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もし断るなら

オオスは永遠亭で三日程、永琳と学術的な問答をしたり、てゐと嬉々として鈴仙を揶揄う方策を論じたり、輝夜の宝物自慢を聞いたりしていた。そうこうしていると妹紅が輝夜と喧嘩をまた始めたのでそろそろ帰ると永琳に言伝して自宅に帰ることにした。


その際、オオスは永琳にこんなことを尋ねてみた。


「浦島太郎みたいなことしないでくださいね。誰かに頼まれても」

オオスの推測が正しければ永琳が関わっていそうな御伽噺だった。

本人ではなく第三者が依頼したような形だろう。


「フフフ。まるで探偵ね」

永琳はそう言ってオオスに微笑んだ。

どうやら正解のようだとオオスは思った。


「ええ。これでも外では世界有数の探偵だったのですよ」

オオスは初めて自分の過去の職業に感謝した。一先ずは何とかなった。




オオスが自宅に帰ると『文々。新聞』がポストに三日分丁寧に入っていた。

オオスは浦島太郎にならずに済んだなとホッとすると同時にポストの上の雪が払ってあるのを見て、次回は射命丸のインタビューに応じてやろうかと一瞬だけ思った。


最も次の日にオオスが戻って来たのを見つけた文がいつも以上に煩いのを見て辞めた。


「毎回、持ち上げて落とすって酷くないですか!?」

煩かったのが悪い。オオスは天狗の遺失した文化等を記載して文に放り投げた。

それは古代天狗語の翻訳の過程で知ったが、オオスには価値のない物だった。


「これでも読むがいい。天狗ならこの価値がわかるだろう」

そう言ってオオスは家に引きこもった。ガチで出るつもりはない。


「…ちょっと、待ってください!これどうやって調べたんですか!?」

知るか馬鹿野郎と心の中で文を罵ってオオスは不貞寝した。

文々。新聞を読んだが特に代わりなかった。強いて言えば例年より冬が寒いので巫女が冬妖怪を八つ当たりで叩きのめした程度だった。

冬なのだから許してあげれば良いのにとオオスは思った。体を温めるにしてもやり方があるだろう。やはり神に仕える巫女は碌なものではないなと確信した。



次の日、オオスは射命丸が上司から呼び出されただのなんだの言っていたのを聞いた。


「出世コースでは?良かったですね」

オオスは文に投げやり気味にそう言った。


「出所が出所なので困るんですけど…本当にどこで調べたんですかアレ」

げんなりした様子の文がオオスに尋ねた。


「天狗は身内で固まり過ぎです。情報収集力は高いですが、旬を過ぎるのが早すぎる。

 私はた…物書きですからね。その辺は売れ筋とか気にしなければわかるものです」


「…答えになっていませんが、まぁ縦社会が行き過ぎなのは認めます。

 しかし、もう千何百年以上前、下手したら二千年前頃まであるのはどういうことなんですかね」

それは永遠亭というインチキで裏を取ったものだ。輝夜は意外と好奇心旺盛だった。


「御伽噺でも読まれたらいかがですか。大体私はまだ16歳ですよ。

 千何百年以上前なんて知るがわけないでしょう」

オオスはそう文に言った。オオスは口を滑らせた。


「16歳…16歳なんですか貴方!!」

文の何かに火が付いたようだ。あ、やべぇとオオスは思った。


そういえば天狗攫いとかいうのがあったなと思った。


身の危険を感じたオオスは即座に煙玉を使い、更に奥の手まで使い紅魔館まで逃げた。

紅魔館まで来たオオスは自分を匿えとレミリアに言った。


「もし断るなら全天狗にレミリア嫌いな食べ物リスト一覧と過去にやらかしたドジ全集、更には…」

オオスは有無を聞く前にレミリアの弱みを捲し立てた。


「居て良いから!良いから辞めて!本当に辞めて!!」

レミリアは本気で泣いた。なぜこんな目に会わなければならないのかと思うよりも先に拒否すればコイツはガチでやるとレミリアは確信していた。


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