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もふもふ召喚士の自由気ままなVRMMO冒険記 ~可愛い魔物を集めていたら、いつの間にか最強の魔物国家ができていました~  作者: 黒海苔
第3章:魔物達の街

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幕間:登場人物・設定資料集③

本日五話目

 第三章終了時点で登場している人物や魔物、現在判明している《エルディア》の設定についての簡単な資料集。


 本編ではまだ細かく触れていない情報も一部含まれていますが、今後の展開に関する重大なネタバレはありません。



 ◆ ユズ

挿絵(By みてみん)


 名前:ユズ

 本名:小日向 柚葉

 年齢:17歳

 種族:人間

 職業:召喚士

 レベル:121



 本作の主人公。


 《エルディア》のサービス開始から約三ヶ月遅れてゲームを始めた少女。


 攻略、ランキング、邪神討伐競争などにはあまり興味がなく、ゲームを始めた理由も、配信で見かけた可愛い魔物に会いたかったから。


 ゲーム開始時に不遇職扱いされていた《召喚士》を選択した。


 魔物を戦力や道具として見る意識がほとんどなく、基本的には友達のように接している。


 可愛い魔物、とりわけもふもふした魔物には非常に弱い。



 第一章終了時点での目標は、


「魔物たちが安心して暮らせる場所を作ること」


 だった。



 第二章では、そのための土地に少しずつ魔物たちを迎え入れ、


 ・蟻族

 ・蜘蛛族

 ・蜂族

 ・小型の獣系魔物

 ・その他の弱い魔物たち


 などが暮らす共同生活圏を形成。



 第三章では、その生活圏が《暁ノ華嵐》の配信によって外部プレイヤーにも広く知られることとなった。



 本人としては現在も、


「みんなで住んでいるだけ」


 という認識。



 街や国を作ったつもりはない。



 しかし外部から見れば、


 ・道路

 ・水路

 ・住居

 ・倉庫

 ・工房

 ・農地

 ・食料生産

 ・警備

 ・役割分担


 などがすでに存在しており、今後は外部から訪れる者を受け入れるための区画まで計画され始めている。



 また第三章では、《暁ノ華嵐》との会話をきっかけに、本人が長らく確認していなかった現在のステータスも判明した。



【第三章終了時点の主なステータス】


 Lv:121


 HP:1300

 MP:700

 SP:700


 STR:10

 VIT:10

 INT:630

 MND:10

 AGI:10

 DEX:10



 ゲーム開始時から能力値を一度も振らず、Lv121までに獲得した自由能力値620ポイントを全て残していた。


 その後、


「魔法いっぱい使える方が楽しそう」


 という理由で、620ポイント全てをINTへ投入。


 結果として、INT630という非常に極端な能力値となった。



 なお、スキルポイントも長期間使用しておらず、第三章で確認した時点では125ポイントが残っていた。



 第三章では新たに、


 《魔王》


 という称号を持っていたことも判明。



 本人は相変わらず、


「街を作った」

「国を作った」

「魔王になった」


 という実感は薄い。



 現在のゲーム内での目標は、


「可愛い魔物にいっぱい会いたい!」


 そして、


「みんなが安心して暮らせる場所をもっと大きくしたい!」


 というもの。



 《邪神》討伐については、


「邪神を倒すより、可愛い魔物に会う方が楽しそう」


 という理由で、現時点では目指していない。



 第三章終盤に発表された《勇者選定祭》についても参加するつもりはなく、


「出ない!」


 と即答。



 ただし本戦会場となる王都アステリアには強く興味を持っており、


 ・《暁ノ華嵐》の応援

 ・王都観光

 ・食べ歩き

 ・まだ見たことのない魔物探し


 などを目的に訪れる予定。



 ◆ 称号《魔王》



 第三章で、ユズがすでに獲得していたことが判明した特殊称号。



 《多数の魔物から、その中心となる存在として認められた者に与えられる称号》



【効果】


 ・魔物との友好・交渉判定に補正

 ・自身を慕う魔物との意思疎通が容易になる



 この称号を得たことで、魔物たちが突然ユズを慕うようになったわけではない。


 先にユズと多くの魔物たちとの関係があり、


「多数の魔物から、その中心となる存在として認められた」


 結果として与えられた称号。



 本人は、


「私、魔王だったんだ」


 程度の認識。



 第三章終盤。


 《勇者選定祭》の開催を知った際には、


「勇者って魔王を倒す人だよね?」


 と考え、


「私、勇者に討伐されるの!?」


 と本気で心配していた。



 その後、


 ・《勇者選定祭》は全サーバーで開催される

 ・各サーバーごとに一人ずつ《勇者》が選ばれる

 ・《勇者》が向かうのは《魔王城》にいる攻略上の《魔王》

 ・ユズは日本サーバーにしか存在しない

 ・ユズの居住地にはそもそも魔王城がない


 などの理由から、


「たぶん自分ではない」


 と判断し、安心した。



 ◆ シロ

 幼体

挿絵(By みてみん)

 成体

挿絵(By みてみん)


 種族:《神狼フェンリル》

 性別:オス

 契約者:ユズ



 ユズが最初に契約した魔物。


 雪のように白い毛並みを持つ小さな狼だったが、その正体は神獣に分類される《神狼フェンリル》。


 見た目に反して非常に希少かつ強力な種族。



【神狼フェンリル】


 狼型魔物の中でも極めて上位に位置する神獣種。


 非常に高い身体能力と成長性を持ち、成体になれば一般的な大型魔物とは比較にならないほど強力。


 警戒心も強く、本来は人間と契約すること自体が極めて珍しい。



 シロはまだ幼体。


 《神狼の首輪》を装着している間のみ、一時的に成体の姿になることができる。


 成体時には人間を複数人乗せて走れるほど巨大になる。



 人化能力は持っていない。


 人間の言葉を話すこともできず、


「わふ」

「くぅん」


 などの鳴き声で意思を伝える。


 ただし契約を通して、ユズとはある程度感情を通じ合わせることができる。



 ユズのことが大好き。


 食べることと、撫でてもらうことも好き。



 第三章ではクロネからもかなり気に入られており、頻繁に撫でられている。



 なお外部プレイヤーには、第三章終了時点でも正式な種族名《神狼フェンリル》は知られていない。



 ◆ ユキ

 魔物形態

挿絵(By みてみん)

 人化形態

挿絵(By みてみん)


