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才能に縛られた世界の『無能』でも、『運』が良ければ成り上がれるはずだ  作者: 飛楽季 【兵器創造 コミカライズ配信!】
2章 少年と不運の少女

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少年と不運の少女 7

 夜叉神さんは言葉を失い、奥歯を噛み締める。


「僕が嘘を言っていないのは分かったはずです。さあ、どうしますか?」


 僕は問うが、相変わらず黙ったままだ。

 ——そこで、今まで口を噤んでいたヒメさんが口を開く。


「ムノ君……もういいわ。あなたの気持ちは嬉しいけど、そこまでの事をして欲しく無い。だから——「本当に良いんですか?」


 僕はヒメさんの言葉を遮る。


「ヒメさん……バイトしてまで頑張ってたみたいじゃないですか。素材で稼げないから、生活費はバイトして、空いた時間や睡眠時間を削ってまでダンジョンに潜って。そこまでしていたDHを、簡単に諦められるんですか?」


「な、何でその事を……!」


「僕は決めました。あなたとパーティーを組み、オリハルコンランクDHを目指す」


「ハッ!オリハルコンランクだと?世界で二人しかいないと言うのに、そんな簡単になれるものか!」


 夜叉神さんが割って入る。


「ええ、僕らならなれますよ」


 僕の言葉に夜叉神さんは顔をしかめる。

 スキルでも使ったのかもしれない。


「で、夜叉神さん。どうしますか?」


「フン。子供がどう足掻こうが、会社を潰せるわけがない。やれるならやってみろ。だが、後で痛い目にあっても知らんぞ?」


「……分かりました」


「どうなるか見ものだな。ま、どうせ何も出来ずに終わるのだろうが」


「後で後悔しても、遅いですよ?」


「そんな脅し等に狼狽る私じゃ無い。分かったなら、さあ出て行け!二度と私の前に顔を出すな!」


「そうします。ヒメさん、もう少しだけ待っていてください。必ず迎えに来ますから」


 僕の言葉に、彼女は黙ったまま俯いている。


「——それでは。また会いましょう」


 僕は踵を返し、玄関の外へと出る。



 ——交渉は決裂した。それならば、僕は夜叉神さんを後悔させてやる。そう心に決めながら、僕は帰路へと着く。



ーーーーー


 僕はグンセさんの店に戻り、二人で悪巧みの算段を相談していた。

 

 グンセさん曰く、元々こうなる事は分かっていたらしい。夜叉神さんの性格上、折れる事は無いと。

 

 ——という事で、グンセさんは快く協力してくれる事となった。


「ま、俺の予想通りだな。ムノが喧嘩売ってくるとこまで想像ついてたぜ」


「僕も一筋縄ではいかないと思いましたけど……。そもそも夜叉神さんを調査した書類、あの内容どうやって調べたんですか?内容が詳細過ぎて怖かったんですけど」


「そりゃ企業秘密だ。ま、現代社会は怖いって事だな」


「それだけで済ましますか……」


 現代の闇を垣間見た気がしたが、今はあまり関係ないので次の話題に移る。



「それで、夜叉神さんの会社なんですが」


「ああ、夜叉神の会社は——ジャパン・ハンター・ウェポン。通称JHW。 主な売上はハンター向けの武器や、防具などの装備品販売。ドロップ武具から、職人のクラフト武具まで幅広く展開し、装備売買会社の中で日本のトップ企業だ」



 ——僕達はそんな大手の会社であるJHWを、泣きついてくるまで叩きのめす。


 さあ、僕達なりの戦いを始めよう。


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