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アンチ・異世界・テーゼ  作者: イソジン
2/4

異世界のすすめ

1話に続き今回も颯天君サイドの話です。

次は花菜ちゃんサイドの話になります!

「どうすんだよこれ…」

正直、自分の思っていた異世界とは違う。それに所持品はカメラと財布、充電が半分のスマホのみだ。

見たことのないものばかりだし、どこにいけば良いのかもわからない。

「こう言うのって町とか人がいるとこに飛ばされるんじゃないのかよ…あ、そうだスマホ…。…まぁそうだよな」

電波は1本もたっていない。

「はぁ…」


すっかり精神的に疲れてしまい、とりあえず木の下の日陰で少し休むことにした。


ウォォーン

何時間たっただろうか、動物の鳴き声で目が覚める。どうやら寝てしまったようだ。辺りは薄暗くなっていた…

ウォォーーン

まただ。犬の声が少し籠ったようなイメージの声が遠くから聞こえる。

「なんかいるのか…ここで死ぬのか…」

ウォォーーーーン。ウォーン。

声が増え近づいて来るのがわかる。100mぐらい先だろうか、草むらが揺れる。


「嫌だ…イヤだぁーーー」

行くあてもないのに本能だろうか声がする方と反対側に全速力で走る。

しかし相手は獣だ、草を掻き分ける音はドンドン近づいてくる。

「はぁ…はぁ…、なんか…能力とかないのかよ俺は…」

普段そんなに走らないのですぐ疲れてしまう。


ウォ"ォ"ーオン

草むらから姿を表したのは目が1つの犬型の動物だった。牙を剥き出しにし、その口元からはよだれが垂れる。


「イヤだぁ…殺さないでくれ…頼む…」

頭を抱え丸くなるように座る。

ウガァァア!!



なんの音もしなくなり恐る恐る目を開ける。そこにはさっきまで牙を剥き出しにしていた犬型の動物が血を流して死んでいた。

「はぁ?何が…」

「おめぇ、見ねぇ面だなぁ。どこの村のやつだぁ?」

「うぁぁあ!なんだお前いつの間にきた」

後ろから覗きこむように顔を出したそいつは手に弓を持っている。身長は150cmぐらい、髪は長く肌が健康的に焼けているが。中学生ぐらいの女の子のようだ。


「これ…お前が殺したのか?」

「そうだけんど。殺さねぇほうがよかったかぁ?」

その言葉には嫌みはなく、純粋に聞いているようだ

「ありがとう…」

気がつくと俺は初めて人間に会えた喜びからか、その子に抱きついていた。

「何すんだ…泣くんでねぇよ!」

「ありがとう…」



「なるほどぉ、あんまよくわがんねぇけど今日寝るとこねぇんだろ?悪いやつでもなさそうだしうちにこい」

これまでのことをあらかた話したがよくわかっていないようだ。それでも家に止めてくれるようなのでありがたく言葉に甘えることにした。


20分ぐらい歩いただろうか。さっきいた草むらから森に入ってすぐ灯りに気づく。

「見えてきたなぁ、おせぇぞ?そんなんだからイブなんかになめられんだ!」

「ご、ごめん…」

村は高い木の柵で囲まれていて中は入り口から少し見える程度だ

入り口に人がたっていることに気づく。

あっちも気づいたようで手を振っている。


「パルグー!ただいまぁ!なんだ待ってたのか?」

「ネトねぇ!おかえり!帰りが遅いから心配で…それよりその後ろのやつだれだぁ?」

さっき助けてくれた女の子の弟だろうか。

「アルグ草原でイブに追われてたとご助けたぁ、いくとこもねぇ見てぇだから少し家にいさせてやろうかなってなぁ」

「あ、あのお世話になります…」

「ネトねぇはいっつもそうやって誰かの世話ばっか焼いてぇ。少しは自分のこと考えてよぉ?誰だか知らんけどネトねぇに手出したら殺す」

さっきまでの表情と違い明らかに睨んでいる…これはマジだ。


とりあえず安全な?寝所を確保できやっと一段落だ。

家は木でできていて二部屋になっているが扉はないようだ。

家に入ると手前の部屋にワラのような植物で作った座布団を用意され座るよう言われる。

囲炉裏を挟んで向かい側に弟くん。横に女の子が座った。

「私はネト・テレドル。こいつは弟のパルグ・テレドル。よろしくぅ」

おもむろに話始める。

「よろしく…、俺は磯崎颯天(いそざきそうま)だ。」

「変な名前だなおまえ。磯崎って名前かぁ?」

弟くんがそう言う

「あ、いや。颯天のほうが名前だよ。」

「ふーん。」

「よろしくなぁ颯天!」

ネトが手を前にだす。

「こちらこそ!」

直感的に握手の流れだと思い手を握り笑顔で握手をする。

「…あ」

「ん?」

ネトはみるみるうちに顔を赤くして動かなくなる

「てめぇ!ネトねぇに手だすなっていっただろ!!」

「え、こうするものだと…」

「い、いいのよ。パルグ…し、知らなかっただけなんだぁ…」

ネトは手を離すと下を向いてしまう。

「手ぇ出したら、手のひらを触るのが挨拶だろぉ?握ったら婚約の証だろうぉ?そんなこともしらねぇのかぁ?」

「うそ…。知らなかった…ごめんネト」

「ネトねぇを気安く呼ぶんじゃねぇ!イブの餌にするぞぉ?」

「パルグ…い、いいのよぉ。気にせんでぇ…颯天も今日はねなぁ…パルグ、もう怒らないでぇ?」

「ネ、ネトねぇがそういうならぁ…颯天おまえ次はねぇからな?」

「は、はい」


依然、顔の赤いままのネトは奥の部屋に行ってしまう。

続いてパルグくんも奥の部屋に行く。

「あ、あの俺はどこにいたら?」

「そこで寝てろぉ!」

奥の部屋からパルグくんが顔をだし睨みながらいう。どうやらそうとう嫌われたようだ。


少しすると自然に睡魔に襲われ、俺の異世界1日目は終わりをつげた。






















新キャラ二人出ましたね。言葉は少し変ですけどネトちゃんはすごくかわいい設定です。一応ハーレム要素もありますしね…


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