34話 キースとゴランとブレイブ3
作戦というか試験の内容は簡単にいえばこうだ。
1.ノービスを脅す。瀕死にしてもいいし、お金を奪ってもいいと脅す。
2.瀕死用装備をしているから死ぬわけではない。
3.瀕死の後、ギルドマスターが登場。
4.脅しに屈しなかった場合は合格、屈した場合は再試験。
概ねこんな感じだ。
お遊びの一環に近い。
不合格がない以上、このノービス達は「黄金の剣」に加入はするのだろう。
それぐらいのノリはないと受け入れられないという無言の言葉に聞こえるように見える。
まあ、ぶっちゃけた話、ノービス達は瀕死装備もしていなかったし、実質は自分たちを仲間にするつもりも無く、ノービス達を厄介払いをしようとたくらんだ作戦の一つだったのだろう。
結果的にドクロさんたちに止められてしまったわけだが。
そうこの話は、その後、説教後の話である。
「さてと、お前らにお願いすることは、一つ。」
指を一本立てる。
「そこの筋肉はモンスターを持ってくる。っでそっちのキタローはとにかくマグマに支援スキルをする。」
ニッと笑いながら、腰に手を当てて説明をする。
「簡単なお仕事だろ?それで無罪放免だ。」
「はっ・・・はあ・・・。」
「返事が小さい!!」
「「はい!!!」」
「んじゃそこの筋肉はいってこい。ここらにデリボーがいるからそれでいいや。」
デリボー:
イノシシ型のでかいモンスター。
攻撃力が高く、突進力も高い、ただし見た以上に経験値が高く人気なモンスター。
お肉もジューシー。
「え。」
そう、このデリボーは実質、ハイウィザードが後半ぐらいで狩るモンスターである。
しかも二人で戦ってギリギリ。
ソロで戦うモンスターではない。つまりそれを持って来いといってるのだ。
「どうした?たかがデリボーじゃん。」
しぶしぶ無言でデリボーを探す。
するとすぐ見つかった。
まあ実際つつかない限り、比較的温厚なモンスターの為、結構いる。
「てい。」
一発殴ると怒り狂い、ゴランに襲い掛かる。
ぐおおおおおお、力と力が拮抗する。
普段であれば横からキースが魔法で倒して終わるパターンだが。
いかんせん今はキースはいない。
「だ・・・め・・・もた・・・無い。」
そのまま、押し切られて・・・引かれる。
瀕死モードに。
そのまま満足げに去るデリボー。
「なにやってんだお前。」
あきれた顔で覗き込む、ドクロさん。
「バトルマスターでデリボーに負けるとか。お前、養殖?」
養殖とは、俗に言うと強い人にくっついてレベルと職業だけをあげた、レベルは最強、中身は初心者をさげすんだことである。
そして、呆れ顔で回復してもらった。
「はあ・・・まさかここまでとはな。ある意味初心者ってことか。あっちも・・・ひどかったしなぁ。わかった。ちょっとスキルステータス教えな。」
いわれたままにスキルステータスを開示した。
スキルステータス:
<拳スキル>
パワーパンチ
手刀
<防御スキル>
払い
投げ
つかみ握り
パリィ
流し受け
廻し受け
魔法流し受け
魔法廻し受け
奥義廻し受け
剣廻し受け
カウンター
超カウンター
<パッシブスキル>
HPアップ
筋力アップ
瀕死モード
「もろっくそ防御よりだな!だが・・・ほほう面白いな。普通はガーディアンが盾をするんだが、これはこれで・・・。」
何かを関心しながらうなずいている。
「よし、もう一回デリボーと戦ってみろ。さっきやったのはキースを想定したつかみ握りを使っただろう?」
「そっそうです。」
「んじゃ今度ははらえ。」
「え?それですとあの巨体だとはらうことは無理なんじゃ?」
「はらった後、掴んでみろ。ただし、発動方法ははらう瞬間に角にめがけて左手で「はら」次に、右手で「つか」。次にそのまますぐ放してみろ。」
半信半疑のまま、またグリボーの前に立つ、一発殴るとまた怒りをあらわにして突っ込んでくる。しかし、殴らないと反応しないとか三歩歩くとこいつら忘れるのだろうか。
「くっ・・・ハラッ・・・ツカ。」
角を払うとグラッとよろめき、つかむを使った瞬間、吸い込まれるように手元に角が戻ってきた。
そのあと、すぐ手を離すとグラグラっと倒れる。
そう柔道でいうところの崩しをスキルで体現したのだ。
わかりにくいが、スキルですると自動的に動くため、力が必要としない。
まるでスキルを発動しただけでグラグラと倒れたようにみえる。
「そうやって、崩しながらもってこい。初動が遅くなるからつれて気安くなるはずだ。ただ、相手もバカでも慣れてくるから、いろんなバリエーションを試してみろ。筋肉。返事は?」
「はいっす!!!それと筋肉じゃなくてゴランっす!」
力強く返事をする、そしてこれを皮切りにゆっくりとゴランの成長がはじまった。
その頃キースは。
「いきます・・・ファイア・・・エンチャント!狙いはマグマ。指先!」
指からスキルが留まり、マグマに走る。
「いきます・・・パワー・・・エンチャント!狙いはマグマ。指先!」
同じようにスキルが留まり、マグマに・・・。
「おせえよ!!!キタロー!」
ドクロさんの蹴りのつっこみが入る。
ゴロゴロと派手にふっとびほぼ瀕死状態になるが、そこはドクロさんだ。
うまいこと瀕死になってない。
「なんだそれは。やる気ないのかよ。キタロー」
「え~。魔法使いっぽかったよ~。」
横からマグマがなんかいっているが無視をする。
「なんだそのスキルの後に相手指定して指先ってのは。初心者かっ!」
「普通はそうですよ!なにがおかしいんですか!」
うわっとショックを受ける顔をする。
「うへ~。まじか。あのさ、スキル名をいうだけであとは認識をするもんだぞ。」
なにをいっているかわからないのかドクロさんに尋ねる。
「認識とは?」
「それもわからないか。つまり、今お前のやったのはファイアーエンチャントというスキルを発動。その後、マグマにかける。その後、指先に魔力を集める。って動きをしてるんだ。」
やはりよくわからない。
「あのなぁ。例えばスキル名をいっただけでファイアーエンチャントはもう発動しているの。つまりはお前がやっているのは変な順番でまわりくどいだけ。」
そういいながら地面に図を書く。
ファイアーエンチャント→スキル発動→指先に発動すると命令→マグマに飛ばす
「つまり最初から狙いを定めてファイアーエンチャントをすればいいってことだ。」
ファイアーエンチャント→スキル発動→指先ではなくマグマ自身
「もちろん目測を誤ると失敗する。お前がやっているのは線だから確実性はあるが遅い、おれが教えるのは点でやれといっているから失敗は高い。だが補助スキルなのだから、相手だって受け取りたいわけだ。そこはお互いフォローすれば問題ないってこと。」
「こう・・・ですか。ファイアーエンチャント。」
となえた瞬間、マグマが光る。
にやっと笑う。
「やれば出来るじゃねーか。続きするぞ。キタロー。」
「きっちり出来るようになったら、キースって呼んでくださいね。」
そして、狩りを続けていく。二人はやっと成長のスタートラインについたのだ。




