表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安全第一異世界生活  作者: 笑田
転移と出会いとコルドナ街

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/254

16 あの奇跡 説明受けて 納得だ

はーい。こんにちは、カナメです。

こちら、奇特にも私のお父さんになってくれたクロトさんでーーす。

パチパチパチパチ


さてさて、ようやく2週間が経ちました。

今日は私の転移について知っているジジイ神(仮)に会いに教会に来ました!!


ミカちゃんに以前聞いていたんです。

神様に会うには、教会に行って神像に祈れば

真っ白な空間に招かれて会えるって。


しかーし!

教会に来た途端、

突然この真っ白空間に拉致されたわけでーーす。

なぜかクロトさんも拉致されて一緒に来てまーーす。


どう言うことかしら?


キョロキョロと白い空間を見回していると、

上からキラリキラリと、光る何かが降ってきた。

そうしてそのキラキラは人の形を成して微笑んだ。


形を成しているだけで、お顔は見えないけれど…この方めっちゃ美人だ!!


『初めまして。私はこの世界の一柱、

 女神ユルリリィ。

 血の流れ無い平和な世界を望むものです』


私は一礼をして挨拶を返す。

「女神ユルリリィ様、私は麻生 要です」


『麻生様、この度は突然の転移となり、本来なら早急に案内しなくてはならなかったのですが、遅くなってしまい申し訳ありません』


麻生様だと……

ジジイ神(仮)……では、ない?ような?


「では、教えてください。私はどうしてこの世界に転移したのでしょう?」


『転移直前の記憶は?』


「ありません」


女神さまはゆっくり頷くと、私たちの前にテーブルとイスを出してくれた。

席に座るように促され、

私とクロトさんの前には湯気を立てる珈琲、ウハハの前には果実水を出してくれた。


珈琲のスモーキーな香りが広がる。

いい匂い…

珈琲の香りを堪能していると、少しづつ落ち着いてきた。

一口、口に含む。美味しい。


ユルリリィ様がゆっくりと話し始めた。


『少し長い話になります。

 この世界には、この世界とは異なる世界から周期的に魂が渡ってきます。

また、この世界から異なる世界に行く魂もあるのです。

 そうして、世界を渡ってきた魂は、前世と言われる世界の記憶や特性をほんの少し残して 

新たな世界の生物として生まれ、生きて行くのです。 

 そうすると、各世界に少し新しい風が吹きます。

風が吹くと、この世界が揺れる。

揺れると新たなものがこの世界に生み出されます。

思想も、想いも、発明も、進化も、退化も』

なんか話が壮大?…っと思っていると、女神さまと目が合った。


『麻生 要さんは、その前世の記憶と特性を持った魂でした』


!!!え?そんな記憶とかなかったけど…

私は目を丸くして固まった。


『孫の優さんは小さい頃、生死の境を彷徨いませんでしたか?』

「え?優くん…身体は少し弱かったけど、別に…

いえ…そう言えば。

2歳の時高熱が続いて…原因不明で今夜が峠と言われた事が…

翌日起きたら元気になっていて、後遺症もなく…お医者様は奇跡だって」


『そうです。孫の優さんの本来の寿命では、その夜の峠は越えられなかった。そう、終わりを迎えていたはずなのです。その命を繋いだのは、麻生様、あなたです。

お孫さんのために魂に残っていた特性の力を使い、治癒した。

魔力の無い世界で、本来なら不可能だった。でもあなたは自分の命を魔力に変えた。麻生様の命を削り、成した奇跡だったのです。』


「でも、私はそんな事をした記憶も、方法も知りません。それにその後も普通に生活をしていましたよ?」


『優さんの手を握り祈りませんでしたか?この子が元気になりますように。自分が変わってやりたいと心の底から祈りませんでしたか?』


「は…い…。あの時…あの子の小さな手を握って必死に必死に祈りました…」


ユルリリィ様はコクリと頷いた。

『本来あなたの寿命は97歳でした。

45年分の寿命を対価にし、そして残った寿命が3年』


……死んだのか…そうか、私、死んだのかぁ…

「…そっか…そっか…

あの奇跡は私が起こしたのか……

私、優君を助けれたんだ。良かった。」


クロトさんは私の頭を優しく撫でてくれる。

そんなクロトさんの目を見て、私は微笑んだ。


「うん。教えてくれて、ありがとうございます。ユルリリィ様。」


相変わらずお顔は見えないが、ユルリリィ様は慈愛の籠った表情で私を見ている様に見える。


「孫に囲まれた人生は後ろ髪を引かれるけれど、優君のこれからの人生の代価としてなら、何ら問題ありません。むしろ良かった」


ユルリリィ様は頷き、私に手の平を上に向けた右手を差し出した。


『あなたのその献身に心打たれ、月の神があなたを愛し子としてこの世界に呼び寄せたのです』

女神さまの掌の上に球体の月夜の幻影が映し出される。

幻影はゆっくりと私の頭の上に移動した途端、

キラキラと煌めきを私にふりかけ空気に溶けていった。

キラキラ……?


「え…っと、月の神…私のステータスに介入していた方は月の神様ですか?