 種族:《月影猫》

 性別:メス

 契約者:ユズ



 宿場町ミルフィアの路地裏で出会った猫型魔物。


 銀灰色を基調とした毛並みと、淡い桃色の瞳を持つ。


 臆病で人見知りだが、一度信頼した相手にはかなり懐く。



【月影猫】


 夜や薄暗い場所を得意とする希少な猫型魔物。


 人間からは、通称《化け猫》と呼ばれることもある。


 純粋な戦闘能力はあまり高くないが、人化能力を持つ個体が多く、その能力を利用して人間社会に紛れながら暮らしている者も少なくない。



 気配を消す能力、索敵能力、夜目などに非常に優れている。


 特に、


「そこに何かが存在しているか」


 という気配そのものを感じ取ることを得意としており、単純な視覚や嗅覚では見破りづらい幻覚や隠蔽にも強い。



 主に、


 ・偵察

 ・索敵

 ・潜伏

 ・追跡


 などを得意とする種族。



 一定以上の個体は《人化》することも可能。


 ただし猫の姿では人間の言葉を話すことはできない。



 ユキは人目がない場所や、信頼している相手しかいない場所では人化していることも多い。


 人型では銀灰色の髪、桃色の瞳、猫耳と尻尾を持つ少女の姿になる。



 かなり恥ずかしがり屋で、知らない相手が突然現れるとユズの後ろに隠れることも。



 外部プレイヤーからは人型の姿を確認されているものの、正式な種族名《月影猫》までは知られていない。



 ◆ コハク

 魔物形態(幼体)

挿絵(By みてみん)

 人化形態(幼体)

挿絵(By みてみん)

 魔物形態(成体)

挿絵(By みてみん)

 人化形態(成体)

挿絵(By みてみん)


 種族:《九尾の妖狐》

 性別:メス

 契約者:ユズ



 ダンジョン《白狐の迷い館》の初代ボス。


 長い間、館の中から外へ出たことがなかった。


 ユズが戦闘を拒否し、


「一緒に外へ行かない?」


 と誘った結果、自ら契約を申し込んだ。



【九尾の妖狐】


 狐系魔物の中でも極めて高位の種族。


 高い知性と魔力を持ち、幻術や妖術を得意とする。


 個体によっては非常に長い年月を生きることもある。


 九本の尾は、高位の妖狐である証。



 コハクは複数の姿を使い分けることができる。


 ・小さな白狐

 ・少女の姿

 ・巨大な九尾の白狐


 など。



 長期間館の中で暮らしていたため、外の世界を実際に見た経験は少ない。


 しかし館に大量に残されていた書物を長年読み続けていたため、


 ・植物

 ・魔物

 ・料理

 ・地理

 ・生活

 ・文化


 などについて意外なほど詳しい。



 つまり、


「知識は豊富だが、実体験が少ない」


 タイプ。



 一人称は「妾」。


 ユズのことは「お主」と呼ぶ。


 ユズたちの中では比較的常識人であり、現在は主にツッコミ役を担当している。



 第三章では、《暁ノ華嵐》や配信視聴者の前でも少女姿への人化を見せた。


 ユズ本人は以前からその姿を知っていたものの、《暁ノ華嵐》や視聴者にとっては初公開となった。



 また、クロネから初対面に近い段階で、


「強そう」


 と見抜かれたことで、互いに興味を持つ。



 ユズがログアウトした後。


 クロネの希望によって、人目のない場所で密かに手合わせを行った。



 ただし、その戦闘の詳細や勝敗は現在も不明。



 翌朝にはなぜか二人の距離がかなり縮まっており、ユズや《暁ノ華嵐》から何をしていたのか尋ねられても、


「遊んでた」

「秘密」


 としか説明していない。



 なお、この時コハクが使用したのは少女姿。


 巨大な九尾の姿による本格的な戦闘は、まだユズ自身も見ていない。



 外部プレイヤーには、


 ・人語を話す白狐

 ・人化できる

 ・クロネから強者扱いされている


 ことまでは知られている。



 しかし正式な種族名《九尾の妖狐》や、ユズとの正式な契約関係までは知られていない。



 ◆ グランヴェル

挿絵(By みてみん)


 種族:《古龍》

 性別:オス

 契約者:ユズ

 愛称:グラちゃん



 巨大な森の中心部で暮らしていた古龍。


 黒銀色の鱗と黄金色の瞳を持つ。


 非常に巨大。


 人化も小型化もできない。



【古龍】


 長い年月を生きた龍の中でも、特に強大な存在。


 単に長生きしただけの龍を指す言葉ではなく、その力、知性、存在そのものが通常の龍とは別格。


 周囲の魔物から強く畏怖されることも多い。



 グランヴェルの周囲に魔物がほとんど近づかなかったのは、彼が非常に強大な存在だったため。


 そのため結果的に、彼の寝床周辺は巨大な森の中でも比較的安全な場所となっていた。



 基本的には面倒くさがり。


 寝ていることが多い。



 しかし、ユズが作った鍋料理を非常に気に入っている。


 ユズと契約した理由にも、かなり鍋が関係している。



 ユズに《古龍の加護》を与えている。



 この加護により、グランヴェルを知る森の魔物の多くはユズを、


「古龍グランヴェルが認めた存在」


 として認識する。



 ただし、これは魔物を強制的に従わせる能力ではない。



 第三章では、《暁ノ華嵐》の配信によってその存在が外部プレイヤーにも広く知られることとなった。



 ユズはそれまでノアから、


「こりゅう」


 とだけ聞いていたため、


「小さい竜」


 だと思っていた。



 シフォンから、


「古い龍と書いて《古龍》」


 と教えられ、初めて意味を理解した。



 また第三章では、《邪神》について意味深な発言を残している。



『邪神討伐などと、軽々しく口にするものではない』


『あれは、人の手で討伐を目指すような存在ではない』



 しかし、その理由を尋ねられると、


『知らぬ』


 と回答。



 さらにミオから、


 ・邪神

 ・ノア


 について尋ねられた際にも、同じように、


『知らぬ』


 と話を避けている。



 実際に何を知っているのかは不明。



 なおクロネからも戦闘を申し込まれたが、


『断る』


 の一言で拒否した。



 ◆ ノア

挿絵(By みてみん)


 種族:不明

 職業:不明

 所属:不明



 突然現れては、ユズに色々な情報を教えてくれる謎の少女。


 淡い桃色の長い髪と桃色の瞳を持つ。


 一人称は「僕」。



 《白狐の迷い館》の存在を知っていたり、


 長距離転移を当然のように使ったり、


 希少な《転移》のスキルブックを持っていたり、


 古龍グランヴェルがなぜか彼女には強く出なかったりと、


 明らかに普通ではない。



 本人曰く、


「ただの女の子」。



 現在、ユズにとって最初のシステム上のフレンド。



 第三章では、ユズが《転移》を使えることが外部に知られたことで、


「なぜノアがそんな希少なスキルを持っていたのか」


 という疑問もプレイヤー側から持たれるようになった。



 またグランヴェルは、ノアについて尋ねられた際にも、


『知らぬ』


 と不自然なほど話を避けている。



 正体は今のところ不明。



 ◆ クロエ

挿絵(By みてみん)


