15 孫たちよ 婆に父ちゃん 出来ました
「一緒に住むか?」
いきなりプロポーズ?
ドキドキドキドキ
クロトさんと晩御飯を食べに、西区にある卵料理が有名なお店に来ている。
オムレツ美味しい最高だった!!
食後に珈琲を飲んでいる←今ココ!!
えっと?どういう事かな?
「仕事を辞めてきた・・・だから一緒に住もう」
んんんんん・・・・・・・えぇ?ヒモ宣言ですか?????????
困惑中の私は首をかしげながら、クロトさんに
「・・・・・幼女趣味?なの、か、しら?」
クロトさんは目を点にして焦り始めた。
「!!!ちっ違う!!!えっとそうじゃなくて・・・あー・・・」
言い淀みながら、顔を赤くしモゴモゴと、
「俺が」
「うん」
「カナメの父親変わりと言うか」
「う、ん?」
父親?思いがけない言葉が出てきた。
「だから・・・その、家族に成りたいって言ったら嫌か?」
モゴモゴ・・・真っ赤な顔のクロトさん。
「嫌ならいいんだけど、その」
「......」
「ほら、一緒に居たら錬金術も教えてやれるし・・・」
「......」
「家族なら何かあった時、守ってもやれるし・・・」
「クロトさんより年上だよ」
「見た目は子供だろ・・・だから、親がいた方が良いだろ」
私はうーーーんと考えながら、
「大きな子供出来たら、結婚できないよ?」
「いや、大きくねー・・・と言うか、結婚はしない」
しない?なぜ・・・?私が考えていると
『ウハハ!!ウハハ!!』
ウハハが自分も!!って主張してきた。
今まで大人しかったのに。
クロトさんの肩に飛び乗って、
『ウハハ!!ウハハ!!』
と、みよーーーーんと縦に伸びては戻りを繰り返す。
「ウハハも一緒?家族になるってこと?」
私がウハハに尋ねると、
「そんなの当たり前だろ。カナメの従魔なんだから」
クロトさんは当たり前だと受け入れてくれる。
あぁ、やっぱり良い人だ...........でもこの確認はしておかなくちゃ。
「お財布は別でいい?」
一緒に住むのに一番大事。
私は膝の上で拳を握りこみ、クロトさんに向き合って真剣に聞いた。
お金の話がキチンと出来ない人とは一緒に過ごせない。
元旦那と別れた理由。
クロトさんはキョトンとしたあと、当たり前だとばかりに言った。
「俺の財布は家族の皆の分。
カナメの財布はカナメの分。
父親に成りたいって言ってんだから、基本俺が出す。子供の金は将来の自分のために取っておけば良い」
ひぇ!!モジャモジャヒョロヒョロのクロトさんがメッチャ良い男に見える。
こういう考えが自分と合う人は貴重。
「仕事辞めたのに?っていうか、さっきの今で辞めれたの????」
「あぁ。医者に行って当たり前に過労の診断が出た。療養が必要ってな。
診断書は、明日片付けついでに持っていくよ。仕事に追われて踏ん切りがつかなかっただけで、遅かれ早かれ、あのままだったら潰れてただろうしなぁ。」
クロトさんは窓から見える月を見るように、遠くに視線をやって、すぐに私に向き直り、
「あぁ、生活の心配はするなよ。俺これでもいくつか特許持ってるし、錬金の指名依頼も腐るほど来るから、金には困らない。カナメとウハハにいくらでも貢いでやれる(笑)」
貢ぐな貢ぐな・・・私は呆れた顔をしていたのか、
クロトさんは私の頭をよしよしと優しくなでて、
「家に帰れないような仕事じゃ、家族になろうなんて言えなかったからな、辞めれてよかった。」
目じりに皺をよせながら言う。
「なんか、クロトさん、子育てする気満々ですが」
「するぞ!!子育て。弟子育て!!」
私はクロトさんに育てられ、ニョキニョキ伸びる自分を想像して笑ってしまった。フッフフフ。
「お返事、明日まで待って貰っていいですか?明日例の人(?)に会いに行くので」
「例の人?とは?」
そう、明日転移してようやく2週間経つのだ。会いに行かねば。
私はこくりと頷き、クロトさんと向き合った。
「はい、2週間経ったら教会に来るようにと…
なぜ私がココに来たのか。それによっては、
クロトさんの…ご迷惑になるので」
「もし魔王を倒せとかでも、付いていくからな」
クロトさんは間髪を入れず口をはさんできた。
「なんたって、無職だから。自由に動ける」
「そこは冒険者だからとかじゃないんですか」
「ただの冒険者で、錬金術師で、カナメの師匠で家族候補だ!!」
「なんかクロトさん、吹っ切れた感じが潔い。フッフフフ」
「因みに魔王との勝算は?」
「そうだな……魔王存在しないしなぁ・・・」
「豪腕のスパイクでしたっけ(笑)に勝算は?」
「んん.....俺アサシン系だから秘密裏になら100%いける。」
アサシン!!
忍者ですか!?
私は目がきらめく。
忍者!!家族が忍者!!忍者が父親!!
私はクロトさんの手を両手で握りしめ、
「よろしくお願いします!!家族になりましょう!!」
クロトさんは嬉しそうに破顔した。
「服部半蔵様!!」
クロトさんは笑顔のまま固まった。
「誰それ?????」