その神様はどちらにいらっしゃるのでしょうか?」


ユルリリィ様はフルフルと頭を振り、

『それは…あなたのステータスに介入していたのは、月の神ではありません』


「違う?え?でも…ユルリリィ様でもないですよね?」


ユルリリィ様はコクリと頷き、

『月の神は寿命を終えるあなたを迎えるべく、月の神の眷属である

星の子達を待機させておりました。あなたは深夜に亡くなる予定だったのです』



『ですが、その半日前にあなたは太陽の使者によって命を終えました』


「…え?私、殺された…?」


『……いえ、貴方は太陽の使者が導く予定の魂の死に巻き込まれました。』


は?…私は考えながら…女神さまに説明をお願いしてみた。

「端的には?」


『え…と…あなたの斜め前を歩いていた女子高生が交通事故にあい、女子高生の持っていたスマホがあなたのこめかみにぶつかり、よろけた所を違う車にぶつかられ亡くなりました。』


私は眉間に皺を寄せ目を瞑り…

よし深呼吸…フゥ…

1……2……3……4……5……6……


目を開け、ユルリリィ様を見て叫ぶ。


「最悪じゃない!!」


ユルリリィ様はコクコクと頷き、同意しながら語る。


『太陽の使者も事態を重く見て、女子高生の魂とあなたの魂を連れて行こうとしたのですが、麻生様はすでに月の神の愛し子になっており…

太陽神の眷属である太陽の使者では対応できず…

昼間は星の子達は力が半分も出せずに、どうにか麻生様のお身体を小さくすることで転移させました。魔力の多いジャルの森までしかお運び出来ず、その後は結界で麻生様を保護しました。

星の子達は、力を使いすぎて消えそうになっている者もいて。

月の神がすぐさま治療にあたりましたが…今は月の神は力を使いすぎ眠っております。しばらくは…そうですね、数年は目覚めないかと。申し訳ありません』


「じゃあ…あのステータスのジジイ神(仮)が2週間待てと伝えてきたのは…」


『………ジジイ神(仮)?

……えぇ……えっと…太陽神の眷属です』


「眷属ってステータス弄れるんですか?」


『神に近しい眷属には、それなりの権限がありますので……

ただ今回の事を受け…昨日、その眷属は降格されました。

2週間とは自分の処罰が下される日までの事だったのではないかと』


私は焦ってユルリリィ様に嘆願する。

「え!!イヤ…あの…悪いことはされてないんです!!

なんというか無茶苦茶だけど…文句は言ってやりたいけれど…

ずっと…私の事、気にしてくれてたみたいで…ウハハとか授けてくれたし。


ステータスオープン


えっと、

ほらココ見てください!!ステータスの備考欄に毎日メッセージが来てて…昨日なんか家族ができて良かったって来たんです…

なんか、毎日見守ってもらって、アドバイスくれてて…心配してくれてて…

これもう友達みたいだなぁーーーって!」


『麻生様』


「もうジジイ神(仮)と、こうしたやり取りできないの寂しいなーーって。

私は、巻き込まれたって言っても、半日なんて誤差の範囲だし…

月の神や星の子達には迷惑かけちゃったけど…やっぱダメですか…?」


『そのメッセージは眷属に頼まれ、私が入れさせていただいたものです』


「はぃ?」


『彼女は昨日処罰が下され、ステータスに関与できる権限が無くなりましたので、彼女に頼まれた私が彼女の言葉を入れさせていただきました。

今後は、そのようなメッセージのやり取りは出来なくなります。

彼女は、今回多大な迷惑をかけた月の神のもとに眷属替えさせられました。太陽神の右腕と言われた優れた能力の者です。今は眠ってしまった月の神の仕事の多くを引き継ぎ、月の神の代理として上手く差配してくれるでしょう』


「………はい」


『大丈夫です。そのうち会えますよ』


「わかりました。楽しみに待っています。ちなみに眷属の方、女性だったんですね。私ジジイ神(仮)って呼んでました」


『では、彼女の事は”ジジ”とでも呼んであげてください。きちんと自己紹介ができたら名前でお呼びください。

”ジジ”と呼ばれることを彼女は存外喜ぶと思いますよ』


「はい!!待っているとお伝えください」


ユルリリィ様は微笑んだように見えた。



「ユルリリィ様!!私、この世界でやらないといけない事とかあったりしますか?」


『この世界を楽しんでください』


「それだけですか?」


『そうです。あなたの家族になられた方も、前世の記憶と特性を持っております。』


私とクロトさんはビックリしてお互いの顔を見合わせる。

「俺が……前世持ち……」


『クロト様は心に大きな蓋をしている様で…ほとんど思い出せていないでしょうが、カナメさんが居れば大丈夫です。


クロト様もカナメ様と一緒にこの世界を楽しんで。

そして愛し子をよろしくお願いいたします』


クロトさんは大きく頷き、

「はい。全力で守ります。」

その言葉を聞くとユルリリィ様はホッとしたような表情になり、にこりと笑ってキラキラしだした。


そして気が付くと、私たちは教会の礼拝堂の椅子に座っていた。


ざわざわざわざわ……


耳に周りの音が戻ってくる。

「カナメ」

クロトさんに呼ばれ、私はニカッと笑った。


「この世界を一緒に楽しみましょう」


私の言葉を聞いたクロトさんも、目尻にシワを寄せ笑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
前世の物価や五十代で孫がたくさん居るっぽい描写から昭和後期~平成初期位かと思ったらスマホか。 まぁ前世含めフィクションだし突っ込みは野暮か 物価高のせいでちょっと前の作品読むと「⚪⚪が銀貨何枚だから何…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