 種族:女王蟻

 性別:メス

 役割:建築・土木・住環境整備



 第二章で登場した蟻族の女王。


 真面目で責任感が強く、非常に働き者。



 元々暮らしていた蟻族の巣が地下水の変化によって崩壊の危機に陥った際、ユズたちの助けによって多くの仲間が救出された。


 その後、蟻族全体でユズたちの居住地へ移住。



 現在は主に、


 ・道路

 ・水路

 ・住居

 ・倉庫

 ・基礎工事

 ・土地整備


 などを担当。



 女王でありながら部下に全てを任せるタイプではなく、自分自身も普通に現場で働く。



「ならば私が働けば一人増えます」


 という考え方。



 第三章では、今後外部から人間が訪れる可能性についても真剣に受け止め、


「住民たちの生活区域は守るべき」


 と提案。



 街の安全と住民の生活を優先する、実務・管理面の中心人物となっている。



 ◆ ネフィエラ

挿絵(By みてみん)


 種族:女王蜘蛛

 性別:メス

 役割:衣類・布製品・繊維加工



 第二章で登場した蜘蛛族の女王。


 優雅で落ち着いた雰囲気を持ち、一人称は「わたくし」。



 クロエとは以前から面識があり、互いに性格をよく知っている。



 クロエが自分で働きすぎるのに対し、ネフィエラは、


「得意な者に任せる」


 という考え方。



 現在は主に、


 ・衣類

 ・寝具

 ・布

 ・糸

 ・生活用品

 ・繊維加工


 などを担当。



 配下の蜘蛛族が作る糸は非常に高品質。



 第三章では、外部プレイヤーを受け入れるため、


「街の外側に来訪者用の区画を作る」


 という案を提案。



 今後は宿泊場所なども含めた外部向け施設の整備に関わる予定。



 ◆ メリエル

挿絵(By みてみん)


 種族:女王蜂

 性別:メス

 役割:食料・蜂蜜・農業



 第二章で登場した蜂族の女王。


 明るく自由で、かなりマイペース。



 現在は主に、


 ・蜂蜜

 ・果物

 ・花

 ・薬草

 ・果樹

 ・食料保存

 ・農地管理


 などを担当。



 また、蜂族による受粉によって植物の生育も助けている。



 人間社会では《魔の森》浅瀬に生息する野生の蜂型魔物から採れる魔蜂蜜でも高級品。


 しかしメリエル配下の蜂族が生産する蜂蜜は、それより遥かに高品質。



 第三章では《暁ノ華嵐》にもその蜂蜜を振る舞った。



 一般的な回復薬と比べても非常に高い効果を持つ可能性があるが、ユズたちは現在も普通の食材として使っている。



 来訪者用区画について話し合った際には、


「食事を出す場所も作る?」


 と提案。



 本人は今後も食方面を担当する気満々。



 ◆ 三人の女王



 現在ユズたちの居住地で、それぞれ大きな役割を担っている三人。



 クロエ

「住」


 ネフィエラ

「衣」


 メリエル

「食」



 という形で、結果的に衣食住を分担している。



 三人とも性格や仕事に対する考え方はかなり違う。



 クロエ

「あなた方は部下に任せすぎです」


 ネフィエラ

「クロエが働きすぎなのですわ」


 メリエル

「そうそう、もっと休んだ方がいいよー」


 クロエ

「あなたはもう少し働きなさい!」



 というやり取りがよく発生する。



 第三章では、外部プレイヤーの来訪を見据えた街づくりについても話し合いを始めた。



 なお三人ともユズの仲間ではあるが、契約魔物ではない。



 ◆ アラクネ



 ネフィエラ配下の蜘蛛族の中でも、人型の上半身と蜘蛛の下半身を持つ者たち。


 高い知性を持ち、人間の言葉を話すことができる。



 現在、主に登場しているのは以下の五人。



 ◇ ルヴェリア

挿絵(By みてみん)


 役割:裁縫・工房管理



 蜘蛛族の中でも特に裁縫技術に優れたアラクネ。


 衣類制作を中心とする工房をまとめている。



 ユズの衣装の修繕や調整も担当。


 実用性だけでなく見た目にもこだわるタイプ。



 ◇ フィズリア

挿絵(By みてみん)


 役割:染色・素材加工



 布や糸の染色、加工などを得意とするアラクネ。


 植物や鉱物などから染料を作ることもでき、蜂族が育てている植物なども素材として利用している。



 ◇ ミレルナ

挿絵(By みてみん)


 役割:見習い/小物・ぬいぐるみ制作



 まだ若いアラクネ。


 裁縫技術そのものは修行中だが、可愛らしい小物や飾り、クッションなどを作ることが好き。



 もふもふしたものが大好き。


 特にシロの毛並みに強い興味を持っている。



 ◇ ゼルフィナ

挿絵(By みてみん)


 役割:警備・戦闘



 蜘蛛糸を戦闘に利用することを得意とするアラクネ。


 他の四人に比べ、生産よりも護衛・警備寄り。



 居住地周辺の見回りや、不審者の確認などを担当している。



 非常に細い糸を周囲に張り巡らせ、


 ・侵入者の探知

 ・拘束

 ・迎撃

 ・警報


 などに利用する。



 第二章終盤。


 《暁ノ華嵐》と最初に接触した住民。



 第三章では、今度は単独で高速接近してきたクロネの存在もいち早く察知し、


「人間が一人、こちらへ向かっています」


 とユズたちへ報告した。



 ◇ セリナージュ

挿絵(By みてみん)


