45話 聖女とトーさんの出会い 3
「剣士のジャックとヒーラーのアリス、でアタシが魔法使いのサトよろしくね。」
俺は後悔している。だってそうだろ…仲間の事を、彼女は剣士とヒーラーと言った。
でも目の前にいるのは‥‥騎士だろ。どこの騎士か判らないが騎士だろ!!その鎧どこの鎧だ!!
あと、横に居る女性はヒーラーかもしれないが本職メイドだろう…服がそのままメイド服だ!!!お茶のだし方!!とてもそつなくさっと出してくれる……
俺は彼女たちが滞在してる宿屋その食堂の4人掛けのテーブルに赤髪の彼女『サト』と向かい合って座っている。サトの右斜め後ろに剣士……テーブル脇にヒーラー……サトはお忍びの貴族令嬢って所か
「なぁ………あんたら冒険者登録してんのか?」
「はい。私、多少の心得がございます。ランクはCでございます。」
お!!メイドさん意外にランク高い。戦闘出来ないわけじゃないな、俺は騎士さんの方を見やる。
「私は、せっ………サト様と同時に登録したのでFランクだ。」
あ…察し。剣士さんは付き合わされているんだな。俺はため息をついて自己紹介をした。
「俺の名前はクロト。Dランク冒険者だ。職業アサシンだが、斥候もできるよろしく。あとジャルの森は日参してるので、ある程度は大丈夫だと思ってくれて良い。クエストの詳細を教えてくれ」
『クエストはジャルノ森に生えている薬草 ノノギリ草の採取
皮膚の炎症止めの薬になる薬草 山一つ向こうの村に皮膚炎が蔓延しているため大量に欲しい』
もう昼も過ぎているから…下手に今からはいかない方が良いな。
「明日朝6時の鐘が鳴るまでに東門前集合で、良いか?」
「え、今日行かないの?まだ2時じゃん?マジもったいなくない?せっかくなら、パーッと行っちゃおーよ!」
「今日野営になっていいのならこの時間からでもいいが、準備不足は命に関わる、辞めておいた方がいい。」
「あー、しゃーないかー。じゃあ、明日ってことで!また明日ねー!」
俺はすっと紙に書いたメモをアリスさんに渡す。
「準備物。とりあえず書いたから用意して持ってきて。俺は自前があるから3人分。じゃあ明日」
俺は、席を立ちその場を後にした。
宿から出た俺は、空を見上げゲンナリした。今にも一雨きそうな曇り空。明日に回して本当に良かった。自分から面倒ごとに首を突っ込んだ気がしないでもない……俺は大きなため息をついた。その背後で身を潜めるようにこちらを見てくる殺気を感じながら。
夜の間、降り続いた雨は、明け方にはすっかり上がり、今朝はすがすがしい青空が広がっている。。良かった。採取は天気も重要だ。
「時間停止付きのマジックバックあるか?」
「ないけど…」
俺は固まった。え?無いの?俺は後ろの二人を見た。二人とも首を振っている。
「無いって…なんで受けたんだよ依頼!!納品は隣村…ノノギリ草は足が速くて有名なんだ。採取して3時間で使用できないものになる」
「え、マジで知らないんだけどー!てか、困ってる人いたんだもん!助けるしかないっしょー!」
俺は大きなため息をついて背後に居る二人を見た、アリスさんがおずおずと
「私、時間遅延なら持っております。食材等持ち運んでおりますので」
「じゃぁ、アリスさんに納品物が入るように、採取地に着いたらバック開けてください。遅延はどのくらい」
「二分の一くらいの時間です。」
「まず、ノノギリ草は採取から持って3時間がリミット。今回は6時間。
採取して村に運んで薬を作り終わるのに6時間!!まず採取地はここから1時間後に到着予定その場所から村まで2時間半って所です。そこから薬を作ってもらうのに2時間とすると採取時間は1時間30分です。」
「えー、マジ無理ゲーじゃん!ありえないんだけどー!」
「こういう依頼は基本が時間停止付きのマジックバック持ちが受けるんだ。では採取時間確保のため身体強化できる人!手を上げて!」
俺は、大きなため息をつきながら皆に質問する、サト以外が手を上げる。ネックはサトか……あまりスキル知られたくなかったんだけど…しょうがないか。
「移動時間俺のスキルの中に居るか?そうしたら採取時間多く取れる」
「しゃーなしかー。ま、それで行こっかー!」
「あ!!サト一人が不安ならアリスさんも入ってもらって良いですよ?」
「では、サト様とご一緒いたします。」
俺はアリスさんとサトの足元に闇を発生させて二人を取り込んだ。びっくりしているジャックさんに向き直って、身体強化をかけ
「では行きます。ついてきてください」
二人で走り出した。
【護衛騎士 ジャック・ニルソン 視点】
小さく細い少年は、二人を闇魔法で何処かに連れ去りこちらが反応する前に走り出した。新手の誘拐かと思った!!いやすごいスピードだ!!なんだ彼の身体強化は、気を付けないと見失いそうになる、山も川もひょうひょうと超えて、採取地点まで20分で到着。俺は膝から頽れてしまった。ゼーゼーっと荒い呼吸をしながら寝っ転がる。
ぜーぜー
少年は息一つ乱していない。この少年はなんだ…
少年が手をかざし闇が広がりそこからサト様とアリスが出てきた
「あの真っ暗空間、超楽しかったんだけどー!ヤバくない!?テンション爆上がりー!」
凄く興奮したように話すサト様。一体サト様たちはどこに居たんだ!!
ぜーぜー………
アリスよ、こっちを半眼で見るのやめてくれ!!声にしてないだけで目が語っている!!情けないという声が私に聞こえてくる!!!言い返したいのに言い返す気力もない
ぜーぜー………
「はい!!ノノギリ草採取2時間は確保できたので 採取スタート!!」
はぁ!!もう採取開始!!早い!!早い!!進みが早い!!!ようやく息が整ったというのに!!
少年はアリスの前にノノギリ草10本を1束にしたものを30束置いた
開始してまだ30分もたってないだろ!!!!どういうことだ!!
「アリスさん。バッグの容量はこの30束を1として後どのくらい入りますか?」
アリスは思案気に……
「あと2入ればいいほうかと」
「納品量はそれで足りますか?」
アリスと少年が話しているとサト様が声をかけた
「マジ大丈夫っしょ!村長、あればあるだけ良いって言ってたしー!気にしなーい!」
「じゃあ。俺が周りの見張りしますのでそのまま皆さん採取お願いします」
少年は周りの警戒をしつつ、皆が採取したノノギリ草の選別と束分けしてくれて
1時間立たないうちに終わった。
その間の魔物の襲撃はすべて少年がはねのけていた………少年の強さに戦慄した。そして、私の採取した薬草の半分以上が雑草だった不甲斐なさよ。落胆している俺に目線を向けるアリス。アリスその目はやめて
目が語ってる。『愚か者』っと コッ怖い!!!




