↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第九王子は今日もスローライフ〜のはずが魔族と戦うことになりました〜  作者: KiedeJWL


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/21

序章 トラックと女神様

第九王子のスローライフ?のようなストーリーです

 結論から言うと、俺は死んだ。


 高校の帰り道、コンビニで肉まんを二個買って、その場で片方を食べながら歩いていたら、信号無視のトラックが突っ込んできた。運転手が居眠りをしていたらしい。最後に見たのは、フロントガラス越しに驚いた顔をしたおっさんだった。


 痛みは、なかった。


 気づいたら、俺は真っ白な空間に立っていた。足元も壁も天井もない、ただ光だけがある場所。そして目の前には、やたら綺麗な女性が浮かんでいた。


「ようこそ、狭間の間へ。あなたは今しがた、トラックに轢かれて死にました」


「……あ、はい。知ってます。当事者なので」


「冷静ですね。気に入りました」


 女神様(自称)は、にこにこしながら手をパチンと鳴らした。すると空中に、まるでゲームのステータス画面みたいな半透明のウィンドウが浮かび上がる。


「あなたのような、志半ばで命を落とした魂には、二つの道があります。一つは、そのまま輪廻の輪に還ること。もう一つは――異世界に転生して、第二の人生を歩むことです」


「異世界、ですか」


「はい。剣と魔法があって、竜や魔族がいて、そういう世界です。テンプレート的で恐縮ですが」


 女神様は悪びれもせずそう言った。この人、絶対に何百人もの転生者にこの説明をしてきたな、と俺は思った。


「転生していただくにあたって、一つだけお詫びがあります。手違いで、あなたの魂のエネルギーの大半を、輪廻のシステム維持に使ってしまいました」


「はい?」


「なので、今回お渡しできる異能は、かなり控えめなものになってしまいます。ごめんなさい」


 女神様は両手を合わせて、拝むようなポーズをとった。控えめな異能。なんだかすでに嫌な予感がする。


「あなたは異世界のとある国の、第九王子として生まれ変わります。ただし王位継承権は最初から持たない立場です」


「王子……ですか。それは、すごい」


「継承権がないので、跡目争いに巻き込まれる心配はほぼありません。のんびり暮らせると思いますよ、たぶん」


「たぶん、が気になるんですが」


「異能については、生まれてすぐには発現しません。ある程度成長してから、ふとしたきっかけで目覚めることになると思います。何が目覚めるかは……私にも正確には分かりません。すみません」


 女神様は最後まで申し訳なさそうだった。悪い人ではないのだろう。ただ、仕事が雑なだけで。


「一つだけ聞いてもいいですか」


「なんでしょう」


「その世界で、俺は死なずに、平和に暮らせますか」


 女神様は少し考えてから、困ったような、それでいて優しい笑みを浮かべた。


「平和かどうかは、あなた次第だと思います。ただ――あなたには、人を惹きつける性質があるようです。良い意味でも、悪い意味でも」


「それ、どっちなんですか」


「行ってからのお楽しみ、ということで」


 そう言って女神様が指を鳴らした瞬間、視界が真っ白に染まり、俺の意識はそこで途切れた。

⸻

これからどうぞよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。