 役割:織物・レース・生活用布製品



 織物やレース、寝具、カーテンなど、生活に必要な布製品を得意とするアラクネ。



 衣服だけではなく、


「暮らしを快適にするための布」


 を作ることを得意としている。



 ◆ 現在の魔物たちの居場所



 グランヴェルの寝床周辺に作られた、複数種族の共同生活圏。



 当初はユズが、


「魔物たちが安心して暮らせる場所が欲しい」


 と考えたことが始まり。



 その後、


 ・弱い小型魔物

 ・蟻族

 ・蜘蛛族

 ・蜂族


 などが次々と移住。



 現在は、


 ・道路

 ・排水路

 ・水路

 ・住居

 ・倉庫

 ・工房

 ・花畑

 ・果樹園

 ・薬草区画

 ・食料保管施設


 などが整備されている。



 まだ正式な国名や町名は存在しない。



 ユズ本人も、


「国を作った」


 という認識は一切ない。



 本人曰く、


「みんなで住んでるだけ」。



 しかし第三章。


 《暁ノ華嵐》による配信を通して、その存在が日本サーバー全体へ広く知られるようになった。



 さらにクロネが単独で実際に到達したことで、


「今後、他のプレイヤーも訪れる可能性がある」


 という問題が現実的なものとなった。



 現在は、


 ・来訪者を迎えるための外部区画

 ・宿泊施設

 ・飲食場所

 ・案内役

 ・住民生活区域との分離

 ・工房や倉庫などへの立ち入り制限


 などが検討され始めている。



 ユズ本人は、


「お客さん増えるの?」

「宿屋作りたい!」

「お土産も置けたら楽しそう!」


 とかなり前向き。



 住民だけの閉じた生活圏だった場所は、少しずつ、


「外部の人間を受け入れる場所」


 へと変化し始めている。



 ◆ 「ユズ様」



 第二章終盤以降、日本サーバーのプレイヤーたちの間でも広まったユズの呼び名。



 元々はゼルフィナが、


「ユズ様に確認する」


 と発言したことがきっかけ。



 その後、


 ・クロエ

 ・ネフィエラ

 ・メリエル

 ・その他の住民たち


 もユズを自然に「ユズ様」と呼んでいることが判明。



 配信視聴者や掲示板住民たちも面白がって使い始め、現在ではかなり定着している。



 一方、《暁ノ華嵐》のメンバーやクロネなど、本人と直接親しくなったプレイヤーは、


「ユズちゃん」

「ユズ」


 などと呼んでいる。



 なお本人は今でも、


「なんで様付けされてるの?」


 という感覚が抜けていない。



 ◆ クロネ

挿絵(By みてみん)


 名前:クロネ

 種族:魔族

 所属:《暁ノ華嵐》

 レベル:80以上



 第三章で本格的に登場したプレイヤー。



 日本サーバーでもトップクラスの戦闘能力を持つことで知られている。



 極端な高速戦闘型。


 高いAGIと攻撃性能を活かし、攻撃を避けながら一気に相手へ接近する戦闘を得意とする。



 本人の考え方は、


「防御? 避ければいらないでしょ」


 というもの。



 その分、防御面は低く、


「当たらなければ問題ない」


 というかなり極端な構成。



 性格はマイペース。


 強い相手との戦闘を非常に好む。



 第三章では、《暁ノ華嵐》の配信で公開された魔の森攻略ルートを参考にしながら、一人で中心部を目指した。



 道中の魔物については、


「避けた」


 とのこと。



 さらに、


「倒す必要なくない?」


 と発言。



 《暁ノ華嵐》が数ヶ月かけて探索・発見したルートを、高い移動能力で一気に突破した。



 ただし本人も、


「道が分からなければたぶん無理だった」


 と認めている。



 ユズたちの居住地へ到着後、真っ先にグランヴェルへ戦闘を申し込んだが拒否された。



 その後コハクにも強い興味を持ち、ユズがログアウトした後に二人だけで密かに手合わせを行っている。



 勝敗は不明。



 また、


 ・グランヴェル

 ・コハク

 ・シロ

 ・ユズ

 ・街そのもの


 をかなり気に入っている。



 以前、《暁ノ華嵐》から加入を誘われた際には、


「群れるの興味ない」


 と断っていた。



 しかしユズたちの街へ何度も通いたいと考えた結果、《暁ノ華嵐》のクラン拠点移動機能に目をつけ、


「《暁ノ華嵐》、入れて」


 と自ら加入を希望。



 第三章終盤。


 正式に《暁ノ華嵐》の九人目のメンバーとなった。



 なお現在でも、


「群れるのには興味ない」


 らしい。



 可愛いものや、もふもふした魔物が好きなのではないかという疑惑もある。



 本人は否定している。



 しかしユズがログアウトした後。


 街を一人で歩いていた際、小型の魔物たちに囲まれ、その場でしばらく撫で続けていた。



 その様子をミオに目撃され、


「かわいいもの好きなんだ」


 と言われたが、


「住民との交流」


 と主張している。



 なお《勇者選定祭》には参加予定。



 二次予選の1000人バトルロイヤルについて、


「楽しそう」


 と考えている。



 ◆ 《暁ノ華嵐》



 日本サーバーでも特に有名なトップクランの一つ。



 第二章終了時点では女性8人のみの少数精鋭クランだったが、第三章でクロネが正式加入。


 現在は女性9人となっている。



 大人数による物量攻略ではなく、それぞれが異なる得意分野を持つ、


「少数精鋭」


 という方針は変わっていない。



 第三章ではユズたちの居住地を詳しく見学。



 その中で、


 ・蜘蛛族が作る高品質な衣類

 ・蜂族が作る高品質な蜂蜜

 ・古龍グランヴェル

 ・ユズのLv121

 ・ユズの能力値

 ・《転移》

 ・称号《魔王》


 など、次々と新たな情報を知ることとなった。



 現在はユズや住民たちともかなり親しくなっている。



 ◇ シフォン

挿絵(By みてみん)


 役割:クランリーダー/精霊術師

 戦闘位置:中~後衛



 《暁ノ華嵐》をまとめるリーダー。



 第三章でも、次々と問題を起こすメンバーたちをまとめる役目を担っている。



 クロネ加入時には、


 ・クラン名を使って勝手な揉め事を起こさない

 ・他クランに無断で喧嘩を売らない

 ・強敵を見つけてもクラン全体を巻き込まない

 ・ミオと二人で勝手に危険地帯へ突っ込まない


 などのルールを説明。



 最後の注意に対して、


 ミオ

「たぶん」


 クロネ

「たぶん」


 と返されている。



 《勇者選定祭》への参加は、第三章終了時点ではまだ検討中。



 ◇ ミオ

挿絵(By みてみん)


 役割:暗殺者/高速近接戦闘

 戦闘位置:前衛



 《暁ノ華嵐》でも特に速度に優れたプレイヤー。



 普段はやや無口でマイペース。



 第三章ではグランヴェルに何度も戦闘を申し込んでいるが、毎回拒否されている。



 またユズがログアウトした後、


 ・邪神

 ・ノア


 についてグランヴェルへ質問。


 どちらについても、


『知らぬ』


 という返答を受けたことで、


「同じように話を避けている」


 と気づいている。



 クロネとは戦闘好きという点で非常に相性が良い。



 第三章終盤では、クロネが小型魔物たちを撫でているところを偶然目撃。



 誰にも言わないよう頼まれている。



 なお、その後ミオ自身も同じ小型魔物を撫でていた。



 《勇者選定祭》には参加予定。



 ◇ ハルカ

挿絵(By みてみん)


