26話 神殿
扉の中に入ると豪華な部屋が。
天井にはシャンデリアがあり、赤いジュータンがしきつめられ、調度品はキラキラとガラスで出来ているのだろうか。カッティングがみごとだ。
また、椅子などもすべて高そうな木で作られているため、艶がある。
その真ん中に鎮座しているのが、天蓋つきの恐ろしくでかいベットがあった。
マグマが感想をいう。
「なんかさ。うちのギルドに入ったときと雰囲気が似ているね。」
そうマグマのいうようにかなり似ている・・・というより同じ製作者が作ったというのが正しいだろう。
「まああそこの最初のフロアはあいつが作ったからな。つかビンゴか。」
どうやらギルドメンバーの一人がここにいるのは確定らしい。
「スヤー。スヤー。」
ベットから声・・・というか寝息が聞こえる。
「誰かいますね。」
普通に反応するキース。ただ警戒はといていないようだ。
ウィザードロードだからだろうか。ここは魔力で満ち溢れていることを感じているようだ。
「いやな予感しかしない。」
独り言をいうドクロさん。
ものすごくいやな予感しかしないのだ。
(わたしいくね。ギルドメンバーなら危険はないよね?)
いつものパクパクと読唇術での会話をする。
(すまん。見てきてくれ。頼む。)
(了解。)
とてとてと歩いてベットに寝ている人物に近づく。
そしてペコペコお辞儀をした後、またマグマはドクロさんの下に戻ってきた。
「だめっぽい。なんというか王子様が声をかけないとおきないんだってさ。」
はあ・・・とため息をしつつ、
「キース。いけ。」
すごく意外な顔をして、必死に止めるマグマ。
「だめ!だめだめ!!!ドクロさんじゃないとたぶん駄目!むしろやばい!」
「お前絶対あいつ寝てないだろ。」
ぎょっとして手をパタパタする。
「んなことないよ!つかギルドメンバーなんでしょ。ドクロさんだよ。ドクロさんがいくの。新メンバーの二人で男がいたらもしかしたら危ないでしょ?顔知らないし。」
う~んっと少し考え込む。
「わかったよ。なんなんだよ。ったく。」
しぶしぶベッドに近づき顔を見るため覗き込む。
「スヤスヤ。スヤスヤ。」
口でいってる。つか普通寝てるやつがスヤスヤなんていわない。
「あいからわず・・・だな。やっぱお前か。ほら起きろ。声かけないと起きないっていうからきたぞ。」
寝ているのは、ものすごい綺麗な子だった。
寝ているのでもわかるが睫が長く、少し目はたれ目がち、肌は純白、髪も純白である。
白い綺麗なドレスを着ている。
100人中100人が美少女の定義にあてはめるぐらいだろう。
普通ならここでため息がでるとこだが、ある程度ゲーム時代にみていたこともあり、あまり感動はしなかった。
(性格がなぁ・・・見た目はいいのにな。)
っとおもいながら顔を近づける。
「しょうがないからきてやったぞ。聞いてるのか。」
っとさらに顔を近づけた瞬間、顔をガシッ!!!っとつかまれた。
ノータイムの動きでドクロさんでも反応することが出来なかった。
それはそうだ。口では『スヤスヤ。』とまだいっている。
「くっ・・・ぐぅぅぅ。なっなにを・・・」
力が妙に強い。パワー負けしてる!?ゆっくりと彼女の口にドクロさんの口が近づく。
見た目が美少女だが、口をとがらせて少しでもはやく口をあわせたいとなっている。
はっきりいってすごく台無しだ。
ギリッギリッ。少し力が均衡していたが寝ている美少女の方が強い。
「お・ま・え・な・に・・・」
ボソッ。
「姫はね。王子様の目覚めのキスでおきるの。」
「お・き・て・る・じゃ・ね・え・か。」
「まだ起きてないの。」
あと3センチというとこで、ドクロさんがスキル発動。
「ね・た・ふ・り・・・。」
すぽんっ!!っと手がすり抜けてドクロさんはなんとか逃げた。
「はふぅ・・・はふぅ・・・危なかった。ファーストキス危なかった。デンジャラス。デンジャラスだ。」
純な高校生にはキスはハードルが高すぎるのだ。
