15話 街攻防戦3
別宅の前には、200人ほど集まっていた。
さきほど並んでいた傭兵をあわせると300人ぐらいにはなるだろう。
戦力になる、ならないは別として「ブリュンヒルデ」から逃げてきた人たちもいるわけだ。
しかも今回は奇襲を受けるわけでもない。
比較的気持ちの上では楽になるはずだ。
「お~、結構集まってるな~。」
中には、この世界の人間もいるようだ。
このゲームの自分たちの立ち位置は、魔族に襲われた世界を助けるため、世界神が冒険者という人たちを送り込んだ。
っというのが設定である。
宗教的にそういった立ち位置でもあるため、自分たちに嫌悪や、憤りなどの感情はほとんどぶつけてこない。
ただ、この世界の人間は基本的には弱い。
せいぜい鍛えたところで、普通の魔族と戦えるぐらいが関の山だろう。
「ドクロさん~。なんかすんげー勢いでこっちにくる人いるよ。」
「ひゃぁっはぁーーーー!!!!」
忍者みたいな・・・忍者の格好をしてカタールを両手に装備したやつが突っ込んでくる。
「ソル!!カッターー!!!」
「うにっ!」
ガキッっと二つの剣をクロスさせ、一気にはじく。
「ちょっなにすんの!?」
いきなり攻撃され、さばいたマグマが文句をいう。
「二段スキルに反応したねぇ・・・。やるじゃん?」
グフフフと黒い笑いをしながらしゃべりかける忍者の人。
「おまえもきてたのか。「ちょっとそこ通りますよ。」よ。」
「やっふふ~、ちょっとなんか面白そうな子いたから試したよん。」
黒い雰囲気が霧散し、明るい返事をした。
「なにこの戦闘狂の人。」
いきなり攻撃されたのか少しふてくされているマグマ。
「いったじゃねえか。名前は「ちょっとそこ通りますよ。」って名前だって。」
「ぶふっ!!!なんでそんな名前なの?!」
ふふんっと胸をはる。
「個性?それよりもドクロさんなにそれ。それあれじゃん?ネタキャラじゃん?なんでネタキャラ??いつものメインは???メイン出してよ。メインと戦いたい。」
いきなり勝手なことを言う忍者の人。「ちょっとそこ通りますよ。」は空気を読まない人だ。
「しらねーよ。そんなキャラ交代なんかできるわけねーだろ。おまえ出来るのかよ。」
「出来ないかな~。でもドクロさんならできそうじゃね?じゃね?」
まあとにかくうざいやつではある。
ただ、今回に限ってはありがたいやつでもある。
「ドクロさん~。この忍者なんかうざくない???」
「ア”ア”ッ???今忍者いったか?」
めちゃめちゃ切れた顔で、マグマを見る。
「たかだか一撃とめて、しかもナイトの分際で生意気じゃね?よええくせに生いってんじゃねーぞコラ?」
「ふ~ん・・・じゃあ忍者さん強いの・・・?」
なにか見えない花火みたいのが二人の間にとんでいる。
「おい。やめとけ。あとマグマ。あやまれ。」
「・・・?!なんで私が?!」
「いいから。たぶんお前じゃまだこいつに勝てないし、あとこいつに忍者って禁句だからしょうがないだろ。」
「あっ・・・いっちゃだめだったんだ・・・「ちょっとそこ通りますよ。」さんごめんなさい。」
あやまった瞬間、忍者の人が一瞬にして軟化する。
「許す!なんかあんたいい感じだし、っつか二刀流なのね。今後に期待だし。まあその時がきたら楽しく戦おう。」
ニコニコと笑いながら握手をする「ちょっとそこ通りますよ。」とマグマ。
「しかし、まあ「ちょっとそこ通りますよ。」がいるのはでかいわ。ランカーがいるらしいぞ?」
「まじっで!?ゲーム時代はランク25位いたけどまじやばかった!!ギリギリだったんよ!」
まあなんのかんのいいながらランカーと戦える人材がいるのは心強い。
あと3匹なんとか抑えることが出来たら、と思う。
「そうそう、あっちにスノウ姉妹もいたよ。」
「おおお!そうか!こりゃいけるかもな!!」
マグマがチョンチョンっとドクロさんの肩をつつく。
「スノウ姉妹って?」
「おお、そか、踊り士ってのがいてな。その中でも最上位職のダンスマスターになって、さらにシメントリーに踊ると倍以上のスキル効果出すんだ。」
「まあダンスマスターが踊ると、攻撃力、防御力とかがアップするわけだ。」
「その中でスノウ姉妹は別格だ。あいつらが踊るとほぼどころかシンメトリーでおどるため、あいつら自身に踊っている間、物理攻撃、魔法攻撃、スキル攻撃すべて無効化するっていう極悪っぷりだ。」
「あいつらと戦ったが結構つらかったな。普通に5時間ぐらい踊るからなあいつら。」
まあとにかくあそこに集まっているやつらに挨拶は必要だろう。
「お?君たちも参加するのか?高価そうな装備だし、助かるなぁ。」
キースやゴランをみて口々にいう、
その後ろにいるドクロさんをみて、不思議な顔をするがまあ参加は自由だろうということで、あえてふれる人はいなかった。
「おっと聞いたよ!「ルシアン」も参加してくれるんだって?!」
「本当かい!?攻城戦であうと死神にしかみえないが、こう仲間だとおもうと心強いな!!」
口々にいろいろいいつつ、キース、ゴラン、マグマを褒める。
「チッ・・・攻城戦が強いからって強いとはかぎらねーだろ。」
「なんだよ。一人はナイトじゃねーか。つつけば倒せるんじゃね。」
など多少のやっかみがあるがほとんどが上々のうわさが多い。
「静粛に!!!!!!!!!!!」
大音量が響き渡る。
さきほどの領主が壇上にあがり大きな声をはりあげている。
なにかしらのスキルだろうか。声は後ろまで届いてるようだ。
「ここ首都「プロローグ」の危機に集まっていただき、感謝する!!!!」
おおおおお~!やまかせろ!などの声があがる。
「もちろん、無事魔族を撤退、倒すことができれば報奨金などは大目に用意してある!!!」
よっしゃ!!稼ぐぞ!!などの声があがる。
「ここにいるカナンからの支援で「ルシアン」も参加してくれているため、まず勝利は間違いないだろう!!」
おおおおお~!まじかよ!っという声もあがる。
「戦いは約1週間後にこちらに到着すると予想される!場所はここから南口の門で迎撃予定となる。それまでに準備をしてくれたまえ!のちほど支度金も配らせてもらう。どうぞ、この首都「プロローグ」のために!!よろしく頼む!」
おおおおおお~!!!300人以上の勝鬨の声があがり、士気は上々。
あとは、1週間後に向けて用意と、作戦のみとなった。