 役割:忍者/奇襲・攪乱

 戦闘位置:前~中衛



 明るく悪戯好きな性格。



 第三章でも、


「これもう国じゃない?」


 などとユズの居住地をからかっている。



 《勇者選定祭》については、


「1000人バトルロイヤルは見る方が面白そう」


 と考えており、現時点では観戦寄り。



 ◇ アカネ

挿絵(By みてみん)


 役割:鬼人剣士/近接アタッカー

 戦闘位置:最前衛



 高い身体能力を活かした刀による近接戦闘を得意とする。



 性格は豪快で姉御肌。



 《勇者選定祭》の1対1本戦にも興味を示しており、現時点では参加予定。



 ◇ セレナ

挿絵(By みてみん)


 役割:聖術師/回復・結界・支援

 戦闘位置:後衛



 ・回復

 ・状態異常解除

 ・結界

 ・魔法防御

 ・能力強化


 などを得意とする。



 《勇者選定祭》は個人戦中心の形式であるため、現在は観戦予定。



 ◇ ライラ

挿絵(By みてみん)


 役割:斥候/索敵・追跡・危険察知

 戦闘位置:遊撃



 ・魔物の気配察知

 ・追跡

 ・地形確認

 ・安全なルートの選定

 ・危険察知


 などを得意としている。



 1000人バトルロイヤルでは、


 ・索敵

 ・隠密

 ・追跡


 などが非常に有効だと考えられるため相性は良い。



 一方、本戦の1対1では戦い方が変わるため、第三章終了時点では参加を迷っている。



 ◇ エリス

挿絵(By みてみん)


 役割:錬金術師/道具・戦術支援

 戦闘位置:中~後衛



 《暁ノ華嵐》の知識・アイテム担当。



 第三章では、


 ・蜘蛛族の糸

 ・蜂族の蜂蜜

 ・ユズのステータス

 ・街の構造

 ・外部プレイヤーの受け入れ


 などについて冷静に分析している。



 《勇者選定祭》については戦闘参加よりも、情報収集や観戦に回る可能性が高い。



 ◇ モモカ

挿絵(By みてみん)


 役割:料理人/料理・生産支援

 戦闘位置:後方



 料理スキルを中心に取得している。



 第三章ではメリエルたちの蜂蜜を実際に味わい、その品質に強い興味を示した。



 《勇者選定祭》には参加せず観戦予定。



 王都アステリアで開催されることを知り、


「イベント限定料理」

「屋台」

「食べ歩き」


 などにかなり期待している。



 その点ではユズと非常に気が合っている。



 ◇ クロネ



 第三章から正式加入。


 詳細は前述の《クロネ》項目を参照。



 ◆ 《暁ノ華嵐》と《勇者選定祭》



 第三章終了時点での暫定的な参加予定。



【参加予定】


 ・クロネ

 ・ミオ

 ・アカネ



【参加を検討中】


 ・シフォン

 ・ライラ



【観戦・不参加寄り】


 ・ハルカ

 ・セレナ

 ・エリス

 ・モモカ



 まだ参加受付前のため、今後変更される可能性もある。



 なおユズは、


「出ない!」


 と即答している。



 ◆ ルナ

挿絵(By みてみん)


 種族:人間

 所属:冒険者ギルド



 宿場町ミルフィアの冒険者ギルドで働いている新人受付嬢。


 ユズが初めて冒険者登録をした時の担当。



 まだ仕事には慣れていない部分もあるが、真面目で一生懸命。



 ◆ マロン

挿絵(By みてみん)


