36話 デッカッドーは寒くてあったかい
「実は何人か職人や料理人を用立ててほしい。」
「どういうことでしょう。」
「実は、今すんでいるカナンで無職のノービスたちがいるんだ。講師役が今ほしい。
そこで、この文化的な状態の技術を教えてほしいってお願いだよ。」
腕を組み考える。
「もちろん問題はありませんが、なにか移った際の保障などは?」
「もちろんある程度の給金は払いますし、一時金はさきほど渡したお金から、あとさきほど渡したお金は、
その希望者を集める広告代だと思ってくれ。」
ふむと腕を組みながら考える。
「もちろん住む場所も提供させていただく。悪い話ではないはず。」
ただし、何人この提案にうなずいてくれるだろうか。慣れ親しんだ街から離れるわけである。
いくら時空士に頼めばすぐこちらに戻ってこれるといっても、時空士に毎回頼むにもお金がかかるわけだから、
そうほいほいと戻るわけにはいかないだろう。
料理事情は実際首都プロローグでは、厳しい。
なんだかんだいいながら、みな結局独自で自炊しているのが現状だ。
香辛料やマヨネーズ、基本的なものはそろっているので少しなにかきっかけがあれば、一気に色々な
ジャンルが出るはずである。
食に関する欲望は日本人の右に出るものはいないと思っている。
「わかりました。いいでしょう。一週間ほど時間をください。」
うちの技術を盗ませてなるものか!っといわれなくてよかった。
領主と握手を交わし、シュラの国を後にした。
「っというわけで、一週間後には何名かくるはずだから、いろいろ頼む。」
とりあえず丸投げをしてみた。
「いえ・・・すいません意味がわかりません。」
魔族の一人である、マルスが手を上げる。
「まあいいや。細かいことは俺がもどってきてから指示すっから。まずは適当に…そうだな。広い敷地をさがしてきてくれ。
空からみればすぐわかるだろ。お前ら羽あるし飛べるし。」
「わかりました。」
そのまま出て行く3人。
「ノービスの件はボチボチだな。おっとそうだ。マグマ」
「はい?」
ゴロゴロしながらマグマにたずねる。
「お前、何レベルになった。瀕死モードでも経験値はいるんだぞ。」
「え!?まぢですか?!ステータス。」
名前:マグマ
職業:ナイト
レベル:99
HP :7000
MP :4000
力 :8000
器用:7000
速度:12000
強度:4000
運 :4000
「なんじゃこりゃぁ!!」
あきらかにヒロインの台詞じゃない。
「当たり前だ。お前がもらった経験値は最上位職のレベル99で、さらにあいつらたぶん賞金首にもなっているはず、
クエストボーナスとかも入ってるからナイトぐらいだと一気にカンストだ。」
「おおおおおお・・・・。」
なにか感動に打ち震えている。
ただ、実際マグマの今の実力だと次の段階にいっていいレベルであることはたしかだ。
キースとゴランのプレイヤースキルが低すぎるとおもえるぐらいに。
「っでマグマ。ここで選択肢ができたわけだ。」
「選択肢???」
ああ、といいながら立ちあがり目の前にいつのまにか出したホワイトボードに書き込む。
いつの間に出したんだろう。
「まずナイトは上位職となっているのはわかるな?」
コキュコキュとナイトと書く。
「はい。」
「この後転生をすることになる。」
ナイト⇒転生⇒転生ノービスと書く。
「するとこのノービスから新しい派生が出来上がるんだ。」
ナイト⇒転生⇒転生ノービス⇒ハイ剣士⇒ナイトジェネラル
「ここからが本番。」
ナイトジェネラル⇒ナイトロード
ナイトジェネラル⇒ナイトガーディアン
「つまり二つ選べる。ナイトロードは攻撃特化、ナイトガーディアンは防御特化だ。」
にやっと笑いながらマグマにたずねる。
「さあマグマどちらにす…」
「ナイトロードに決まってるでしょ!」
「おう~。」
即決だった。
まあ、今のマグマのスタイルからするとそうだろう。
ガーディアンになってしまうとゴランとかぶってしまうから妥当といえば妥当だ。
「あと転生すると少しだけ普通のノービスより強いけど弱いものは弱いからな。転生どうする?」
