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記憶  作者: ライカ
3/3

最後

この話は、専門の知識があって書いたものではありません。具合の悪い人はちゃんと病院で調べてもらいましょう。

「あれ、朝だ」

目を覚ましたら私は自分の部屋のベットで寝ていた。

まぶたが何だか熱い。

手でれてみると濡れていた。

「私泣いてたの、何で?」

腫れぼったい目を冷やそうと私は顔を洗いに洗面所へ向かう。

リビングの前を通過した時話し声がドアの隙間から聞こえてきた。

『ねぇ、お母さん。

あの子これからどうなっちゃうの?』

『お医者様は、これ以上何も出来ないって言ってたじゃない』

お姉ちゃんとお母さんの沈んだ声が聞こえてきた。

『解らないじゃない!!

違うお医者さんに診てもらうとか!色々有るじゃない!!

どうしてお母さんはそんなに落ち着いてられるの!?』

お姉ちゃんの泣き声が聞こえてきた

『そんなわけないでしょ』

感情を押し留めたお母さんの声が聞こえた

『私だってどうにかしてあげたいわよ!!

でも、あの先生は専門の先生なの。

下手にあの子の頭の中を触ったらあの子が死んじゃうわ』

『でも、死なないかもしれない』

お姉ちゃんが否定するように言う。

『えぇ、死なないかもしれないわ。

でも良くても植物人間になるだけ!!

そんなのあの子が可哀想よ!!』

私は一体何の話をしているのかさっぱり解らなかった。

でも、お姉ちゃんとお母さんが喧嘩してることは解った。

いつも仲の良い二人が喧嘩してるのが嫌で私は、止めに部屋に入った。

「お姉ちゃんもお母さんも喧嘩しないで!!」

「「舞ちゃん」」

二人の声が重なった。

「どうして喧嘩なんてしてるの!?嫌だよ〜」

私は泣き出してしまった。

お姉ちゃんが側によってきて私をなだめてくれた。

「ごめんね。喧嘩じやないのよ。心配かけちゃったね」

「じゃ、何なの?」

私は、何があったのか聞く事にした。

「昨日の病院の事よ」

「病院?」

「そう、昨日舞ちゃんと一緒に行ったでしょ?」

「え?私、病院なんて行ってないよ」

お姉ちゃんとお母さんがお互いの顔を見合わせる。

「舞、大事な話があるからそこに座って」

お母さんが私を呼び向かいのソファーに座るよう促す

私は訳も解らずお姉ちゃんと一緒に座る。



「ねぇ、舞。最近物忘れが酷いと思わない?」

お母さんが話を切り出した

「そうかなぁ。

私はそんなに酷いとは思わないけど?」

お姉ちゃんが一言言ってきた

「舞ちゃん、昨日とか一昨日の事思い出せる?」

何でも良いのよと言ってきた。

私は少し考えて、動きも思考も止まってしまった。

―あれ?昨日は何してた?一昨日おとといは?

何にも出てこない…―

私は手に頭を乗せる格好のまま止まってしまった。

「思い出せないのね?」

お母さんが聞いてきた。

私は認めるのは嫌だったけどうなずいた。

「舞、貴女は病気なの」

お母さんが何を言っているのか解らなかった

「病気って、私が?」

何の冗談かと聞いてしまった

しかしお母さんは真面目な顔で首を横に振った。

「冗談でも何でもないわ」

一呼吸おきお母さんは意を決したように話し始めた。

「舞、貴女は病気なの

頭の中に悪い物が出来てて昨日の事も忘れてしまうの」

お母さんは話してる間、一度も目を反らさなかった

「でも、でも!病院で治してくれるんだよね?」

突然お姉ちゃんが泣き出してしまった。

「お姉ちゃん何で泣くの?私、治らないの?

お母さん!!」

私は、だんだん不安になってしまった。

「お母さん、私どうなっちゃうの?」

「……」

お母さんもお姉ちゃんも何も言ってくれない。

「…忘れちゃうの?」

お姉ちゃんの手をギュッと握る。

その手を握り返してくれる

「全部忘れちゃうの?

学校の事も友達の事もお父さんやお母さんやお姉ちゃんの事も!?忘れちゃうの!?」

お姉ちゃんを見たとき肯定こうていされた気がした。

目がおよいでいて手が小さく震えていた。


私は泣き出してしまった。

「やだぁ、忘れるのやだぁ全部無くなっちゃうよ…

どうして私なの?」

「舞ちゃん。忘れたりしないよ」

泣き濡れている瞳で私を見るお姉ちゃん。

「嘘!忘れちゃうんだ!!」

「忘れさせない!!

舞ちゃんがどんなに忘れたって、お姉ちゃんが何度でだって思い出させてあげる!!

思い出せないのなら何回だって教えてあげる!!」

お姉ちゃんが力一杯励ましてくれてるのがわかる。

「舞ちゃんが忘れる暇がないくらいずーっと側にいるんだから。」

ギュッって抱き締めてくれるお姉ちゃん。

「お母さんだってお父さんだって側にいるんだからね忘れちゃイヤよ。」

お母さんが私の頭を優しく撫でてくれる。

「お母さん、お姉ちゃん」

お姉ちゃんとお母さんの優しさが嬉しくて、でも今の時間を憶えておくことが出来ない事が辛くて。

私はただ泣くしかできなかった。



「お母さん、舞ちゃん。

写真撮ろう。」

お姉ちゃんがいきなり言い出した。

「写…真?」

涙の止まらない目でお姉ちゃんを見上げる。

「そう、写真をいっぱい撮って目に見える想い出をいっぱい残そう!!」

お姉ちゃんは嘆いている暇はないと言うようにテキパキと行動をおこした。




それから1年がたち、私は1分前の事も思い出すことが出来なくなっていた。

でも、悲しくはない。

いつもお姉ちゃん達がそばにいる。

憶えていることはできないけど、毎日、新しい出会いのようにお姉ちゃん達と会えるから。


長らく(?)読んで下さってありがとうございます。このお話はふと頭に浮かんだものです。上手く文章に出来ていませんが、そこは読んでくださっているあなた様の想像力をお借りしたいと思います。感想や誤字脱字などがありましたら、どうぞ教えて下さい。

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