 種族:獣人

 職業:宿屋関係



 宿場町ミルフィアでユズが出会った少女。


 大きなリスのような尻尾を持つ。



 ユズに、


「尻尾触ってもいい?」


 と聞かれた最初の被害者でもある。



 ◆ 異邦人



 《エルディア》の住人たちがプレイヤーを呼ぶ際の名称。



 プレイヤーだけが死亡しても復活することなどから、NPCたちから見ても普通の人間とは少し異なる存在として認識されている。



 《勇者選定祭》の開催説明でも、プレイヤーたちは一貫して、


「異邦人」


 と呼ばれている。



 ◆ 契約



 召喚士が魔物と結ぶ契約。


 必ず相手の同意が必要。



 力ずくで弱らせたとしても、魔物本人が拒否すれば契約することはできない。



 契約成立時、


「その魔物を一度討伐した場合に得られる経験値」


 と同等の経験値を召喚士が獲得する。



 つまり、強力な魔物ほど契約時に得られる経験値も大きい。



 また、契約した魔物が敵を倒した場合、その戦闘経験値は召喚士にも反映される。



 ユズがLv121まで上昇していた最大の理由は、グランヴェルを含む強力な魔物たちとの契約によって、大量の経験値を得ていたため。



 ◆ 現在ユズと契約している魔物



 ・シロ

 《神狼フェンリル》


 ・ユキ

 《月影猫》


 ・コハク

 《九尾の妖狐》


 ・グランヴェル

 《古龍》



 以上4体。



 なお、


 ・クロエ

 ・ネフィエラ

 ・メリエル


 はユズの仲間ではあるが、契約魔物ではない。



 また外部プレイヤーは、第三章終了時点でもこの契約関係を正確には把握していない。



 ◆ 第三章終了時点で外部に知られているユズの仲間



 配信などを通して、外部プレイヤーから存在を確認されている主な仲間。



 ◇ シロ


 白い狼型の魔物。


 正式種族は外部には未公開。



 ◇ ユキ


 猫耳と尻尾を持つ少女の姿が確認されている。


 正式種族は外部には未公開。



 ◇ コハク


 人語を話す白い狐。


 人化能力も確認されている。


 正式種族は外部には未公開。



 ◇ グランヴェル


 《古龍》であることが判明。



 ◇ クロエ


 蟻族をまとめる女王。



 ◇ ネフィエラ


 蜘蛛族をまとめる女王。



 ◇ メリエル


 蜂族をまとめる女王。



 なお、


「誰がユズと正式に契約しているのか」


 については、外部プレイヤーが正確に把握しているわけではない。



 ◆ 魔物の人化



 一部の高位魔物や特殊な種族が使用できる能力。



 全ての魔物が人化できるわけではない。



 また、


「強い魔物ほど必ず人化できる」


 というわけでもない。



 現在、ユズの契約魔物の中で人化が確認されているのは、


 ・ユキ

 ・コハク


 の二体。



 シロとグランヴェルは人化できない。



 第三章ではコハクの少女姿が、《暁ノ華嵐》や配信視聴者にも初めて公開された。



 ◆ 《転移》



 ノアから譲り受けたスキルブックによって、ユズが習得した特殊スキル。



 基本的には、


「ユズ自身が一度訪れたことのある場所」


 へ転移することができる。



 近くにいる同行者も、互いに一緒に移動する意思があれば転移対象に含めることが可能。



 ただし場所によっては、特殊な理由で転移できない場合もある。



 MPを消費するため、無制限に使用できる能力ではない。



 第三章では《暁ノ華嵐》の前で実際に使用したことで、初めて外部プレイヤーにもその存在が知られた。



 さらに入手元がノアであることも判明。



 この件によって、


「ノアは何者なのか」


 という疑問がより強く持たれるようになった。



 ◆ クラン



 複数のプレイヤーによって構成されるグループ機能。



 クランによって運用方法は異なるが、


 ・クランチャット

 ・共有倉庫

 ・クランハウス

 ・登録拠点

 ・クラン拠点への移動


 などの機能が存在する。



 クロネは第三章で、このクラン拠点への移動機能を利用すれば、


「毎回魔の森を走らなくてもユズたちの街へ来られる」


 ことに気づいた。



 その結果、《暁ノ華嵐》への加入を決意。



 加入後、最初にクラン機能を確認した際の感想は、


「便利」


 だった。



 ◆ 《エルディア》の時間



 ゲーム内時間は現実世界のおよそ三倍。



 現実世界で一日が経過すると、《エルディア》ではおよそ三日が経過する。



 また、プレイヤーがログアウトしていても世界は止まらない。



 NPCや魔物たちはその間も普通に生活し、行動している。



 第三章終了時点では、異邦人たちが《エルディア》へ現れてから、ゲーム内時間で間もなく一年が経とうとしている。



 この節目が、《勇者選定祭》開催の表向きの理由の一つとなった。



 ◆ サーバー



 《エルディア》は国・地域ごとに複数のサーバーへ分かれている。



 基本的な地形や大きな世界構造には共通点があるが、


 ・NPCの行動

 ・国家情勢

 ・プレイヤーが発見したもの

 ・プレイヤーの介入

 ・それまでに起きた事件


 などによって、それぞれ異なる歴史を歩み始めている。



 そのため、


「アメリカサーバーで起きたことが、日本サーバーでも同じように起きる」


 とは限らない。



 第三章では、《勇者選定祭》が全サーバーで開催されることも発表された。



 各サーバーごとに一名ずつ《勇者》が選出される。



 ◆ 《エルディア》の最終目標



 ゲーム開始時、神から提示された最終目標は、


 《邪神の討伐》。



 全世界、全サーバーのプレイヤーの中で最初に《邪神》を討伐した一人だけが、


「神に一つだけ願いを叶えてもらえる」


 とされている。



 第二章終了時点までは、


 ・邪神がどこにいるのか

 ・どうすれば戦えるのか

 ・何をすればそこまで辿り着けるのか


 などはほとんど分かっていなかった。



 第三章では、グランヴェルが、


『邪神討伐などと、軽々しく口にするものではない』


『あれは、人の手で討伐を目指すような存在ではない』


 と意味深な発言を残している。



 さらに《勇者選定祭》の発表によって、


 《勇者》

 ↓

 《魔王城》

 ↓

 《魔王》との接触

 ↓

 《邪神》に関する情報


 という、新たな攻略ルートが初めて明確に提示された。



 プレイヤーたちの間では、


「ゲーム内時間で一年近く経過しても邪神攻略がほとんど進まなかったため、ついに神が攻略へテコ入れを始めたのではないか」


 という説も出ている。



 ただし、これはあくまでプレイヤー側の推測。



 システム上、そのような説明が行われたわけではない。



 なおユズ本人は。


 相変わらず《邪神》討伐競争そのものには、ほとんど興味を示していない。



 ◆ 《勇者選定祭》



 第三章終盤にワールドアナウンスで発表された大型イベント。



 異邦人たちが《エルディア》へ現れてから、ゲーム内時間で間もなく一年。



 フィオル王国国王が、


「この一年で異邦人たちがどれほどの力を身につけたのか、その成果を自らの目で確かめたい」


 と考えたことをきっかけに開催される。



 イベントは日本サーバーだけではなく、全サーバーで開催。



 各サーバーごとに一名の《勇者》を選出する。



 大会は、


 ・第一次予選

 ・第二次予選

 ・本戦


 の三段階に分かれている。



【第一次予選】



 参加者全員による、期間制のレーティングバトル。



 参加者は全員、同一の初期レートから開始。



 対戦の勝敗や、対戦相手とのレート差によってレートが増減する。



 単純な勝利数だけを競う形式ではなく、


