↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミステリーリレー小説2021『カガミの呪い』  作者: ミステリーリレー小説2021「ホラー×ミステリー」参加者一同
PR
34/34

あとがきとイラスト紹介

【あとがき】


 皆さま、お読みいただきありがとうございました。主催者のKanです。そして参加者の皆様、一年八ヶ月にも渡って、この企画にお付き合いいただきありがとうございました。今回ははじめてのリレー小説企画ということで主催させて頂き、上手くいくものか、非常に心配していたのですが、参加者の皆さまにご活躍いただき、おかげさまで完結に至りました。本当にありがとうございました!

 今回は、まず参加者の皆様に初期設定をあみだくじで割り振り、集まった設定をもとに僕が1話を執筆して、それからバトンを譲るようにして、ターンテーブルがまわってゆくようなシステムになりました。


 皆さまの回はどれも特色があり、自分が創作をする上でも、とても参考になりました。


 ここから創作の裏話を書いていこうと思います。僕が第一話を執筆したのはもう一年八ヶ月も前のことですが、第一話を書く際に気をつけたことで、今でもよく覚えているのは、同時進行している学園ドラマ班の小説とはまったく異なるスタイルではじめようということでした。後になって僕もできるだけ流麗な文体にしようとつとめましたが、当初はこちらはホラー小説ということですから、狂気じみた(それはつまりリズムが流麗ではない、どこかぎこちなさの残る不気味な文体)文章を目指しておりました。その上でさらに、カタコンベというにのい・しちさんから指定されている設定をどう活かしてゆくか、また女装している男性という乾レナさんから指定されている設定をどうキャラクターの個性として昇華してゆくかが悩みどころであり、楽しみでもありました。

 ただ、たとえ僕がどう描いたとしても、物語のバトンを渡す相手は、なろうきっての実力派として知られる水沢ながるさんでしたので、実際のところはすっかり安心していました。実際に水沢さんの回で、ストレンジテイルという喫茶店が登場し、それにともない物語が徐々に興味深く発展してきて、バトンが一周して僕のもとに戻ってきた頃には、霧音さんはお兄さんの人格に覚醒して不審者と乱闘を繰り広げていました(笑)。みのりナッシングさんとにのい・しちさんの回でそのあたりの弾みがついたみたいで、僕が二回目に受け取ったのも最高潮に弾んでいる状態のバトンだったので、その後はとても描きやすかったです。二周目からはとにかくリラックスできて、霧音さんのお兄さんが黒装束の賊を倒したり、僧侶の悠玄を登場させたりとやりたい放題させていただきました。水沢ながるさんならどんな展開にしても、上手に受け取ってくださるだろうと安心していましたもので。すみません(汗)

 回を重ねるにつれ、物語がだんだんと複雑になって参りましたが、本格ミステリーの重鎮である奥田光治さんの回で、各務家の殺人事件と登場人物が結びついたあたりで、一気にミステリーとしての面白さが増して、自分は主催なのにこの仕掛けに全然気がつかなかったな、と恥ずかしさも感じながら素直に驚いていました。僕はバトンが一周まわった段階で、これはもうホラーアクション小説だな、と思って無責任にも方向転換をしてしまっていたのですが、奥田さんはその後も、本格ミステリーの城郭をたったひとりで死守されていたようで、大変申し訳なく思っております(汗)。

 華麗なるカムバックを果たした乾レナさんの回は、僕の好きなカレー屋さんが、エチオピ屋として登場してきたり、僕自身も黄金の袴を履いている美少年として登場してきたりとサービス満載で、読んでいてとても楽しかったし、とても嬉しかったです!

 真波馨さんや水沢ながるさんの回が、物語の流れを受け継いで、洗練された技術力でもって物語世界を堅固に構築しているのに対し、にのいさんとみのりナッシングさんの回は、急激な変化球であり、破壊的なアイデアに満ちていたように思いました。

 特に毎回ぶっ飛んでいるなと感じたのが、みのりナッシングさんの回で、鷹野橋さんの回や、各務家の回想シーンはどう解釈すべきか難問でもありました(笑)

 そうしたことがあって、ひとつの物語の中で破壊と創造が共存し、さまざまなスタイルが調和と反発を繰り返すことによって、ユートピアないしディストピアといえる世界が構成されていたことは創作者として、とても興味深く読ませていただきました。ちょっと自分でもなにを言っているのか分からなくなっていますが、バトンをどう受け取り、どう物語を発展させるかという点が最大の関心ごとでもあったので、こうしたスタイルの違いは、とても勉強になりました。

 最後になりますが、真波馨さんの回は、恋愛を匂わせるシーンが多く、お気に入りの一つです。小田切氏と瑛菜さんの間にはなにかあるのではと僕も気になっていたので、真波さんの回で、ふたりの親密な関係が明るみに出てきた時には、なるほど!っと頷いてしまいました。考えてみると、この物語はホラーとミステリーの合わせ技だったわけですが、その影に隠れながらヒューマンドラマ要素も豊富だったな、と……。


 タイトルは募集と投票の末、真波馨様の「カガミの呪い」に決定しました。またにのい・しち様には、素敵なキャラクターイラストをいただいております。ありがとうございます!

