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10/24

レベル10

 それからオレ達は、色々な店を見て回った。

 アクセサリー、武具、武器、居酒屋、洋服屋、美容室、スイーツなどの店があった。

 他には、テレポートの部屋があるのが不思議で仕方なかった。肉体はテレポートできないのに、何でこの部屋があるんだ?


 さらには、宿屋まであるのには驚いた。

 元は普通の教室だったのに、どうやって寝るんだ……?

 取り敢えずは、今晩の寝床をここで確保した。


 クレオが是非入ってみたいと言ったのが、使い魔の店だ。エリーの使い魔である鷹が欲しいみたい。


 中に入ると、思っていたよりも使い魔の種類が豊富なのでビックリ。使い魔は育てて強くして行くので、生まれて数ヶ月後の状態で売られている。

 でも、使い魔が人間を決めるので、気に入った使い魔が手に入るとは限らない。クレオは鳥の使い魔が欲しかったみたいだけれど……。


 ケージの中の赤い鳥が、オレの方を向いてしきりに鳴いている。


「ピィー、ピィー」


 指を近付けると、可愛らしいクチバシで突いてくる。どうやらオレを認めて、連れて行って欲しいらしい。でもオレは、エリーと同じタカかハヤブサが欲しかったので無視しようとしたら、ケージの後ろに白い蛇が現れた。首を縦に振っており、この鳥を連れて行けと言ってる様にみえる。


 今朝、ペッパーさんを助ける為に同じ白いヘビが現れて首を横に振った。その後、オレは灰色狼の奇襲にあって、階段の下まで落ちて混戦になった経過がある。


 白いヘビが危険を知らせてくれたみたいだと,後から分かった。けれど,今回は縦に振ってる……?

 この白いヘビを信じるなら、この赤い鳥を使い魔にした方がいいという事か?

 そもそもこの白いヘビを、全面的に信じていいのか……?


 白いヘビをジッと見ると、向こうもこちらを見ている。まるで、知的な生き物の様な目で……。


 育てるにしても、問題なのはこの赤い鳥がどの様な能力を持っているかだ。ある程度育たないと分からない為、一人で複数の使い魔を持っている人は沢山いるみたいだ。でも、育てるのにはそれなりの時間と労力、そして餌代を使うとエリーが言っていた。


 もう一度赤い鳥をみるとオレを必死で見ており、何が何でも連れて行って欲しいみたいだった。

 オレは決断をして、ケージから赤い鳥を出してあげた。


 クレオを見ると、1匹の使い魔に認めてもらえたらしい。でもエリーが猛反対しており、2人で言い合いになっている。


「クレオ、その使い魔だけはやめた方がいいの!

 最強だけれども、最悪でもあるんだからね」


「どう言う意味なのそれは?」


「お尻から、強力な毒を出すんだ。その中でも、ボス以外だったら逃げ出すと言われているガスが凄いんだよ。風下で使うと、気絶するほどの強烈な臭いがこちらに襲って来る。

 その子、スカンク系の魔物なんだから!」


「え……。

 こんなに可愛いのに……」


「だから……、頼むから諦めてクレオ!」


 クレオは、オレが赤い鳥を持っていたのを見て悔しそうに言う。


「その赤い鳥は、私が最初に欲しかった鳥……。

 もしかして、マサトはその子を買うの?」


「必死になって頼んでくるから、……」


「それだったら、私はこの子を買うわ!

 最悪だけれど、使い方によっては最強なんでしょう?」


 クレオは必死にエリーに頼み込んでいる。


「それは、そうなんだけれど……」


「決まりね。

 エリー、お金払ってくれる?」


 クレオは、一度決めたらよほどの事がない限り決定を変えない性格。エリーの母親だから、骨の髄まで性格をお互いに知っている。

 カウンターに行って、店の人にエリーは言う。


「すいません。このスカンク系と赤い鳥を買いたいのでお願いします」


「あ、ありがとうございます。

 えーと、これを、こうして。

 あれ……? 違うな?」


「どうされたんですか?」


「一時間前にこの店のテナント契約したばかりなので、システムがよく分からないんですよ」


「それなら、私がある程度知っているので教えましょうか?」


「本当ですか? 凄く助かります」


 エリーはカウンターの中に入って、画面を操作する。店の人に教えながら進めると、思わず手が止まっている。オレ達にも画面を見せてくれたけれど、スカンクの値段が余りにも安いからだ。

 これって、最強と最悪を相殺した値段なのか?


 さらに赤い鳥の値段をエリーが見て、小さな叫び声をあげる。


「ウソ!」


 画面で赤い鳥の値段を見ると4千万ペルと表示されてあった。

 これって、高すぎるのでは?


「使い魔がこんな値段なんて、聞いた事がないわ!

 普通は1万から2万ペルぐらいなのに……。3桁も違う……」


 エリーが払える額ではあるけれど、最強のヤリがさらに遠のくのは間違いない。でも、この金額を払う価値がこの赤い鳥に有るって事なのか……?


 肩に乗っている小さな赤い鳥の、外見からは想像もつかない秘めた能力を知りたくなって、オレはエリーに必死に頼み込んでいた。


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