49話 悪徳伯爵を懲らしめよう!準備編。
目の前には栗入り羊羹♡美味しい
もぐもぐ。うまうま。もぐもぐ。うまうま。ずずっ
私は緑茶を飲み、羊羹の甘さが口の中でお茶の渋みで緩和されるのを喜んだ。美味しー♡
「とりあえず話聞くに昔のトーさんもチートでやばかったって事ですな。」
「そうなのよ♡ホントチート!!主人公級よ!!」
なるほどなるほど。私は羊羹を食べながら聖女様を見ると、トーさんに頬に手を当て、にこにこと迫っている。
「それで、20年ぶりに再会♡した私、大人になったでしょう」
「全然気づかなかった。しゃべり方も雰囲気も違うし、赤毛のイメージ強かったからな」
聖女様はキョトン顔。大人なのにかわいいw
「あれは色替えの魔道具だったの。あの男のせいで壊れちゃったけど」
「あぁ……なるほど」
「しゃべり方は…堅苦しい国で矯正されたの。ふぅ。まぁ、この世界を知るには良いところだったけど」
とても遠い遠いところを見るように聖女様は空を見て笑った。どんなところだったんだろう。
もしトーさんが魔王になる人間だったのなら、そのフラグ全部聖女様がぶち折ってくれたみたいだしね。私が考えに耽っていると
コンコンコン!!ノックが3回。ノックの後に本棚がガラガラと横空きに。
引き戸だったんだ。この世界で初めて見たよ。これは前世知識で作られたものかしら?私が引き戸に感動していると、そこからお兄ちゃんと前伯爵様が凄く渋い顔で戻ってきました。なんだか法務官さんまで渋い顔をしている?
「僕はすでに死亡届けが出されておりました」
は?何言ってるの?っと私とトーさんは目を合わせ首を傾げた。聖女様はアラアラ~っと笑っている。
「モンティアの街で男が逮捕された時期にはすでに死亡届けが出ていたそうです。なので男がどうこう言おうともう死んだ人間の事だと一点張りらしく、騎士団の方も裏どりを行っている状況です」
法務官は汗をかきかき、めっちゃ困っている。
「死体もないのに、医者の病死書類を添えて死亡届けが出され、受理されていました。」
お兄ちゃんは手を強く握りしめて俯いていた。
「ひとまず、全く血の繋がらない入り婿には家督を引き継ぐ権利はありません。爵位を前伯爵に戻す手続きに入りました。あとはミハイル君がお孫様だと証明されれば問題ありません。」
証明ってどうするんだろう?私がトーさんの方を向いて首をかしげると、聖女様が教えてくれた。
「教会で血縁関係の魔法診断が受けれるんだよ、DNA検査の簡易番みたいな感じかな?」
ほうほう。納得でござる。
「まあ検査用紙持ってきたので、今すぐやっちゃいましょう♡救国の聖女認定検査ですわよ!!馬鹿に反論させませんわw」
聖女様は悪役令嬢の様な口調でノリノリで魔法陣のついた用紙を掲げ気合いを入れた。うん心強い味方だ。まぁ検査結果は血縁者で決定。その書類はエドモンドさんに渡す。
「エド、お父上様には、く・れ・ぐ・れ・も、よろしくとお伝えくださいませ♡」
エドモンドさんは、フフっと笑って
「解ったよアヤ、君の手紙と一緒に届けるから。父さんもアヤのお願いはいの一番で動いてくれるよ」
「あら♡嬉しいわ。期待している」
何気に二人して黒いオーラを漂わせながらニコニコニコニコ会話してるけど怖い。
「あとは、すべての準備が整うまでは前伯爵様夫妻の護衛はクロトにお願いするわね。必ず来ると思うわ刺客」
トーさんは手を上げて、
「俺じゃなくてもっと適任が居るぞ。敷地に馬と一緒に居られる貸し家一軒あてはあるか?そこを丸ごと結界で囲う方法なら、ドラゴンの攻撃も防げるけど?」
「用意するけど、適任者って誰?」
トーさんは私に目くばせをする。私はずっと頭の上で帽子になってくれていたウハハを手の上に置いて
「ウハハ元に戻ってご挨拶お願い」
ポン!!っと手の上で飛んで元の姿に戻ったウハハは
「ウハハ!ウハハハハハハハ!!!」
ミヨーーーーンミヨーーーンっとのびのび挨拶をした。すると聖女様の顔がキラキラと輝きだす。
「うそーー!!スライムテイムしているの!!凄い!!凄い!!しかも意思疎通迄できるの?えぇ!!異世界アニメのテンプレじゃない!!!私もテイマーになりたかった!!!」
凄い興奮して聖女様が語りだす。すると、エドモンドさんが聖女様の肩をたたき首をフルフル
「アヤ、普通スライムと意思疎通は無理だよ。それに魔物は神殿には入れないからね」
聖女様はエドモンドさんと顔を合わせ顔をゆがめた…
「私だって冒険しながらモフモフ天国したかったのに!!なんで聖女!!聖女なんて辞めてやるぅ!!!」
興奮する聖女様を見て、ため息をこぼしながら、トーさんが言う。
「ひとまず。落ち着け。このスライムは神獣ウハハ。神様の片腕だった方から授かった、カナメの守り手。家一軒軽く結界で覆えるんだ」
「「「神獣!!」」」
部屋に居るみんなが驚いている。
「ガルーダも結界への侵入は出来なかった位だから効果も絶大だぞ」
「「「!!!」」」
「俺は、守るよりも攻撃要員だな。全員捕まえてすべてをゲロらせてやる」
……トーさん、実はすごく怒っているのね。気持ちは分かる。私も許せないけど……もっと怒りそうなお馬さんがいるよねぇ
借りる家は、王都のはずれにある一軒家。大通りに面してはいるけれど、はずれのため人通りもまばらで隣の家は無し。ここ一帯を再開発するために人が今は居ない場所。しかも家の裏は森になっており襲撃しやすい格好の場所。
案内にエドモンドさんと護衛のヤマトさんが 前伯爵夫妻とお兄ちゃんを護衛する形で家に入る。私はもちろんお兄ちゃんと一緒に行動。馬車を引くのはターちゃん。トーさんの姿は見えない。
馬車で敷地に入るとウハハが結界を貼る。
結界を張った途端、ターちゃんがおしゃべりを始める。まぁ皆には「ヒヒン」って言ってるようにしか聞こえないだろう
『もう!!みんな遅かったから寂しかったわよぉー!!』
「ごめんねーターちゃん。色々あって遅くなったんだよ」
「遅くなってすみません黄昏様、荷物置いたらブラッシングかけますからね」
私たち二人が馬に話しかけながら、よしよししてるのを一人を除いて皆が微笑ましい顔で見てくれていた。