 本当に皆さま、一年八ヶ月に渡り、リレー小説を執筆してくださり、ありがとうございました。非常に楽しい時間でしたし、勉強になりました。またこのような機会がありましたら、どうぞよろしくお願いします。お世話になりました!


         (Kan)






 この企画に参加したのは、ひとえに「面白そう」だったからです。それは作中の流さんも言っていた通り。

 蓋を開けてみると、え、私、Kanさんの直後? 初っ端!? さあどうしよう。

 考えた末に、私は一つ自分に課すことにしました。それは……「とりあえずネタ振りをする」。下手な鉄砲を数撃てば、そのうちどれかをどなたかが拾ってくれるだろう! わあなんて他力本願!

 というわけでストレンジテイルという店を作ってみたり(これは自分の作品にフィードバックしてもみました)、設定から考えて「天海」のワードを出してみたり(東京やその近郊にカタコンベなんてものを作れる存在は、天海僧正しかいないかなーと)、色々やってみました。それが成功しているかどうかは、まあ別の話ですが。個人的には、鷹野橋さんがああなるとは思ってなかったので面白かったですね。

 最後に、主催のKan様、参加者の皆様、お疲れさまでした。楽しかったです!


         (水沢ながる)






 一年半以上にわたるミステリーリレー企画、みなさお疲れさまでした。

 Kanさんの企画には過去に幾度か参加させてもらったのですが、今回のように長期におよぶ企画は初めてで、また物語の展開がまったく予測不可能のリレー形式というのも新鮮でした。

 本企画に真波がどれほど貢献できたかはわかりませんが、楽しく執筆させていただきました。


 バトンを受け取ったとき、必ず一話目から読み返して「ああ、今こんな流れなのだな」と復習していたのですが、毎回予想だにしないストーリーになっていて本当に面白かったです。

 作者ごとに話のカラーが異なっているのも、この企画ならではの楽しみでした。

 Kanさんのあとがきにも書かれていましたが、真波の前が水沢ながるさんで、安定した書き手の方という印象でしたので「水沢さんなら安心してバトンを受け取れるな」と勝手ながら感じていました。これがもし、乾レナさん、にのい・しちさん、みのりナッシングさんであれば「この流れを受け取ったら私が雰囲気を崩してしまう……!」と、(良い意味で)焦ったかもしれません。ある意味、こういう意表を突く展開が書ける書き手さんが羨ましいです。

 そして、過去回の復習をするときは奥田光治さんの回を特によく読んでいました。本作のミステリー部分がぎゅっと凝縮されていましたので、物語の情報整理にとても参考になりました。


 最後に、本企画の主催者であるKanさま、本当にお疲れさまでした。

 執筆という作業は基本的に独りで、孤独なものというイメージがつきがちですが、Kanさまの企画に参加するとそのイメージが覆ります。今回も大変お世話になりました。

 参加者のみなさま、読者のみなさま、主催者のKanさまありがとうございます!


         (真波馨)






 改めまして、奥田光治です。この度はリレー小説に参加させて頂き、本当にありがとうございました。普段、あまりこういう企画に参加する事がないのでどうなるのかと思いましたが、話が次々予想外の方向に進んでいって、書く側としても非常にやりごたえのある企画でした。あとがきで何を書こうかと思ったのですが、ひとまず私が担当した話の裏話を紹介してみようかと思います。思い返せば、色々ありました……。


 ①第6話「そして誰もいなくなった」

 とにかく、普段の私の執筆方針が「非現実を徹底的に排除した、極めて現実的な推理小説」であり、それぞれの作者がそれぞれの持ち味を出すのがリレー小説の醍醐味だと考えた事から、一周目からしばらくのコンセプトとして「空気を読まずに、私が得意な『徹底的に現実的な描写』を書く」ことを念頭に置くことにしました。要するに他の作者様が幻想的な描写を書いている中で一人だけ徹底した現実描写を書き続けたら話の流れがどうなるのか、と考えたわけです。その結果、幻想ホラーの中に突如として「現実的な警察による捜査描写」が爆誕することとなりました。ここから現実的なサスペンス系の話になるのか、あるいはまた再び幻想的なホラー描写に戻っていくのか……それを楽しみにしながら書いていたのを覚えています。なお、話を徹底的にリアルにするために主人公は一切登場させず、現実的な警察官として前橋警部を登場させている他、登場人物が抽象的だと話がややこしくなると判断して、とにかく登場人物に名前を付けまくるという事をしています。

