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【書籍化】意味がわかると怖いお話・解説付き  作者: 絢郷水沙


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デート

「ねぇ、あそこの店可愛くない? 行ってみようよ!」

「うん!」

 僕は今、地元から少し離れた街でクラスメートの女の子とともに歩いていた。

 いわゆるデートってやつだ。


 実は昨日急に、

「ねえ明日土曜なんだし、どっか遊びに行こうよ!」

 と誘われたのだ。


 相手は僕が長年想いを寄せていた人。そんな人からの突然の誘いを、断る理由なんてないよね。

 さあ、今日は思いっきり満喫するぞー!



  ――あ、そうだ。忘れてた。



「どうかしました?」

八島(やしま)さん。ごめん!」

「何ですか急に?」

「その、今日の夕方から映画を見る約束だったじゃん。あれ無理そう」

「え、何でですか? なんか急な用事でもできたんですか?」

「うーん……その、歯医者を予約してたのを思い出してね」

「もう、何でそんな大事なこと忘れてたんですか!」

「ほんとごめん! この埋め合わせはいつかするからさ」

「もうまったく、しょうがないですね。わかりました。でも嘘とかだったら承知しませんよ」

「嘘じゃないって。でも、ありがとう。それじゃまた今度ね」


 ふう、良かった。これで――


「ところで、()()()()()()()()()()?」

「え……?」



 ハッとして、僕はとっさに周囲を見渡した。そんな、まさか……!





 ツー、ツー、ツー……






【解説】

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 最後の「ツーツー」という音から分かる通り、主人公は電話で話をしていた。その相手とは前から土曜日に映画を見る約束をしていた相手(八島さん)だったのだが(口調がデートの相手と異なっている)、主人公は好きな人との急な誘いの方を優先してしまい、嘘の理由で断ろうとしていた。

 そして電話で話をしているにもかかわらず隣に女子がいると分かっているということは、八島さんは主人公の近くにいるということ。

 嘘はバレてしまいました。

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