表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/201

狐の狐乗り




「まずはその狐を降ろしてからだ! 死ねッ!」


「ク、クレフス様? これは一体――」


「僕にはフィオ兄さんの考えている事なんて分からないよ……」


「クレフス! お前も手伝え! 調教された事をバラすぞ!」


「い、言ってるから⁉︎ それほとんどバラしてるのと一緒だから⁉︎」


「調教されたんだ……椅子か調教か、悩むなぁ……セリーはどっちがいい?」


「えっ⁉︎ わ、私は……椅子になりながら調教されたい、かな?」


「……セリーって天才だよね」



 私もそう思いますよニンクさん……きっとセリーさんには才能があります。

 男性経験の無い状態でもこれだけの発想力を持っているのです、一度でも経験を積めば更に飛躍する事でしょう。そして私すら止める事のできない魔性の女へと――

 魔性……悪くありませんね? どうですかセリーさん。『【魔性】のセリー』と名乗りませんか? フェリス姉さんには私から伝えておきますよ?



「くっ……悪く思わないでねフィオ兄さん! これも僕の尊厳を守る為なんだ!」


「キリリスさん、どうしますか?」


「そうでありんすね……フィオ坊がもう少し速く動いたら、わちきも落ちない様に抱き着いてしまう――」


「お任せください。【霊獣憑依】を使いましょう」


「あら? ふふ……フィオ坊がもふもふになりんすね」


「……その状態で『フェンリル』を憑依させたら殺す」



 ウルはフェンリルを崇めていましたね。しかし、天界にフェンリルを呼ぶとは……面白い冗談です。フェリス姉さんだけ食べて貰えないでしょうか?

 まあ今回は瑞獣から引っ張って来ましょう。キリリスさんも居ることですし、同じ狐という事で『九尾狐』はいかがですか? 真っ白でもふもふですよ。



「狐……気に入りんした。見せておくんなし?」


「【霊獣憑依:九尾狐】」


「椅子である為に霊獣を呼ぶのか……頭が痛い」


「ねぇウル? あれやばくないかな? 僕じゃ止められる気がしないんだけど……」


「フィオドール様が……狐になってしまいました」


「あの状態だと獣姦になるのかな……フィオドール様ならいいや」



「あの〜……私、なんで呼ばれたんですか〜?」


「これは失礼しました。緑髪のお嬢さん、私はフィオドール……今は狐をやっています」


「狐の状態なのに喋れるんですね〜? 私はユーリです〜」


「貴女を呼んでいただいたのはっ――観測課のお話をっ――聞く為でしてっ」


「ふわ〜、よく避けられますね〜? 曲芸みたいです〜」


「この程度なんて事はありませんよ。それでお聞きしたいのですがっ――ウル、『伏せ』です」


「うわっ⁉︎」


「クレフスさんは『チンチ――」


「待ってフィオ兄さん! 僕はウルに脅されていただけなんだ! だからその芸はやめて!」


「なるほど……『おすわり』」


「ありがとうっ!」


「ちょ、調教されてます……」


「セリー、『チンチン』の語源知ってる? あれ……いやらしい芸じゃ無いんだよ」


「えっ……そうなの?」



 そうなのですか? 私は完全にアレのつもりで芸を仕込んでしまいました。クレフスさんには付いていませんので、違和感はあったのですが……

 何にせよ、これで落ち着いて話が聞けますね。語源は後でニンクさんに聞きましょう……いえ、その前にもう一度芸の名前を言って貰えませんか? 語源に関係なく、女性の口から聞く機会の少ない言葉ですので……



「何が聞きたいんですか〜?」


「チン――ではなく、聞きたい事というのは……ふむ?」



 業務内容は異世界の観測だと分かりきっていますから、それを聞くのは今更です。

 となると彼女……ユーリさん自身について聞きたい事ですか。何から聞きましょう? スリーサイズ……いえ、どんな男性(わたし)が好みか聞いておくのも悪くありませんね。



《お前は局長補佐だろう……ここは干渉局に不満が無いか聞いておくべきだ》


「では、現状に不満などはありませんか?」


「不満ですか〜? ありませんね〜。たくさん寝れてユーリは満足です〜」



 気の合いそうな方ですね? 私も女性と寝る事で満足感を得られますので。

 いかがでしょうか? ここは是非、私と一緒に寝てみませんか? きっと普段よりもぐっすり眠れると思いますよ?



《やめろご主人様……まだユーリとやらの階位すら分かっていない。手を出すべきじゃ――》



《あのー、フィオ先輩? 聞こえてますか?》


《おや、リーリアさん……聞こえていますとも。 何かありましたか?》



 私は《念話》を拒むことなんてしませんので、わざわざ確認する必要は無いはずですが……ああ、カリンさんの防諜結界で一度防がれていますね。

 ですが基本的には全開です。女性からの《念話》は常に受け付けておりますので、夜のお誘いもお待ちしています。



《それが……今『特派』の方から聴取を受けていまして、何か心当たりはありませんか?》


《……ありませんね》


《狐以外にも来ていたのか……》



《そ、そうですよね! すみません……こんな事初めてでしたので!》


《それは良い経験になりましたね? 初めてと言えば……私はいつになったらリーリアさんの――》


《お、おおお邪魔しました! どうぞ! 案内されるの頑張ってください!》



 《念話》が切れてしまいましたか……リーリアさんは奥手ですね。

 ですが励ましを受けた以上、期待に応えなくてはいけません。頑張って案内されましょう……次はどこですか?



「おっ? 体が動くよ! 良かったぁ……慣れない体勢で辛かったんだ」


「オレはずっとうつ伏せだったから胸が……」


「…………」


「ニンク? ウルさんに失礼な事しちゃダメだよ?」


「お話終わりですか〜? じゃぁユーリは寝ます〜」


「ええ、ありがとうございました。ユーリさん……さて、次はどこへ案内していただけるのでしょう?」


「あ、はい! 次は交渉課なんですけど……そのまま行くんですか?」



 このまま行きます。キリリスさんが何も言わないので問題ないのでしょう……極楽です。

 ですが……キリリスさん? 私の尻尾を一心不乱に撫でるのは止めていただけないでしょうか? むず痒いと言いますか……端的に言って興奮してしまいますので。

『!?』を『⁉︎』に、『ダッシュ(罫線)』を正しい表記へ変更しました。

今後はこちらの表記で投稿いたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただきありがとうございます

ブックマーク・評価・感想などいただけますと
作者が非常に喜びます!よろしくお願いいたします

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