「限られた試合数の中で、どれだけ安定して勝利できるか」


 が重要となる。



 また開催期間中に行える対戦数には上限が設定されており、何度でも無制限に対戦してレートを稼ぐことはできない。



 第一次予選への参加は、メニュー内《イベント》から可能。



 対戦開始時には、その時プレイヤーがいる場所から大会専用の異空間へ一時転移する。



 第一次予選用の戦闘空間は、本戦会場となる王都アステリアの闘技場を模した1対1用フィールド。



 試合終了後は、対戦開始前にいた場所へ自動的に帰還する。



 そのため、第一次予選へ参加するために王都や特定の町へ移動する必要はない。



 開催期間終了時点で、


 《レートランキング上位8000名》


 が第二次予選へ進出する。



【第二次予選】



 第一次予選を突破した8000名を、


 1000名×8グループ


 に分割。



 各グループごとに、大会用として作られた専用異空間へ転移し、大規模なバトルロイヤルを行う。



 各フィールドの広さは、


 10km×10km。



 8つのフィールドは、それぞれ異なる特徴を持つ。



 ただし、


「砂漠だけ」

「森林だけ」


 といった単一地形ではなく、一つのフィールド内に、


 ・森林

 ・平原

 ・山岳

 ・砂地

 ・水辺

 ・河川

 ・渓谷

 ・遺跡

 ・洞窟


 など複数の地形が存在する。



 その上で、


「森林が多いフィールド」

「山岳地帯が多いフィールド」

「水辺の比率が高いフィールド」


 など、それぞれに異なる傾向が設定されている。



 そのため、


 ・索敵

 ・隠密

 ・移動能力

 ・地形利用

 ・遠距離攻撃

 ・近接戦闘

 ・継戦能力


 など、プレイヤーごとの得意分野によって有利不利が変化する。



 また第二次予選では、時間経過によって、


 《戦闘可能区域》


 が段階的に縮小していく。



 区域外に留まり続けた場合は継続ダメージを受けるため、一か所へ隠れ続けるだけでは最後まで生き残ることは難しい。



 試合が進むにつれて生存可能な範囲が狭くなり、残ったプレイヤー同士が自然と接触しやすくなる仕組みとなっている。



 第二次予選では、


「何人倒したか」


 は本戦進出条件に含まれない。



 重要なのは最後まで生き残ること。



 理論上は、誰も倒さないまま本戦へ進出することも可能。



 各グループの生存者が8名となった時点で、そのグループの第二次予選は終了。



 生き残った8名が本戦への進出権を得る。



 8名×8グループ。


 本戦進出者は合計64名。



 試合終了後は、生存者・敗退者ともに第二次予選開始前にいた場所へ自動的に帰還する。



【本戦】



 第二次予選を突破した64名による、1対1トーナメント。



 64名

 ↓

 32名

 ↓

 16名

 ↓

 8名

 ↓

 4名

 ↓

 2名

 ↓

 優勝



 最終優勝者一名が、そのサーバーにおける《勇者》として認定される。



 第一次予選・第二次予選とは異なり、本戦はイベント専用異空間ではなく、


 《フィオル王国 王都アステリア》


 に存在する実際の闘技場で開催される。



 ただし、本戦出場者が王都まで自力で移動する必要はない。



 本戦当日は、出場者に限りメニュー内《イベント》から専用転移が開放される。



 この機能を使用すると、その時いた場所から王都アステリアの本戦会場内にある選手専用区域へ直接転移することができる。



 ただし、この転移はあくまで大会参加のための特殊転移。



 専用転移で王都へ来た出場者は、イベント会場から王都の一般区域へ自由に出ることはできない。



 本戦で敗退した場合でも、すぐに強制帰還させられるわけではない。



 敗退後は、


 ・そのままコロシアムに残り、他の試合や決勝戦を観戦する

 ・任意のタイミングで大会参加前にいた場所へ帰還する


 のどちらかを選ぶことができる。



 そのため本戦出場者は、一般観戦チケットを持っていなくても、敗退後そのまま会場内で大会を観戦することが可能。



 ただし専用転移で来場した場合は、敗退後も王都の一般区域へ出ることはできない。



 また、決勝戦および国王による閉会式が終了した時点で、専用転移を利用して来場している出場者は全員、参加前にいた場所へ自動的に帰還する。



 そのため、


「大会用の転移を利用して、そのまま王都観光をする」


 といった利用はできない。



 王都そのものを観光したい場合は、通常の方法で王都へ訪れる必要がある。



【観戦】



 《勇者選定祭》は、参加者以外のプレイヤーも観戦することができる。



 メニュー内《イベント》から《観戦》を選択すると、プレイヤーは観戦専用の異空間へ一時転移する。



 観戦空間には人数制限がなく、大人数のプレイヤーが同時に利用可能。



 大会映像や試合情報などを見ながら、他の観戦者と会話することもできる。



 第一次予選、第二次予選、本戦のすべてが観戦対象。



 第一次予選では膨大な数の試合が行われるため、


 ・注目試合

 ・指定したプレイヤー

 ・高レート帯の対戦


 などを選択して観戦する形となる。



 第二次予選では、8つの巨大フィールドで同時に多くの戦闘が行われるため、


 ・フィールドごとの映像

 ・注目選手

 ・残存人数

 ・戦闘状況


 などを切り替えながら観戦する形となる。



 観戦終了後は、観戦空間へ移動する前にいた場所へ自動的に帰還する。



 そのため、


「大会を見るだけ」


 であれば、王都へ足を運ぶ必要はない。



 本戦についても、映像観戦だけなら観戦専用空間から誰でも見ることができる。



【本戦現地観戦】



 本戦は王都アステリアの実在する闘技場で開催されるため、現地の観客席から直接観戦することも可能。



 ただし観客席には収容人数の上限がある。



 一般プレイヤーが本戦を現地観戦する場合は、


 《一般観戦チケット》


 が必要。



 一般観戦チケットは後日、抽選方式で受付が行われる予定。



 抽選に外れた場合でも本戦そのものが見られなくなるわけではなく、観戦専用異空間から映像を視聴することができる。



 つまり、


 ・試合を見るだけなら誰でも可能

 ・王都の実際の闘技場で直接見たい場合のみチケットが必要


 という形式。



 なお第三章終了時点では、ユズも、


「せっかくなら本物の闘技場で見たい!」


 という理由から、観戦チケットの抽選が始まり次第申し込む予定。



【大会形式の特徴】



 第一次予選では、


 ・限られた試合数で安定して勝つ力

 ・1対1での基礎的な対人戦能力



 第二次予選では、


 ・索敵

 ・隠密

 ・地形利用

 ・移動

 ・判断力

 ・生存能力

 ・継戦能力

 ・大人数の中での立ち回り



 本戦では、


 ・純粋な1対1での戦闘能力

 ・相手への対応力

 ・勝ち切る力



 がそれぞれ求められる。



 単純に、


「一番レベルが高い者」

「一番火力が高い者」


 だけでは勝ち抜けない形式となっている。



 第三章終了時点で、《暁ノ華嵐》からは、


【参加予定】


 ・クロネ

 ・ミオ

 ・アカネ



【参加を検討中】


 ・シフォン

 ・ライラ



【観戦・不参加寄り】


 ・ハルカ

 ・セレナ

 ・エリス

 ・モモカ



 となっている。



 なおユズは、


「出ない!」


 と即答。



 本人にとって《勇者選定祭》は、


「勇者になるための大会」


 というより、


「みんなの試合を応援しながら、初めての王都を観光できる大きなお祭り」


 という認識に近い。



 ◆ 《勇者》と《魔王城》



 《勇者選定祭》の優勝者には、


 ・特別称号《勇者》