そう、今転生してしまうと今回は一緒にいけなくなるのだ。
さすがに危険がある場所をノービスをつれていけない。
「ここに残って…せめてナイトジェネラルになるまでドクロさんを待つよ。」
うん。っと笑顔でうなずくドクロさん。
「よし、マグマは今回お留守番だ。ちゃんとレベルあげしとけよ。ノービス装備も絶対に忘れるんじゃないぞ。
あと剣士用の装備もそのままあずけといてやるからしっかり使え。」
「うん。わかった。強くなっているからね。」
ニコニコしながらマグマ。
「今回は、マグマ抜きでいくが…。まあ前衛はおれがやる。司令塔は姫。お願いしていいか?」
おとなしくしていた姫が口を開く。
「うん、まかせて欲しいの。」
にこっと笑う。
「よし。じゃあそろそろ行くか。予定通り『デッカッドー』にいく。」
「「「はい!」」」
今度はちゃんとまともな国だといいなぁ。
失敗した。
本当に失敗した。
さっき自分で冬っていったじゃん。
めちゃめちゃな雪国だった。
吹雪いてます。いい街かいい街じゃないか以前に吹雪いてます。
あたり一面真っ白だった。
東北なめててすいませんでした。とこころで謝りました。
「スキルのフィールドで変えちゃうの?」
姫がなにかいってる。
「うん。よろし・・・いやいやまずいわ!あかんわ!」
ついお願いしてしまうとこだった。
「とりあえず街の中に入るぞ。」
もちろん街の中に直でポイントしているなら入ることができるのだが、街の入り口で設定していたようだ。
ゲーム時代の頃は街の中にポイントをするメリットはほとんどない。
なぜならあくまで街の中では、露天を見るぐらいしかないため、そのまま街近くのダンジョンにいくのがセオリーだからだ。
そのセオリーのせいでわざわざ身分証をみせないといけないわけだが。
「とおっていいぞ。デッカッドーへようこそ。」
みんなきっちり持っているため、入る分には問題ない。
中に入るとあたり一面真っ白ではあるが、ところどころに街の明かりが見える。
ここは特に問題が無いのか、街々に活気があるように見える。
街全体に結界らしきものがあるせいか、屋根に雪が積もってはいるものの、入った瞬間吹雪いていた
雪がやんだ。
「おお~。なんか落ち着いた気がするな。」
とてとてと小さい男の子が近づいてくる。
「やあにいちゃん!他所からきたの??どこからきたの?」
好奇心旺盛そうな小さな男の子だ。髪はおかっぱで耳あてをつけ、ダッフルコートをきている。
「ああ、だから最初に領主様に挨拶にいこうかな?って思っているんだ。」
バッカーノが答える。おもったより理知的な返答である。
「みんな~!他所からきたんだってさ~!!あとなんかやっぱ怖い人たちじゃないっぽーい!」
そうすると何処からゾロゾロと子供たちがでてくる。
7名ぐらいいるだろうか。みんなさっきあった子と服装は一緒だが、男の子だったり、女の子だったりする。
「「「ようこそ!デッカッドーへ!」」」
なんかきっちり挨拶された。人懐っこいのは風土のせいだろうか。
今度はゆっくりゆったりできそうな予感がし、子供たちに領主の家を案内してもらうことにした。
「ねえねえ!どっからきたの?!」
「ねえねえ!南の方って雪ふらないって本当?!」
「おねえさんお姫様みたい!お姫様みたい!」
案内をしてもらいながら一つ一つに答える。
「あっちの首都プロローグってとこかな。」
めんどくさそうに答えるドクロさん。
「降らないってわけじゃないけど、本当にごくまれにしか降らないよ。」
まじめに答えるバッカーノ。
「内緒なの。姫は姫なの。」
なんか余計なことをいってるせいか、女の子たちは姫をキラキラした目で見ている。
そんなこんなしているうちに領主の館についた。
場所はやはり中央にあったので、実は子供たちに案内してもらう必要はなかったが、まあ話の流れ上、子供たち
に案内してもらう形になった。
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