顔を近づけるのでも駄目。今のドクロさんの限界は学校で一緒に登下校するのが恋愛だと思うぐらいなのでこういうのは簡便してほしいのである。
「残念。でもドクロさんのファーストキスは私のだからね。」
むくっと起きる。
ニコニコと笑いながらそのまま、ドクロさんにジャンプする。
「ドクロさん。やっぱり来てくれたんだね。姫は嬉しいよ。」
パサっと受け止める。
おおおっと反応するパーティーメンバーたち。
「あれはどういうことですの?ラブラブなんですかね。キース殿。」
「どうですかね。マグマ殿。でも一番会いたくない。つまり一番最後に助け出したいとかなんなんでしょうね。思春期ですかね。」
ニヤニヤしながら生暖かい風を感じる。
「ああもう、離れろ。」
「ふぃ~~。ドクロさんの匂いなの~。ゲームじゃ感じなかったドクロさんの匂いなの~~。」
なんかクンカクンカされている上、すごい真っ赤にトリップしている。
「いいいいい。いいから・・・はなれろて!」
脇をもってそのまま離す。
恋愛ベタには抱きつかれるのも、クンカクンカされるのもハードルが高すぎる。
「匂いいただきました。うへへへへ。」
ぞわっとした。ちょっと怖い。ドクロさんの気持ち悪いモードに似てる。
「とにかく、とりあえず姫久しぶりだな。」
「うん。久しぶりなの。」
はっときづいて、三人とも近づく。
「あっわたし・・・」
話しかけようとするが・・・
「今はドクロさんとお話してるの。邪魔すると殺すの。」
ざわっと空気が変わる。
「「「はっはい・・・。」」」
空気を読まないバッカーノすらも黙る。
「あまり新人を脅すな。新人を大事に。お前も新人だった頃あったんだ。わかるだろ?ちゃんと挨拶ぐらいしてやれ。」
「はいなの!!ごめんね。よろしくなの!」
一変して、笑顔で三人に挨拶をする姫。
「姫。自己紹介。」
「はいなの。ギルド『ルシアン』の姫なの。名前も姫なので姫なの。職業はプロフェッサーなの。よろしく~。」
ぺこりとフカブカとお辞儀をする。
「あとは~・・・。ドクロさんの許婚で。ドクロさんとは私と一心同体で。ドクロさんは私の夫で、嫁で、フィアンセで前世の恋人で、結婚もして・・・子供もきっちり生んじゃう関係で・・・あとはあとは家は小さくてもいいの。でも幸せで子供も2人。1姫2太郎がいいっていうけど、そうすると夫婦の時間が減っちゃうのは駄目なの。だから・・・」
トリップしだした。
無駄に赤くなりながら、ちょっとクネクネして可愛いのが怖い。
しゃべってる内容をスルーすれば可愛い・・・のだが。
(うひぃぃぃ・・・怖い・・・いろんな意味で怖いよ・・・もしかしてドクロさんに触っただけですごく豹変しそうなタイプだよ。)
(やばいですね。これヤンデレってやつじゃないですか?)
(ぼくもわかるよ。この子は絶対にかかわっちゃいけないって。)
(寒気がした。どんな攻撃を受けてもこんなことがなかったはずなのにっす。)
チャラリラリーーーン。なにか聞こえない音が聞こえた。
やったね!ゴランもバッカーノもキースも読唇術で会話が出来るようになったようだ。
「ああ、もういいから。つか結婚なんかこの年齢で考えられるか。バカ。」
((((うひいいいいい、やめて!怖いって))))
「にゃ~ん。そのそっけない態度がすきですの。」
めっちゃ目がハートになっている。
大丈夫のようだ。
恋は盲目なのか、はたまたこれが特殊なのか。
肩をなでおろす三人だった。
「それよりもあのガーゴイルはなんなんだ?」
「ガーゴイルですの?あの『ないわ。』系ですの?」
「おう、それだそれ、もしかして現実になってスキル構成がちょっとかわった。」
ああ、っと思いだしたかのように答える姫。
「そうですの。その件でギルドマスターにお話しなければいけない件がありますの。」
まじめな話になりそうだ。
どうしても変な女性が多くなってしまうのはしょうがないです。