 ・王国からの褒賞

 ・《魔王城》へ至るための地図


 が与えられる。



 王国に残る伝承によれば、


 《魔王》は《邪神》について何らかの情報を持っている可能性がある


 とされている。



 そのため選ばれた《勇者》には、


 《魔王城》へ赴き、《魔王》との接触を果たすこと


 が期待されている。



 ただし、


「魔王を必ず討伐しなければならない」


 とは書かれていない。



 戦闘によって突破するのか。


 魔王を説得するのか。


 交渉によって情報を得るのか。


 それとも別の方法が存在するのか。



 現時点では不明。



 これまで具体的な手掛かりがほとんど存在しなかった《邪神》攻略において、初めて明確に示された次の道筋の一つとなっている。



 ◆ 王都アステリア



 フィオル王国の王都。



 第三章終了時点では、ユズはまだ訪れたことがない。



 《勇者選定祭》日本サーバー本戦の開催地として指定された。



 ユズは大会そのものには参加しないものの、


 ・《暁ノ華嵐》の応援

 ・王都観光

 ・食べ歩き

 ・まだ見たことのない魔物探し


 を目的に訪れる予定。



 ユズたちの次の目的地。



 ◆ 冒険者ランク



 冒険者ギルドでは、


 F

 E

 D

 C

 B

 A

 S


 の順にランクが存在する。



 F~Aが通常の冒険者ランク。



 Sランクは単純なAランクの上位というより、歴史に残るほどの功績を持つ者などに与えられる特別なランク。



 Cランク以上になると、一般的には一人前の冒険者として扱われる。



 ◆ 簡易クラン拠点



 長距離遠征などで使用される、クラン専用の一時的な拠点。



 正式なクラン拠点とは異なり、基本的には使い捨て。



 安全を確保した場所へ設置することで、


 ・休憩

 ・簡単な物資保管

 ・遠征時のチェックポイント


 などに利用できる。



 また、一度町へ帰還した後、その簡易拠点へ一回だけ転移で戻ることも可能。



 《暁ノ華嵐》はこの簡易クラン拠点を利用しながら、《魔の森》の奥地へ少しずつ探索範囲を広げてきた。



 第三章では、その攻略過程が配信されたことで、クロネがルートを利用して単独突破することとなった。



 ◆ 《魔の森》



 中央大陸アルカディアに存在する巨大森林。



 日本サーバーでも特に危険な未踏地域として有名。



 非常に強力な魔物が多く生息し、森林そのものも広大なため、単純な戦闘能力だけでは中心部へ辿り着くことが難しい。



 《暁ノ華嵐》は現実時間で数ヶ月をかけて攻略を続けてきた。



 第三章では、その攻略配信を利用したクロネが、高いAGIと回避能力によって魔物との戦闘を極力避けながら単独で中心部近くへ到達した。



 ただし、


「ルート探索」


 と、


「既に判明しているルートを突破すること」


 は別問題。



 クロネ本人も、ルート情報が無ければ同じことは難しかったと認めている。



 ◆ 現在の世界最前線



 アメリカサーバーの大規模トップクラン、


 《Frontier Dream》


 が《魔の森》中心部へ世界最速で到達。



 現在のクラン平均レベルは80前後。



 その中から選ばれた十数人ほどの探索チームが、《魔の森》攻略を担当していた。



 彼らが本格的に中心部を目指し始めたのは、サービス開始から数週間が経過してから。



 以降、現実時間で二ヶ月以上を費やし、中心部へ到達。



 彼らの公式な発表によれば、


「中心部には何も無かった」


 とのこと。



 なお、探索チームはその直後に全員リスポーンしている。



 ほぼ同時刻。


 《魔の森》外縁付近にいた別のプレイヤーから、


「森の奥から巨大な咆哮が聞こえた」


 という報告も上がっている。



 実際に中心部で何が起きたのかは、現在も不明。



 一方。


 日本サーバーでは《暁ノ華嵐》が中心部近くまで到達。



 そこで、


「魔物たちの共同生活圏」


 を発見。



 さらに第三章では、その場所へクロネまで単独到達した。



 世界各サーバーの歴史は、少しずつ大きく分岐し始めている。



 ◆ 宿場町ミルフィア



 ユズがゲーム開始後、初めて訪れた町。



 フィオル王国に存在する比較的小規模な宿場町。



 冒険者ギルドや宿屋などが存在し、ユズが冒険者として活動を始めるきっかけとなった場所でもある。



 なお、参考用の世界地図では便宜上、


「始まりの町ミルフィア」


 と記載されている。



 これは、


「ユズにとって冒険が始まった最初の町」


 という意味で付けられた表記であり、《エルディア》の世界で一般的に「始まりの町」と呼ばれているわけではない。



 そもそも《エルディア》には、全プレイヤー共通のスタート地点となる、


「始まりの町」


 というものは存在しない。



 プレイヤーの初期出現地点は一定ではなく、それぞれ異なる場所からゲームを開始する。



 ◆ 参考用・《エルディア》世界地図



 以下は、現時点での《エルディア》の大まかな世界構造をイメージした参考用世界地図。

挿絵(By みてみん)


 主な地域として、


 《中央大陸アルカディア》


 《忘却大陸ノクスレム》


 《獣牙大陸ヴァルネア》


 《聖暁大陸ルミセル》


 などが存在する。



 中央大陸アルカディアには、


 ・フィオル王国

 ・セレス帝国

 ・ラティス王国

 ・《魔の森》


 などが存在。



 その他にも、


 ・フェンリル獣王国

 ・エルメリア聖教国

 ・アウロラ王国

 ・海底国家ネレイディア

 ・ノクスヴェイル


 など、様々な国家・地域が存在している。



 第三章終了時点でユズの次の目的地となった、


 《フィオル王国 王都アステリア》


 も中央大陸アルカディアに存在する。



 なお、この世界地図は物語制作時の参考用として作成したものです。



 国の位置、地形、名称、距離感などは今後の物語に合わせて変更される可能性があります。



 そのため、


「現時点での大まかな世界観を掴むための参考資料」


 程度に見ていただければと思います。



 また、地図に記載されている、


「始まりの町ミルフィア」


 という名称についても前述の通り、正式な地名や一般的な呼称ではありません。



 ユズにとって最初に訪れた町であることを分かりやすくするための、地図上の便宜的な表記です。



 ――以上、第三章終了時点での登場人物・設定資料でした。



 魔物たちだけの閉じた生活圏だった場所は、第三章を通して外のプレイヤーたちにも知られるようになった。


 《暁ノ華嵐》との交流が始まり。


 クロネがやって来て。


 街には、これから外部の人々を迎えるための準備まで始まっている。



 そして世界では。


 ゲーム内時間で間もなく一年を迎える節目として、大型イベント《勇者選定祭》の開催が決定した。



 勇者にはならない。


 邪神討伐も目指さない。



 それでもユズは。



「王都にも、可愛い魔物いるかな?」



 という、いつも通りの理由で次の場所へ向かうことになる。



 次なる舞台は――。



 《フィオル王国 王都アステリア》。

伸びている内に、書き溜めているやつを一気に投稿しようと思って、三章までの内容を全部投稿しました。四章はまだ書き終わっていないので、次回の投稿はだいぶ先になりますが楽しみにお待ちいただければ幸いですです。(先に四章の第一話だけ投稿しておきます。)


では次回は、第4章 王都観光と勇者選定祭です。


今までのご愛読ありがとうございました!


面白いと感じましたら、ブクマ、評価、コメント等をよろしくお願いします。

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