【コミック1巻発売記念SS】シャーリー、咽び泣く
ぽかぽかと暖かい、とある日の昼下がり。
今日は久しぶりに、シャーリーとティータイムを楽しむ予定が入っていた。
繁華街にあるカフェの、屋外テーブル。
「本当に本当に本当に、おめでとゔございまず! クロエ様!」
クロエの手を取りシャーリーは声を張った。
煌めく両眼からはポロポロと涙がこぼれ、鼻水もだばだばだ。
感涙に咽び泣くとはまさにこのことであった。
「あ、ありがとう、シャーリー。とりあえず、色々出てて大変なことになってるから、拭きましょ?」
クロエがハンカチを差し出す。
「ありがどうございまず、クロエ様」
ぐしぐしとハンカチで顔を拭うも、シャーリーの涙が収まるのに少しの時間を要した。
「ごめんなさい、クロエ様。嬉しすぎて、つい……」
目元を真っ赤に晴らし、涙声でシャーリーが言う。
「まさか、こんなに喜んでくれるとは思っていなかったわ」
「何を言いますか、クロエ様! 私はずっと、クロエ様の幸せを願っておりました! やっと……やっとかと、胸がいっぱいですよ!」
シャーリーの心からの言葉に、クロエの胸が詰まりそうになる。
ロイドとの婚約を自分事のように喜んでくれるシャーリーを見ていると、胸がぽかぽかと温かくなった。
「ありがとう、シャーリー」
思わずクロエも涙声になってしまう。
「お礼には及びませんよ、ただ……」
ずびびっと鼻を啜ってから、真面目な顔でシャーリーは言った。
「必ず、幸せになってくださいね、クロエ様」
「ええ、もちろん」
深く深く、クロエは頷いた。
すると、シャーリーは肩の力を抜くようにして言う。
「とは言え、心配はしてませんけどね」
「あれ、そうなの?」
「ロイドさんならきっと、クロエ様を幸せにしてくれるって……なんとなくわかりますもの」
そう言って愛おしげに微笑んで言うシャーリーの表情は、確信に満ち溢れている。
(この先のことは何もわからない、けど……)
シャーリーの言う通り、ロイドとなら幸せになれる。
そんな、根拠のない自信があった。
◇◇◇
「ただいま帰りました!」
「おかえり、クロエ」
夕方ごろに帰宅すると、ロイドが玄関に出迎えてくれた。
「シャーリーさんは、変わりなかったか?」
「はいっ、とても楽しい時間でした! ロイドさんとの結婚の話をしたら、泣いて喜んでいましたよ」
「……そうか」
結婚、という言葉にまだ慣れていないのか、どこか照れ臭そうに頬を掻くロイド。
くすりと、クロエは笑ってから言葉を空気に乗せる。
「ロイドさん」
「ん?」
「幸せになりましょうね」
クロエが言うと、ロイドは今更何をと言わんばかりに口元を緩ませた。
そしてクロエの肩を引き寄せ、耳元で囁く。
「俺は元よりそのつもりだ」
クロエの耳が真っ赤になるのに、数秒も掛からなかったことは言うまでもない。
というわけで本日、『ド田舎の迫害令嬢は王都のエリート騎士に溺愛される』のコミック版1巻の発売日です!
こちらの可愛らしい表紙カバーが目印です!
ぜひぜひ書店や、Amazonなどネット通販でご購入いただければと思います!
↓詳細はこちらから
https://x.gd/uwuxc
発売後1週間ほどで続刊や重版などの判断がされるようなので、クロエちゃんとロイドの魅力をより多くの人々に届けるためにも、何卒よろしくお願いいたしますー!
書店によっては以下のように特典(かわいい!)も配布されるようなので、是非チェックしてみてくださいね!
また、完結時の感想ありがとうございます。
ちょっと締め切りてんてこまいで返信は出来ずですが、どれもありがたく目を通させていただいております。
それではまた次のSSでお会いしましょう!




