最終回番外 「闇より生まれし者 幽鬼(Phantom)」
様々な地獄、様々な悲劇……それらを乗り越えて少女カマルは闘争ではなく、対話を選び取った。
されど、世界は平和になっても必ずどこかに影は生まれる。
けれど、カマルは希望を捨てない。
それがある者にとってはさらなる悲劇を生むことになっていたとしても。
極星ギアは過去、ある少年ーーーハルトという者に力を与えた。
それは時間跳躍の力であり、不老でもあった。
けれど、致死に至るだけのダメージを負えば、普通の人と同じく死ぬしかない。
だからこそ、彼は強くなるしかなかった。
奴隷商人ギルド「コースオブキール」のギルド長を営む、下衆な父からたった1人の妹「ハウメイ」を救うために。
しかし、妹が無惨にも殴り殺される。
その度に極星ギアから受け継いだ力を使って、過去へと戻り、妹を救う。
けれど、死ぬ。
今度は馬車の車輪に巻き込まれて。
それを助ける。
今度は天災で死ぬ。
彼は時を戻すごとに記憶を失っていった。
自分が誰で、今が何年で、なんでこの力が備わってるかと言うことを。
次第に彼は、闘王リアを名乗るようになる。
そしてーーーハウメイを救うことを諦めた。
いや、正確には力の使い方を忘れたのだ。
そこまでの記憶の摩耗があることを、ハウメイの顔をしている魔物「亜人テイル」に殺されるまで理解していなかったのである。
ーーー闇の中で、オーガルに力が芽生えた。
極星ギアに願ったのである。
闘王リアを生き返らせたいから力を寄越せ、と。
鉄杭を生成する魔法
一度でも刺せば抜けることはない。
仮に抜けたとしても魔力を奪い、我が物とすることができる。
赤毛の女は黒い衣を纏い、黒い仮面をかぶって「怪人ファントム」を名乗る。
10年後
大量殺人鬼「怪人ファントム」を元討伐隊メンバーのオーガルと断定。指名手配する。
失踪した彼女の真意ーーーそれは闇と消えたまま、平和となった世界に再び暗黒が迫ろうとしていた。




