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猛虎龍之介  作者: 栗林
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第一六話,過去の遺物

國井婆さんに案内される事数十分。

一行はとある山にきたが…

「ここ、前に来た山じゃないか?」


「うむ、この登山道は前に通ったな」


「2人ともここ来た事あるの?」


「ああ、ここじゃ、ワシがこの野郎に記憶をぶっ飛ばされた山は」


「ありゃ事故でな…」

っと龍之にとっては嫌な思い出のある裏山である。

ここに國井婆さんも絶賛する、西の戦士と戦うには十分な秘密兵器が眠っているという。

それは婆さんの旦那さんが生前有り金はたいて復元したものらしい、要はこの前龍之達が見た龍…かとおもったら飛行機だったってやつだ。



婆さんいわくあれなら竜にのっている竜騎士やあるいはジャンプして攻撃してくるファイナルフ○ンタジーっぽい竜騎士にも対抗できるらしい。


しばらく歩くと到着した場所はやはり例の倉庫だ。

「ここなの?秘密兵器がある場所って?」


あかねが婆さんにそう確認すると、婆さんはこくんと顔をうごかした。

そして倉庫の扉が開けられるとそこには噂の秘密兵器、飛行機があった。



飛行機とは文字通り飛ぶもの、時には人を遠くへ運び時には戦争の道具としても使われる

20世紀に背理人類はそれまで試作されてきた飛びそうで飛ばない飛行機ではなく飛ぶ飛行機をつくるようになり現代ではジャンボのようなでっかいものまである。



そして現在、無人機もある。

龍之達の目の前にある飛行機は少し古いものらしい。

まずプロペラがついているがかといってターボプロップでもなさそうだ。


「……ふっふっふっ、これはな、隼という飛行機じゃ」


「ええ?なにそれ?」


「はやぶさとはなんじゃ?」

國井婆さんがいう隼とはどうやら目の前の飛行機の事らしい。

國井婆さん曰くかつては軍用機だったらしい。

國井婆さんはわかりやすく皆に説明した。

「うちの兄さんがむか~し戦争の時に乗ってたんじゃ」


「ほう、戦か」


「昔は軍用機として使われてたんじゃ、戦争なんかに使われおったが動きはいいらしい」


「なるほど、戦える飛行機というわけか、っということはこれで西の戦士を倒せると?」


「わからんよ、相手も同じようなのをもっている可能性もあるし、第一搭乗員がおらんじゃろ?」

いわれてみれば、この一式戦闘機『隼』を操縦できるものはこの場に誰もいない。

國井婆さんはせめて兄が生きていればと思っていたがいくら悔やんだ所でそれは無駄な話。


結局この秘密兵器『隼』もただの動かぬ塊なのであろうか。

…それは違った、突然空が光って上からブランコに乗った神が現れた。

「だ、だれあんた!!」


あかねは驚くと同時にものすごく警戒していた。


「ワシャ神じゃよ」


「ええ?嘘つきなさいよ!!そんなド○フに出てくるような神様がいるわけないでしょ!!」


「残念だがこいつは本当の神じゃ」

まったく信じようとしないあかねに龍之はそういった。


「う…うそ!?」

あかねは衝撃のあまりしばらく黙り込んでしまった。

しかしこの神、下手したら志○のように耳の遠い神だったかもしれない。

でも実際そんなことはないのでご安心を。


「いいことを教えてやろう猛虎、お主には特別に異世界の兵器を操れる能力をつけておいた」


「はっ?」


「だってお主、武人じゃろ?しかし槍だけじゃ゛やり゛きれんじゃろう」


「しゃ、シャレのつもりか?」


「いや、真剣な話じゃ、そこでワシは異世界の兵器も使えるようにしておいた」

実にご都合主義的な考えである。

なんにしてもその能力さえあれば隼を操縦できる人がいるわけだ。


「っでも、飛行機ですよね?ってことは滑走路まで持っていかないとダメじゃないのかしら?」

っと美香子はいう、隼のようなあまり滑走距離のいらない航空機でも滑走路がないと離陸はできない。

しかしここには飛行場はない、そこで神は…


「じゃあつくっちゃうわ」


「えっ?」


「ほりゃりゃのりゃー!!!!!」

その時空が急に暗くなった。


「な、なんなの?」

そしてものすごい勢いで落雷がこっちに。

一瞬閃光でなにもみえなくなったがそれも5秒でおさまりようやく視界が見え始めた頃。

舗装された1000mの滑走路があったのだ。


「う、うそぉぉ!!!」

あかるも驚きである。


「な…なんなんじゃ?」


「坂上殿、我々長い夢でも見てるんでしょうかね?」


「できることならはよ帰って寝たい…」

っとはいってもムダだ。

西の戦士を倒すまで彼らは帰る事も元に戻る事も不可能である。

そう、倒すまでは。



「では、乗りたまえ」


「急に紳士になるな」

威張る神にそう文句をたらしながら龍之はいやいや隼のコクピットに。

始めてみる計器類に慌てそうになったが大丈夫だった。

これも神が勝手に追加した能力のおかげである。


ちなみに足は辛うじて届いたらしい。

その理由は神がこっそり龍之がのっても大丈夫なように細工したからだ。

「っで?どうするんじゃこの後?」


「え~っと、回すんじゃ。ほれ蝉麿さんやりなさい」


「えっ?私ですか?どれを?」


「これだ」

命令されつつ蝉麿はエナーシャを回したる

これを回さない限り隼は発動機を動かすことはできない。


バババ…


「おお!!」


「坂上殿、そういえばなんで槍も?」


「ふっ、いざとなったらこんなガラクタに頼らず槍で戦うわい!!っじゃあとりあえず夏奈助けてくるぞ、さっさとやっつけて元に戻るために!」

そして龍之はスロットルを全開にし離陸を開始した。

本当に操縦もくそもしたことないのにやりかたがわかった。

さすがはなんでもありの神様であった。


「いっちゃいましたね…」


「ただ…問題はひとつ」


「えっ?どうしたんですか國井婆さん?」


「燃料は片道分しかない」


「「「「………アホ!!!!」」」」

バキィ!!!!


龍之は槍を持っていって正解だったかもしれない。

なんせ、燃料は片道分しかないのだ。



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