ボクシングなんて勘弁してくれ!(上)
良太は恋人の愛美に横恋慕する勝司にボクシング勝負をすることに。
20ページを超えたので2分割です。
今回の課題:格闘シーンを描く。
タイトルもAIに考えてもらいました。
でも、迫力のある戦い、ならファンタジーの方がよさそうですね。
戦闘に入るまでのストーリーと作画が大変なので、戦闘シーンだけを描くとかしてみた方が良いですね。
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
小説本文
高城高校の放課後。
多くの学生が教室を出て下駄箱に向かっていた。
村木良太もその一人だ。
いや、2人というべきか。
恋人の愛美と2人で並んで歩いていた。
「村木!」
と突然、背後から声がする。
振り返ると、ボクシング部の井上勝司が睨んでいる。
「井上か、なにか?」
と良太が平然と答える。
「なにか、じゃねえだろ。愛美ちゃんのおやじさんから、別れろって言われているの忘れたか!」
愛美が
「お父さんは関係ないでしょ!」
と言い返す。
とたんに、勝司が愛美をなだめる。
「い、いや、おやじさんのいうことは聞いとかないとさ」
良太も
「愛美ちゃんのお父さんがそう言っていたとしても、君には関係ないだろ」
と追撃する。
勝司は、とたんに口調が変わる。
「愛美ちゃんのおやじさんはボクシングジムの会長だぞ おやじさんは俺を気に入ってるんだよ!」
そして勝司は愛美に
「そんな奴より、俺の方が頼りがいがあるだろ?」
と向ける。
愛美は
「良太君だって、頼りがいがあるわよ!」
と言い返す。
そして良太は
「そもそも、僕には君に頼りがいがあるようには見えない」
と言い放つ。
「なんだと! 俺のどこが頼りないっていうんだ!」
「君は愛美ちゃんに勉強を教えられるか? 荷物を持ってあげるか? 将来の生活の収入の保証は? いつ、君の頼りがいは発揮するんだ?」
「不良に絡まれた時に、助けてやれるだろうが」
良太は
(君が不良だろう)
と思いながら平然と言い放つ。
「気を付けていたら、この平和な日本じゃ、一生そんなことにならないだろ」
「ぐぅっ」
と勝司が言葉に詰まる。
「君は”粗暴”を”頼りがい”と言い換えているだけだ。現実的に、君はまったく”頼りがいがない”!」
騒ぎに、いつの間にか他の生徒たちも集まっていた。
良太の言葉に、そこかしこから
「確かにそうよね」
とささやきが聞こえる。
しかし、それが勝司を激高させた。
「だったら、今ここで、お前が頼りにならないって思い知らせてやるぜ!」
と良太に殴りかかる勢いで怒鳴る。
「おい! お前ら何を騒いでいる!」
突然の声に勝司の動きが止まる。
騒ぎに、教師までやってきたのだ。
勝司は、
「あ、いやこれは……」
としどろもどろだ。
その後、勝司と良太、そして愛美の両親にまで連絡がいき、こってりと絞られたが、良太と愛美にとっては、とんだ言いがかりだ。
しかも、週末には愛美の父親の正雄に良太が呼び出された。
なんと正雄の隣には、勝司がニヤニヤして立っている。
「娘とは別れろと言っただろ 娘は勝司くんと結婚させて、勝司くんにはこのジムを継いでもらう予定だ」
「そうだ。お前の出る幕なんてないんだよ!」
(出る幕か……)
と良太が持参したノートパソコンを開く。
「ここにボクシング人口の推移データがあります。この通り、下落の一途です。経営が厳しいのではないですか?」
正雄は
「そ、そんなことわかっとるわ! だから勝司くんにだな……」
と不機嫌そうだ。
良太は次のデータを提示する。
「それに対し、これはフィットネスジム数のデータですが、増加の一途です」
「だから何だという!」
「ボクシングといえば減量のイメージが強く、やせたいという女性のニーズにヒットします。ダイエット目的の女性会員を募集するのです」
「い、いやしかし、そんな簡単に言うがな……」
「女性会員が増えれば、男性会員も増える。その中には、真剣にボクシングをしようという者も出るでしょう」
「ま、まあそうかも知れんが……」
「良ければ、僕が相談に乗ります」
「それは助かるが……」
篭絡されそうな正雄に勝司が焦る。
「お、おやじさん、なに言いくるめられてるんですか!」
「いや、そういうわけでは……」
「騙されちゃいけません! そんなに簡単にできるなら苦労はしません!」
「そ、それもそうだな」
勝司の言葉を理解しつつも、正雄は気持ちが揺れているようだ。
勝司は、
「リングに上がれ! ボクシングで勝負だ! おやじさん、今日はそのつもりでこいつを呼んだんですよね!」
「ま、まあ、それはそうなんだが」
ボクシングでそれなりの成績を出している勝司と、ボクシングなどやったことがないどころか、運動神経は人並みの良太。
勝負になるはずがない。
正雄は、自分が考えたことではあるが、気持ちが揺れている今、勝司が勝つに決まっている勝負に躊躇しているようだ。
しかし、勝司と正雄が会話している間にもパソコンのキーを叩いていた良太が意外にも
「分かった」
と勝負を承諾する。
「い、いいのかい」
と提案者である正雄が驚いている。
「はい。ですが、井上が有利なのは分かり切っています。1ラウンドで僕が倒されなかったら僕の勝ちにしてください」
「1ラウンドかい? そ、そうだな」
「1ラウンドでは短すぎますか? では2ラウンドで」
「い、いいのかい?」
「ええ。では2ラウンドで」
1ラウンド3分は十分な時間だ。
実力差を考えれば、1ラウンドでも勝司が有利、2ラウンドはあまりにも良太に不利だ。
勝司ですら、
「よ、よし。じゃあ早くリングに上がれ!」
と良太の気が変わらないうちにとせかす。
そこに愛美が
「お父さん、良太くんを呼び出したんだって」
とやってきた。
愛美は、ボクシングの準備をしている良太と勝司をみて
「なにやってるの!」
と驚く。
事情を聴いた愛美は
「ダメよ。良太くんがボクシングで勝司くんに勝てるわけないじゃない!」
と止める。
良太は
「大丈夫。2ラウンドで倒されなければ、僕の勝ちだ」
「2、2ラウンド? それ大丈夫なの?……」
と、愛美も懐疑的だ。
「大丈夫だ。2ラウンドぐらい耐えられるだろう」
「2ラウンドぐらいって……」




