈夫だよ。私には考えがあるから。だから、絶対にルカを助けるね。」
「スズ........!感情をコントロール出来ていない。落ちついて。気持ちは分かるが今は落ちつかないと!」
「クロは知ってたの?ルカがイジメられてた事.........。」
「ご、ごめん!ま、まさか、そんなに酷い状況だったとは思わなくて.........!」
「クロ、分かってるよね?私の気持ちを.........。なのに、何でルカの事報告しなかったの?」
「っ、そ、れは.........。」
「いくら、クロでも今回はさすがに許せない。分かっているとは思うけど.........。.........まさか、私を裏切るつもりなの?それとも、私がクロを裏切ってしまったの?私にはクロが分からないよ。クロは私の為にいるんじゃないの?クロがそう言ったのに........!」
「っ、ち、違う!決してスズを裏切ろうとは........!」
「じゃあ、何でルカを助けなかったの?」
「そ、れは.........!」
「クロは私じゃないから?今は何故かクロが分からないよ。私は作戦を考えるから話しならみんなでして。」
「まっ!っ、何が行けなかった?私はただスズを守ろうと.........!」
「さっきのどういう意味?クロはスズじゃないの?」
「ボクはちょっと腑に落ちたかな〜?クロちゃんとスズちゃんは全然似てないし〜。」
「.........当然だと思います。だって、クロ様はクロ様ではありませんから。」
「っ、ど、どういう事!?姉上は確かに姉上だぞ!」
「では、クロ様と今のクロ様を見て違和感はないですか?」
「違和感.........?そんなの........!.........っ、姉上じゃ、ないの?」
「どうやら、分かったようですね。」
「どういう事だ?じゃあ、そこにいる彼女は誰なんだ?どうみても、クロだが.........?」
「確かにそうだよね〜。ボクもわかんな〜い。」
「僕も分からないな。一体何処に違和感が........?」
「違和感はたくさんありました。ですが、強いて言うならば態度です。」
「態度?いつもと変わらないと思うけどな........。リットさんは分かりましたか?」
「いや、まずボクはそのクロとやらに会ったことがないから分からない。けど、ボクも彼女がクロではないと思いよ。彼女は一時的にスズネの中にいるだけで後は何処かに行ってるから。」
「お前、まさか魂の移動を使ったのか!?失敗したらどうするつもりだったの?」
「........失敗はしない。したとしても、死ぬ覚悟は最初から出来てた。私はスズを守る為だけに生きる。それだけ.........。でも、スズの義弟を助けなかったのは後悔している。」
「何でですか?姫様に言われたからですか?」
「それもあるけど.........。1番はスズの家族を守らなかったから。スズの中でルカはちゃんとした弟になっていた。義弟ではなく.........。だから、後悔した。」
「あ、姉上........。そ、それじゃあ、本物の姉上は!?まさか、今までずっとあなたが!?」
「クロは封印されてた。多分、あの時に封印されたんだろうね。」
「封印!?そ、そんな姉上が!?封印した相手を知っているのですか?」
「知ってると言うより見てた。スズが心配だったから。探すのには苦労した。」
「じゃあ、聞くけど君は誰?僕ですらも君が分からない。まるで、妨害されているまたいに........!」
「学院に巫女が来たって噂になってたの覚えてる?」
「え?あ、はい。」
「それが、今の私。.........スズには会わないようにしてるから大丈夫。私も顔は見られたくないから。」
「顔?何で?」
「........何で君に教えなきゃいけないの?」
「もしかして.......!」
「リアナは察しが良すぎて困るね。」
「スズ様に聞きました。」
「そっか.........。じゃあ、スズの事を1番知っているのは私かリアナって事になるね。」
「無理して口調を変えなくても..........。って、感じはしました。」
「ふふ、そうだよね。スズは変わってなかったみたいだし。いや、変わっちゃってるね。」
「名前を伺っても良いですか?」
「ん〜、まあ、いいかな。では、改めて名乗らせていただきます。私はの名前はユエ・ラタ・フォントと申します。以後、お見知りおきを..........。」
「やはり、似ている。姉様に........。」
「まあ、スズが私の真似をしているからね。完璧すぎて面白かったよ。まさか、あのスズが私の真似をするなんて.........。」
「それより、スズ様にはどうお伝えするのですか?このままでは、ユエ様は裏切り者扱いですよ?」
「ふふ、大丈夫ですよ。後は任せていますから。もう、私はスズのところには必要なくなったようなので.........。また、今度会った時は良い話を聴かせますね。.........それから、あなたたちみたいな男ではスズは気付きませんよ?私だって気づかれなかったのですから.........。」
『え?』
「あら?何か問題でもあるのかしら?それに、好きな人ではなかったらここまでしないわよ。」
「ま、まさかの恋敵でした!あ、相手が強敵すぎます!」
『はぁ〜!?お前も好きなのかよ!?』
「え?何か問題がありましたか?」
「こ、こいつ!だから、お前は嫌いなんだ!いつもいつも、姉様に引っ付いて!なんで、姉上はこいつなんかを.........!」
「あら、嫉妬は醜いですよ?そろそろ、帰らなくてはね。それから、忠告致しましょう。もちろん、駄神様方も入っていますからね。学院であなた方が死ぬ可能性が視えました。なので、強くなってくださいね。」
そう言い去った後ユエは暗闇の中に消えていった。
話している間にいつのまにか夜になっていたらしい。
ユエの忠告を聞いた者たちはそれぞれの考えを持ちスズネアの部屋を去って行った。
今回も読んで頂きありがとうございます!
次回も楽しみに!




