「友達以上の関係になりたいか」
ども!かつどんでーす。
本命の小説よりもこの小説のほうが人気あると言う…ちょっと複雑な気持ちです。
恋愛相談4
Yさん
私には好きな人がいます、でも私の友達もその人が好きで少しギクシャクしてました、でも最近、その友達が私にべたついてきます、これはどういうことなのでしょうか、私はどうすればいいでしょうか
「ふむ、また三角関係の相談だね、しかし今回は少し発展している」
「部長、隠れてガッツポーズしないで下さい」
「つまり今回の相談はこうだ、恋のライバルだった友達が最近まとわりついてきた、ということだ」
「はい、友達は一体何を考えているのか分からなくて、私を陥れようとしているのかと思うと怖くて…」
「どう思う?副部長」
「これ絶対Tさんですよね、ということは部長のせいですよね、そうですよね」
「ふっふっふ、では今回も結論から言わせてもらうぞ」
「(ゴクリ)」
結論
君も大きな勘違いをしている。
「も?」
佐藤君の言い方にYさんは反応した。前回、というよりその友達も三角関係をどうすればいいか相談に来たため、佐藤君はそんな言い方になったのだ。
「そう、勘違いだ」
「部長、まだ何も言ってません」
「え、えーと…」
僕達の会話にYさんは困惑していた。
「まぁつまり、勘違いだ」
「部長、何回繰り返すのですか」
「勘違いですか…」
「そう、勘違いだ」
「部長、今ので4回目です」
「何か副部長のツッコミが多くなってきたような気が…」
そりゃ慣れてきたので、そしてこの後の展開も予想できているので。
「先ず、君はその友達のことが好きか?」
「へ?好き?」
「部長、唐突過ぎます」
「おっと、失礼した、君はその友達をどう思っている」
「どう思っているって…」
「仲を悪るくしたくないとか思っているかい?」
「は、はい、そう思っています」
「友達以上の関係になりたいとかは?」
「へっ?」
「部長、また唐突過ぎます」
「では君の友達は君をどう思っていると思う?」
「友達が私を、ですか…」
「君の友達も君と仲を悪くしたくはないだろうね」
「はぁ」
「それどころか、もっと仲良くなろうと思っている」
「それはどうか…」
「いや、もっと言うと恋人になろうとしている」
「はぁ………いやいや、何を言ってるのですか、友達は私と同性の女の子ですよ」
「相手も女の子だからいいんだろ」
「部長、本音が出ました」
うん、僕の予想通りだ。でも部長、誰もが百合に目覚めるわけじゃないんだ。それを分かってもらおう。
「失礼、相手が女の子だからって関係ない、大事なのは君の気持ちさ」
「いやいや、私には好きな男性がいます、女の子である友達が好きってわけじゃ…」
そりゃそうだ。好きな異性がいるんだ。同性への恋なんてする人はほんの一握りだろう。さぁどうする、部長。
「そこが大きな勘違いなんだよ」
「え?勘違い?」
「君はその男性が本当に好きなのかい?」
「へっ?当たり前です、そんなの」
「ではなぜ告白しない?」
「それは…」
「その友達の存在だよね」
「………」
「その友達と関係を悪くしたくないからだよね」
「部長、それは誘導尋問です」
「それってさ」
佐藤君は僕のツッコミを無視して続ける。
「君にとってはその男よりも友達の方が大切と言う事だよね」
「あなたは…」
「ん?」
「あなたは私を同性愛に目覚めさせようとしてますよね」
「………」
さあ部長、反論がきましたよ。どうしますか?
「それはちがうよ」(論破!)
「え?」
「何⁉」
おいおい、いきなりのことに僕も驚いてしまったぜ。
「僕が君を同性愛に目覚めさせるわけじゃない、君が百合に気付くのだ!」
「はぁ?」
「部長、言ってる意味が分かりません」
「ふむ、簡単に言うと、君の本当の気持ちを君に気付かせる、それがこの恋愛相談部だ」
「私の本当の気持ち?」
「そう、君が本当は同性の友達を好きだってことをだよ」
「そんなの、気持ち悪いじゃないですか」
「はぁ?気持ち悪い?」
「部長、怒らないで下さい」
「それに、私がもし同性愛に目覚めたとして、その友達に嫌われるに決まってます」
「ほう、何でだ?」
「そんなの、友達が同性愛をどう思うか…」
「それなら心配ない」
「えっ、何故そう言い切れますか?」
「君はその友達の行動を思い返してみるといい」
「行動?」
「君の友達は最近君にまとわりついているってことだよね」
「は、はい…もしかして」
「そう、その友達は君のことが好きなんだ!」
「そ、そんなこと…」
「そんなことある!その友達も君と同じく、告白はしていない、だったらそれは君の方が好きと言うことだ」
「もしかして、最近のあの行動は」
「どうやら心当たりがあるようだね」
「………」
「さぁ、そうと分かれば彼女の気持ちに答えてあげるべきだ」
「私が、今まで親友だった友達と、しかも同性の友達と付き合ってもいいのでしょうか」
「もちろんだ、この恋愛相談部は全力で応援するよ」
「ふふ、ありがとうございます、私の本当の気持ちに気づきました、彼女の気持ちに答えようと思います」
「ああ、頑張ってくれ、幸運を祈る」
こうしてYさんは帰って行き、4つ目の恋愛相談は終わった。
「ねぇ佐藤君、彼女達上手くいくかな」
「どうした、君も百合の良さが分かってきたか?」
「いや、せっかく本当の気持ちに気付いたなら上手くやって欲しいと思ってね、んで、彼女達は上手くいくかな」
「それは分からん、だがどんな困難が来ても頑張って欲しいな、影から見守っておくよ」
「………部長」
「彼女達の本当の気持ちと言ったけど、あれって部長が植え付けた気持ちじゃないかい?」
「それはちがう、彼女達の心にその気持ちがあったからこそ彼女達は本当の気持ちに気付いたのだ、俺はその手助けをしただけだよ」
「…確かに、あと佐藤君」
「ん?」
「ストーカーは犯罪だからやめておいた方がいいよ」
「ギクッ!ナンノコトカナ?」
「いや、だってさっき影から見守っておくって」
「あははははは」
佐藤君は誤魔化すように高笑いした。
よし、この男は僕が抑えよう、新しく生まれるカップル達のためにも。
ネタ尽きました。
次はいつの投稿になるやら。
そう言えば、初めは一ヶ月に一話くらいの速度になるだろうって言ってましたね。なんと3ヶ月で6話投稿という…………………そこまで変わらないですね。