11 タイムトンネル
こうして、次に、わたしたちは、メッセージの謎を探るために、7年後のホームズさんがいる、1894年4月5日にタイムトリップした。
わたしたちがタイム自転車で降りたった場所は、やはり、ビッグベンの下だった。どうやら、ロンドンでは、この場所が、桜広場と同じ役割を果たしているらしい。タイムトンネルの門なのだ。
「また、1887年のホームズさんみたいに、わたしたちのことを知らなかったら、どうするの?」 わたしは少し不安になった。
「大丈夫さ。俺が、桜ヶ丘町をタイムトリップした時のことを思い出せよ。麻子の記憶の中に、小林さとしになりきった俺がいただろう。だから、今度の場合だって、きっと、ホームズさんやワトソンさんの記憶の中に俺たちが入っているはずさ。あれ? 俺たち、いつの間にか、『ホームズさん』って、『さん』づけしているな」
「ほんとね。何か、実際にあってみたら、昔の人っていう感じがしなくなったからなのかしら」
「そうだな。でも、さすがのホームズさんも、俺たちを一目見ただけで、どこからやって来た、どういう人なのかって、見抜けなかったな」
「仕方がないわよ。タイムトリップなんて、常識では全く考えられないことだもの」
と話していると、また、通行人が、わたしたちをじろじろ見たので、
「わたしたちは、探検家です」
といって、タイム自転車に乗り、すばやくその場を立ち去った。




