猫の散歩
俺ん家では、ある一匹の猫を飼っている。
この猫、名前はミャー助というんだが(ミャーって鳴くのが名前の由来)こいつが面白くって、猫では珍しく散歩を要求するんだ。
犬の散歩ってのはよく聞く話だけど、猫の散歩ってあんまり聞かないだろ。てか俺はミャー助以外では聞いたことがないぞ。
そんなミャー助の散歩は交代制で、それは俺が散歩当番になったある日のことだった。
その日はいつもと気分を変えて、いつもとは違うルートを進むことにしたんだ。
そしてある畑を通りがかった時、畑を耕していた見ず知らずの婆さんがいきなり怒鳴ってきたんだ。
「何してんだオメェ! そんなとこで、え!? オメェこの野郎、そんなことしてゆるされっと思ってんか!」
眉間に皺を寄せて激しく怒っていた。
俺はなんで怒鳴られているのか正直わからなかったし、一瞬ムカついたりもしたが「これは関わるとめんどくさいやつだ」と思って、無視して散歩を続けた。
この話を後で母さんに話したところ、そいつは、ここらへんでも有名な偏屈婆さんらしい。自分の気に入らないことがあるとすぐに怒鳴り散らして、忌み嫌われている、とか。
正直俺はそんな婆さんの存在を知らなかった。あの畑の近くは何回か通ったことはあるが、その時は確か優しそうなお爺さんがいたような……
でも猫を散歩させていただけであんなに怒るなんて、短気すぎやしないだろうか。きっと自分の知らないことは受け付けないタイプなのだろう。猫は散歩させるものじゃないという偏見でも持ってるのだろう。それともあれか、真夜中に散歩させていたのがまずかったのだろうか? 『夜遅くに連れ出して〜』なんて思ってんだろうか。
いやでも、猫は夜行性だから別に良いだろ。
【解説】
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最後の文章から分かる通り、散歩をしていたのが真夜中なのだが、果たしてその時婆さんは、畑を耕して何をしていたのでしょうか? しかもその畑の持ち主は婆さんのではなく、違う人のようだが……




