プロローグ
最初はストックがあるので出せるだけどんどん出していきます。
一日3話以上ずつで対応していこうと考えています。ストックが尽きてきたら一日3話程度が限界になるとおもいます。
1話あたりの文字数はそんなに多くない為気軽に読んでいただけると幸いです。
世界一の国《Eternal Garden Online》
それは世界最大の国家運営ゲームだった。
プレイヤーは五つの種族を創造し、自らの理想国家を築き上げる。
・内政。
・外交。
・戦争。
・研究開発。
・英雄育成。
やるべきことは膨大だ。そして世界統一を果たした後は、他プレイヤーと国家同士で戦うオンライン国家戦へ移行する。
サービス開始から十年以上、数千万のプレイヤーが参戦したこのゲームで、長らく頂点に君臨し続けている男がいた。
◎プレイヤーネーム《ノア》。
世界ランキング第一位。
五年連続世界王者。
誰もが認める最強プレイヤー。
そして、その正体は日本のどこにでもいる会社員の牧村悠真だった。
『優勝おめでとうございます!!』
実況の絶叫が会場を揺らす。
大型モニターに表示された順位。
第一位:NOAH
その文字を見ながら、悠真は小さく息を吐いた。
歓声、拍手、フラッシュ。
だが本人はひたすら疲れていた。
「……終わった」
正直な感想だった。
学生時代から続けてきたゲーム。
休日も、長期休暇もほとんど全てを捧げた。
だからこそ思う、、、もう十分だ。
「また優勝ですね」
隣に来たスタッフが笑う。
悠真は苦笑した。
「運が良かっただけです」
「またまた」
「本当です」
実際そう思っている。
確かに上手い自覚はあるが勝因はそこではない。
悠真は対戦ログを見る。
そこに並ぶのは五つの軍団。
五人の最高幹部。
フェンリス
リリアーナ
ラグナ
ミレイア
アステリア
彼らがいなければ優勝などできなかった。
「こいつらのおかげだよな」
モニターの中で待機しているNPC達を見る。
何年もかけて育てた、性能だけではない。
性格、設定も細かく作り込んだ。
もはや愛着はキャラクターの域を超えている。
だから周囲からはよく言われた。
「NPCじゃなくて家族みたいですね」と。
悠真も否定はしない。
本当にそう思っているからだ。
授賞式が終わる。
続いて優勝特典の授与。
今年は特別だった、世界大会優勝者だけに与えられる限定権限。
画面に表示された説明文を見て、悠真は思わず眉を上げた。
『配下一名に特殊能力を付与できます』
「珍しいな」
毎年バランス調整を避けるため、報酬は装飾品や限定称号程度だったが、今年は違う。
本当に能力を追加できるらしい。
候補は五人。
フェンリスなら戦闘系。
ラグナなら守護系。
ミレイアなら研究系。
リリアーナなら支配系。
選択肢はいくらでもある。
画面をスクロールする。
その中で一つだけ変な能力があった。
《星を読む力》
説明文は、たったの一行。
『星々の導きを識る』
「なんだそれ」
「占いみたいなものか?」
曖昧すぎるが、、、だが嫌いじゃない。
未来予知なら面白いかもしれない。
戦略にも役立つだろう。
悠真は笑った。
ゲームらしくないが、少しロマンがある。
さて誰につけるか。
迷った末に悠真はアステリアを選ぶ。
五人の中で最も知識に長けた魔導師。
能力的にも相性が良い。
何より、アステリアなら面白い使い方ができそうだった。
「よし」
クリック。
能力付与完了。
画面の中で銀髪の少女が淡く光る。
『星を読む力を付与しました』
システムメッセージが表示される、、、それだけ。
特に派手な演出もない。
「地味だな」
思わず苦笑する。
世界大会優勝報酬なのだから、もう少し派手でも良かっただろう。
その時だった。
画面がノイズを発した。
「ん?」
一瞬、本当に一瞬だけ。
アステリアがこちらを見た気がした。
違和感。
NPCのはずだ。
そんなことあるわけがない。
疲れているのだろう。
そう思った。
だが、次の瞬間。
会場全体がざわついた。
モニターが真っ白になった。
システムエラー。
観客席からどよめきが起こる。
スタッフが慌て始める。
しかし、悠真だけは違うものを見た。
白い世界の中で五人の幹部が立っていた。
フェンリス
リリアーナ
ラグナ
ミレイア
そしてアステリア
誰も動かない。
ただこちらを見ている。
「なんだ……これ」
理解が追いつかない。
夢か。演出か。それともバグか。
判断できない。
その時、五人の背後に何かが現れた。
巨大な影、空を覆うほど巨大な樹。
無数の枝が星々に届くかのような神々しい大樹。
アステリアだけが反応した。
初めて、彼女が驚いたように見えた。
銀色の髪が揺れる。
蒼い瞳が僅かに見開かれる。
そして、アステリアだけが別方向へ引き寄せられていく。
「待て!」
悠真は思わず叫んだ。
届かない。
伸ばした手は空を掴むだけだった。
眩い光。浮遊感。全身が引き裂かれるような感覚。
世界が崩れる。
意識が遠のく。
最後に見えたのは。
星空のように輝く枝を持つ、どこまでも巨大な樹だった。
その日。
世界王者の物語は終わった。
そして。
誰も知らない世界で。
《黄昏の箱庭》の物語が始まる。
最初は複数投稿しあとは毎日投稿となります!
できるだけ毎日投稿しますがいかんせん初心者なので多少の遅れはご了承ください(笑)




