「それは本当に友情か?」
ども、かつどんでーす。
この小説全く百合ん百合んしてないなー。
恋愛相談3
Tさん
私はK君の事が好きです、しかし、親友のYさんもK君の事が好きで、私は恋愛を取るか友情を取るかで迷っています、どうすればいいでしょうか。
「ふむ、典型的な三角関係だね、どう思う?副部長」
「いきなり重い展開でかなり困惑しています、我々が助言してもいいのか、という疑問が出てきます」
「確かにこれは今までと違い難しい相談だ」
「今までって、まだ二回しか受けてないですよ、それにその二回とも未解決じゃないですか」
「いや、あれはあれで解決したのだ、あの二人が相思相愛になればいいじゃないか」
「だから解決してないじゃないか!あんたのせいだろ!」
「あの~」
「おっと失敬、その三角関係をどうしたらいいのかだったよな」
「本気で受ける気ですか、部長」
「当たり前だ、受けたからには全力で答える、それがこの部活のモットーだ」
「初めて聞きましたよ」
「では今回も結論からいこう」
「結論からって大丈夫か?」
結論
君は大きな勘違いをしている。
「え?勘違いですか」
「君はそのK君のことが本当に好きなのか?」
「も、もちろんです、だからこうして相談に」
「じゃあ何故告白しないのかな?」
「そ、それはYさんとの友情を壊したくないからです」
「なるほど、なるほど」
部長は二回ほど頷いた。本当に解決できるのか、と心配になる。そして部長はこう言った。
「先ほども言ったが君は一つ大きな勘違いしている!」
今度は大声で言い放った。
「え?だから勘違いって何なんですか?」
「君のそれは本当に友情か?」
「そ、それはどういう…」
「君が本当に好きなのは、君が友達と言っているYさんじゃないのか」
「えっ、え〜〜〜〜‼」
「うぉい!」
うわー、こいつここでも百合道を貫くつもりだ〜。
「わ、私が、山…Yさんを好きだなんて、Yさんもお、女の子ですよ」
「だからいいんだろ…おっと失敬、相手が女の子だからって関係ない、無理して男を好きにならなくてもいい、君の気持ちに従えばいい」
「で、でも、私のK君への気持ちは…」
「君はK君に告白しなかった、それはK君と付き合うよりもYさんと別れる方が嫌だということではないか?」
「そ、それは…」
「………………」
もうどうなっても知らないぞ、部長。
「君のK君への気持ちが恋だと言うのなら、君のYさんへの気持ちはそれ以上の思い、君にとってYさんは恋人以上だと言うことだ」
「私は…私は…Yさんのことが…」
「そうだ、別に女同士だからって関係ない」
「で、でもそんな関係、周りからなんて見られるか…」
「きっと大丈夫だ、最低でも僕ら恋愛相談部は君のYさんへの恋を応援するよ」
「ありがとうございます!そうです、私は勘違いしていました!私はYさんが好きです、この思いに嘘はつきません」
「ああ、どういたしまして、これからはガンガンYさんにアプローチするといい」
「……………」
「分かりました!ではさっそく今日から、では失礼します」
そう言ってTさんは何か吹っ切れたように去っていった。
「……………」
「こうして今日も百合ん百合んにするのであった」
「待て待てーい」
「どうした?演劇の練習か?」
「いやいや、どうしたもこうしたもないよ!何故あんなこと言ったんだ⁉」
「あんなこと?僕はただTさんに本当の気持ちを気付かせただけだ」
「くっ、こいつ、本気で百合カップルを作る気だ」
「当たり前だ、有言実行だ」
「百合カップルを作ってお前に何か利益があるのか?」
「利益?」
「ああ、いくら百合カップルを作ってもお前が関わるわけじゃないだろ」
「そんなこと言ったら、他人の男女カップルを作ることだって一緒だろ、決して自分は関わらない、それに他人の男女恋愛とか誰得‼」
「普通だ!」
うん、彼には何を言っても無駄だな。
「我が百合道にブレはなし」
百合が好きだというのに百合を描けない自分です。