 ②第12話「怪異と現実」

 まだ「事件の現実的解決」を諦めていない頃の話で、他の方々が幻想ホラー方向へ行こうとしている中、まったく空気を読まずに現実的な解釈をつらつらと書き連ねていました。ただ、幻想ホラー要素を完全否定しないために、前橋警部が怪異の存在を知っているという設定を追加。さらに、今まで背景として出ていながら抽象的な状況が続いていた各務家の名前をここで初めて設定しています。ただ名付ける際に、後の18話で明かされるような名前のつながりのネタをこっそり仕込んでいて、これが今後どういう風に話を左右するかを楽しみにしていました。

 ③第18話「正体」

 12話で仕込んだ名前のネタを一気に暴露。かなり苦しくはなっていましたがここまで来てもなお現実的解決が可能なように仕込みをしており、この流れからの反応で次の周に私自身が「このまま現実路線を貫くか」「流れに任せて非現実描写に切り替えるか」を見極めようとしていました。あと、話の流れで柚菜のキャラが物凄くかっこよくなってしまって、気付いたら前橋と柚菜が相棒だったという設定に……。いや、四姉妹の中に一人くらいこういう何にも染まらないイレギュラーキャラがいても面白いかと思ったんです。

 ④第24話「各務柚菜という女」

 も・う・む・り・だ……。さすがにこの展開になるともう現実的な解決で終わらせる事などできないと感じたため、この時点で話の主軸を柚菜にして、非現実描写ありの怪奇アクションを書く方針へ切り替えました。ただ、いくら非現実OKとはいえ、前の回で登場した雅楽川の天使の描写に「これ、どーすりゃいいんだ!」と頭を抱える事になって、締め切りギリギリまで解決法を模索する事になりました。とにかくこの話では柚菜を格好良く描くことに全力を注ぎ、最後は前橋警部に「何か考えがあります」的な無駄に意味ありげな描写をさせて、後は次の人に丸投げというなかなかにひどい事をしています。にのい・しちさん、申し訳ない……。

 ⑤第30話「イレギュラー」

 正直、「これ、どう収拾つけるんだ……」と思いながらのラスト執筆。「リアル第一」の私が下手に話の中枢に手を出すとますます収拾がつかなくなりそうだったので、この回はあくまで「最終話直前の下準備」と割り切ってメインストーリーには手を付けず、柚菜と前橋の無駄に意味ありげな描写(そして柚菜のかっこいい描写)にすべてを注ぎ込むことにしました。最悪、もう一周来るかもしれないと覚悟していましたが、最終話はにのい・しちさんがしっかり締めてくれました。脱帽です……(そして気づいたら、ここに至るまで前橋と柚菜の事ばかりで、一度も肝心の主人公の事を書いていなかったという事実。我ながらそれでいいのか……)。


 ……そんな感じです。こうして振り返ってみると、何だかんだ色々考えながら書いてきたんだなぁ……と感慨深く思えてきます。何はともあれ無事に物語を完結できて、執筆者の一人としてこれ以上嬉しい事はありません。頭を抱える事もありましたが楽しんで書くことができたので、またやるならぜひともやってみたいですね。

 それでは失礼いたします。ご一読、ありがとうございました。


         (奥田光治)






 とにもかくにも疲れました。

 かなり長い月日が経っての完結ですが、僕の責任ですね(汗)

 何度か締め切りを過ぎてしまったので……

 ご迷惑をおかけしました。


 いやはや、今回のリレーはkanさんの企画力のたまものです。

 このような機会に参加できて、とてもありがたいです。


 心残りは、もうちょっと登場人物を殺したかったです。


 作品を読んで書き手の皆さんの手腕の驚かされる一方で、自分が書くときのインスピレーションも頂き本当に貴重な時間でした。


 水沢ながるさん、魅力的な設定を作ってくださるので、後々の物語が広がり作品全体に色を添えて下さいました。


 真波馨さん、文章が上手く繋ぎが見事なので、安定したパスは話の軸がブレず見事だなぁ、と唸っていました。


 乾レナさん、最後にそうくるかと驚きました。

 ギリギリまで意表をつく展開、物語を作る上で僕の好きなテクニックです。


 みのりナッシングさん、良い意味で番狂わせ。

 みのりさんのおかげでリレー小説は毎回、大きく舵を切るので退屈することなく話が続いたと思っております。


 奥田光治さん、やはりミステリーにおいて、その存在感は偉大ですな。

 ミスターミステリーと呼びたい(笑)

 むしろせっかく話を固めて頂いたのに、方向性が散漫になって申し訳ないです。


 一年以上かかり遂に完結。

 最後まで読んで頂いた読者さんへ、この度は本当にありがとうございましたm(_ _)m


         (にのい・しち)






【イラスト紹介】


 挿絵(By みてみん)


      (にのい・しち様作)


 挿絵(By みてみん)


 挿絵(By みてみん)


       (Kan作)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。